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こらぼでほすと ケーキ10

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 レイがマップ片手に指す方向には、岩山が見える。他にもバラで纏められたもの、低木の木と草で纏められたもの、高い木と低い木の組み合わせ、迷路のように配置されたもの、など、いろいろとあるらしい。一番奥にあるのが、本日の目的地レイクガーデンだ。人工の池にボートなどが配置されて東屋も建っている。そこから先は、境界まで自然林になっていて周囲からは覗かれないようになっているし、警戒装置も配備されている。歌姫が落ち着いて滞在できるように、そういうものは完璧にされている。それらの管理もラボのほうで、別荘の人間がやっている。
「バラ? 迷路? そんなもんあったのか? 」
「俺ら、迷路でタイムアタックしたことあるぜ? ねーさん。身長より高いから迷ったら出られないんだ。」
 年少組は、ここで遊ぶことが多い。一応、徒歩で移動するが、外周部分にクルマが通れる道もあって、別荘のスタッフたちが、そこまで飲み物やおやつを配達もしてくれた、と、シンが説明する。
「バラは五月くらいからが満開になります。研修から帰ったら案内します。」
 ある意味、年少組にはアスレチックみたいなもので、そこいらを走り回ってかくれんぼだのタイムアタックだの楽しんでいるから詳しい。のんびりと歩いていたら林が開けて、池が目の前に広がった。
「とうちゃーくっっ。」
「もう少し暖かかったら、ボート遊びもいいんですが。」
 こっちに、東屋があります、と、シンとレイは勝手知ったるなんとやらで、休憩所の東屋へ案内してくれた。池のほとりに建っている東屋は西洋風で手すりや屋根に飾りが施された優雅な建物だ。
「トダカさんも、来られたことはあるんですか? 」
「ここまでは来てないな。バラの庭は見たことがあるよ、娘さん。あれは綺麗だから、今度、お父さんとデートしよう。」
「あははは・・・ええ、ぜひ。」
 庭が広いとは聞いていたが、こんな広いのだとニールも知らなかった。刹那たちが再始動を終えたら、案内してやろう、と、考えて東屋に入る。小一時間の散歩は、いい具合に空腹にもしてくれたので、そこでお弁当を広げることにした。
「この建物に、弁当っていうのはミスマッチだったな。」
「別に、そんなのいいんだよ。やっぱ、こういうのは弁当のほうがいい。」
「なあ、ここ、テーブルクロスとかクッションとか置いてあるけど、雨に濡れないのかな? 」
 東屋の真ん中のテーブルにはレースのクロスがかけられており、椅子の部分にはクッションなどが配置されている。ここまでするのはやりすぎなんじゃないか? と、ニールは思ったのだが、いえいえ、と、レイが苦笑する。
「今日、俺たちが使うと言ったので、別荘のスタッフが用意してくれたんです。普段は、何も置いてありません。ほら、ここに、飲み物も用意してくれてます。」
 東屋の隅にはワゴンがあり、その上にポットがいつくかと茶器もある。至れり尽くせりの準備がされている。
「うわぁーさすがだな。じゃあ、お茶はいらなかったか。」
 こちらも水筒で温かいお茶とコーヒーを持参していたが、それが必要ではないような準備だ。
「うーんと、紅茶とスープと緑茶だってさ。ということは、被ってないから飲める。スープから飲むか。」
 メモが置かれていて、それを確認してシンがスープのポットを取上げる。三段のお重を広げたら、テーブル一杯になった。
「ここ、いい場所だなあ。のんびりお茶を飲みながら読書するには良さそうだ。」
「でも、トダカさん、ひとりで来たら行方不明になったと思われますよ? 」
「ははは・・・娘さんでも誘うさ。ここなら別荘内じゃないから出禁も関係ないだろうしね。」
「お気に召したんなら、プラントから帰ったら案内しますよ? ママ。歩かなくてもクルマでも来られます。」
「なあ、そんなことは食いながらでもいいだろ? とりあえず食わせろっっ。」
 シンが、がーがーと文句を吐いたので、スープのカップで乾杯して食事に手をつけることにした。