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こらぼでほすと ケーキ12

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迷路の庭を走破して、そこからは戻って来て昼寝に突入した。いつもより遅い時間からだったが、今夜は、こちらに泊ると言われていたから、ニールものんびりとしたものだ。ふっと目を覚ますと、すでに日は暮れていた。まあ、そりゃそうだよな、と、起き上がる。フットライトだけの室内は静かだが、隣りの居間からはテレビの音がしている。シンとレイがゲームでもやってるんだろうと扉を開けたら、ものすごいのが居座っていた。
「いっ? 」
 肝心のシンとレイはいない。キラ、イザーク、ディアッカ、アイシャという面子がゲームをしていた。なんで? と、ニールが首を傾げたら、ディアッカが笑いつつ、廊下へ出て行った。
「ニール、着替えろ。その格好はいただけないぞ。」
「そうネ、ジャージはイケナいわ、ニール。」
「はい、服。」
「いや、なんで、この面子がいるんだ? 」
 寝るのに窮屈な格好はいかんだろうと、用意されていたジャージに着替えたので、そのまんまだ。どうせ、メシ食って、だらだらするだけだから、これでいいか、と、思っていたのだが、なんかあるらしい。
「アイシャさん、ニールのほうは頼みます。」
「リョウカイよ、イザーク。」
 イザークも、それだけ言うと、さっさと部屋を後にする。料理の邪魔になりそうなのは、ここで起きるニールを待っている担当だった。イザークはケーキ担当だから、その準備に戻る。カガリも邪魔だが、サプライズの予定だから、別室で待機している。
「何事ですか? アイシャさん。」
「ミンナでお食事よ、ニール。ここで着替えてもいいケド? 目の保養にナルから。」
「見たいですか? 俺、今、貧相な身体ですよ? 」
「そうかな。ママの身体って、結構いいと思うんだけどなあ。一部マニアの人たちには。」
「一部マニア? 」
「ムウさんとか紅とかハイネ? あと、さんぞーさん?」
 意味わかんねぇーよ、と、ニールは渡された着替えと共に寝室へ戻る。さすがに女性の前で着替えるのは気が引けたのだが、生憎とアイシャも元軍人様だ。いちいち、男の身体なんてものに反応するほど初心ではない。くくくく・・・と肩を震わせて、「カワイイ。」 と、受けていたりする。




 トダカは、ラボの管制室に降りていた。そこへバーボンの逸品を持ち込んで、ちびちびと虎と鷹と飲んでいる。じじいーずは、最初の騒ぎには参加しない方向だ。これからのことを考えると、ニールの喜ぶ顔が切ないからだ。
「おとーさん、娘さんのロウソク吹き消すとこは見ておくべきじゃないか? 」
「そう苛めないでくれ、鷹さん。どうも、あの子の作り笑いっていうのが胸に痛いんだ。」
「まあ、そうなるでしょうなあ。鷹さんこそ、マリューもいなんだし、ニールにセクハラでも仕掛けてくればどうだ? 」
「勘弁してくれ。さすがに、泣かれたら厄介だ。」
 年少組がやることは悪いことではないのだが、ニールが寂しそうに笑うのは、ちと胸に痛い。ここに子猫たちでもいればいいのだが、そろそろタイムリミットだ。それを思い出して、無理に笑うのは見たくないから、じじいーずは集っている。もちろん、年少組に作り笑いだとバレるヘマはしない。解るのは、じじいーずと黒子猫ぐらいのものだ。
「実際、生存率は五割を切るだろう。」
 再始動して子猫たち全員が無事に戻れる確率は怖ろしく低い。キラたちが、救助するつもりで動いているが、どこでどうなるかなんて戦闘はわからないものだ。
「うちの娘さんも、それは気付いているだろうしなあ。」
 ニール当人は何も言わないが、マイスター組リーダーだった男だ。それなりに予測はしているだろう。それが証拠にティエリアが帰って、すぐに寝込んだ。吐き出せない思いがあるから、落ち込んで体調を崩すのだ。
「組織の新型如何だが。どうなるのかな。せつニャンの機体はダブルエンジンだから、馬力はあるんだろうが。」
「アローズの新型もダブルエンジンのがあるぞ? 鷹さん。」
 アローズの機体も擬似GN粒子のエンジンだ。真性のGN粒子エンジンと遜色はないから、戦闘での優位性となると、さほど高くない。そこいらが問題点だ。物量作戦に出られると、組織のほうが劣勢にもなる。それらも推測しているだろうニールは、今、心穏やかではない。戦端が開かれる秋まで、じりじりと過ごすことになるだろうし、それからも情報が統制された側のものしか手に入らなければ、不安で堪らないなんてことになる。腹は据えているとはいっても、気にならないわけではない。
「せつニャンが宇宙に上がったら、ダウンしそうな気がする。」
「そりゃ確定だ、鷹さん。三蔵さんも言ってた。」
 じじいーずとしては、なるべく、そこから目を離させようと考えているが、日常のニュースパックで流れるものは、どうにもできない。寺の坊主も、そこいらは考えている。トダカに、その時分のフォローは頼んできた。
「ハイネからのリークは、冬ぐらいにはやらなきゃならないだろうね。それについては、私が付き合うから、虎さんと鷹さんは、オーナーとキラ様のほうを頼むよ? 」
 ニールから頼まれた手伝いのことは、ハイネがすでに、じじいーずに話している。確かに人手不足だし、情報統制されていない情報のほうが、ニールも現況が把握できる。余計なことを考えてダウンされるよりは、マシだというのも納得のことだ。だから、手伝いについては来年には参加させるつもりをしている。フォローはトダカの担当だ。
「そちらは任せてくれ。トダカさんの親衛隊も借りることになるだろう。」
「キサカさんからも、バックアップの話は出ているから、おとーさんは娘さんのほうを頼むぜ。」
 エターナルだけでは救助範囲全域のフォローは難しい。そこいらは、オーヴのほうと、こっそり連携する。プラントから艦船の貸し出しの話も締結している。アローズが負けてくれなければ、地球は変らない。そう結論付けた国家群はキラたちに力を貸してくれる。プラントとオーヴだけではない。かなりの数の国家群からの協力は取り付けた。三大大国の思惑だけで出来ている連邦なんてものは、意味がないのだ。
「ママのイベント開始。」
 ディアッカからの連絡が、管制室にも届いているが、じじいーずは苦笑するだけだ。これからの一年を考えれば、素直に祝える気分でもない。
「ということは、一時間ぐらいは、ここで飲み会をやって、そこから宴会へ雪崩れ込むってとこかな。」
「そうだろうね。プレゼントを渡してロウソク吹き消して・・・そこいらが終わらんと。」
「おとーさん、ピクニックはいかがでしたか? 」
「いい運動にはなった。もう少し暖かい時期がベストだ。」
「五月ぐらいなら、ちょうどいいんじゃないかな。シンたちが戻ったら、また遠足してやればいい。」
「あははは・・・そうだね。今度は、みんなで行くことになるんじゃないかな。キラ様が、ずいぶんとごねてらしたから。」