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こらぼでほすと ケーキ13

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ニールはぴば無礼講は、深夜まで続き、翌日、午後からニールと人外ご一行様は、一足先に帰った。残っているのは、ブランチをしてラボへと集合した。こちらには、カガリンラヴも揃っていて、会議用の部屋で、今後の打ち合わせを行う。

「こっからが本番だ。キラ、気合を入れて行けっっ。」

「カガリ、今から気合なんか入れたら疲れるよー。」

 双子だか、片や好戦的、片やのほほんだから、噛みあわない会話になるが、これはいつものことだ。いつくかのパネルを大きな画面に展開させて、今後の大雑把な進行というのをアスランが説明する。オーヴと連携する部分を細かく解説して、そこいらの質疑応答もやる。本格的にアローズを叩く段階になれば表立って共闘しても問題はないが、そこまでは連邦側に知られないことが望ましい。

「キサカーズラヴのほうとは、私が連絡を取りますので、カガリ様、そちらから現況の報告は受けてください。」

 トダカがオーヴ本国との連絡は一手に引き受けるとカガリに伝えると、ニヤリとカガリはトダカに笑いかけた。

「もちろん、それで結構だ、トダカ。ただし、報告は公明正大にやってもらいたい。私が報告されていないことは、私の責任ではない、なんて私は考えない。おまえらがやることは、すべて代表である私の責任においてやっていることだ。トカゲの尻尾切りで私を守ろうなどという小賢しいことは考えるな。いいな? 」

 カガリには知らせないでやっている裏のことというのが、多数存在している。それは、発覚した場合、その責任者が独断でやったことだと処分するつもりのものだし、カガリには納得のいかないものもあるからだ。政治は綺麗なものばかりで構成されているものではない。若いカガリは、綺麗なもので政治を進めようとするが、そうそう上手くいくものではない。その暗黒部分は、ウヅミーズラヴ会員番号一桁組が担当している。

「そこは、我々の自由裁量にお任せいただけませんか? カガリ様。」

「わかっている。だが、事実は事実として伝えろ。今後の私のためには必要なことだ。今のところ、おまえたちのように私はできないんだから、そこいらは学ばせてもらう。」

「承知いたしました。キサカにも、そう伝えておきしょう。」

 ウヅミに政治とはなんたるかを見せられていたカガリは、ただの理想主義者ではない。清濁併せ呑む覚悟は知っている。ただ、まだ、それがうまくいかないから、そこいらはブレーンに頼っているだけだ。

「カガリ、公式に会見をやる場合は、攻撃性を少なくしろ。あまり、おまえが吼えすぎれば、こちらにも視線が向く。」

「わかってるよ、イザーク。うちのスポークスマンが、私の言動は、いちいちチェックしているし、下書きもやってくれている。」

「それでも、カガリ嬢ちゃんは爆発することがあるけどなあ。」

「最初から比べれば忍耐力もできたぞ、フラガ。」

「最初は、触れたらドカンでしたもの? カガリ。」

「おまえより、私のほうがマシだ。おまえは女神の笑顔で人を言葉で斬ってるんだからな。」

「正当な抗議をしているだけですわ。それから身辺警護も増やしてください。テロリスト狩りと称して、アローズが狐や狼を野に放っております。」

「ああ、キラからデータをもらってる。」

 ここにいるのは先の大戦で名前が知れたものばかりだ。ここいらが騒げば、連邦も心穏やかとはいかない。五月蝿いとなれば消滅させようと動くことも考えられる。だから、しばらくは、みな、形を潜める。アローズに全力で打って出られたら、『吉祥富貴』は、プラントへ逃げ込むしかなくなる。それでは、マイスターの救出もままならないから、ここは何があっても堪えている場面だ。特に、表で活動しているカガリと歌姫は、自重しておかなければならないから、イザークも注意する。

「キラ、気をつけろよ? おまえが一番ドン臭い。」

「うん、大丈夫。僕にはアスランがいるから。」

「アスラン、頼んだ。」

「了解、カガリも気をつけろ。」

「はははは・・・わかってる。息抜きをしたくなったら、こっちに出てくる。」


 世界が、なるべく穏やかなものであればいい、というのはカガリも同意している。戦争のない世界というのは、かなりファンタジーなものなので、そこまでは望まないが、できるだけ巻き込まれる人が少なければいいとは願っている。その障害となるものは、もちろん排除の方向だ。ただし、カガリの背中にはオーヴ本国が乗っかっているから身軽に動き回れない。その部分は、キラに願いを託す。

「じゃあ、今度は我々からの提案を聞いていただこう。」

 『吉祥富貴』からの説明が終わったら、今度はオーヴからの説明だ。本国としては表向きは静観するが、キラたちに協力できることは裏からこっそり手助けする方向だ。さすがにアローズの遣り口は、カガリも腹に据えかねているし、あれで平定された世界なんていうのは、三大大国に有利なばかりの理不尽なものでしかないからだ。だから、アローズを世界の歪みと認定し、刹那たちが仕掛けるというなら、できるだけ助力はするつもりだ。









 寺へ戻ったら、うわぁーという大きな荷物が届いていた。カガリからのお届けモノだ。あーあーと、寺の女房と、沙・猪家の女房が開いて整理する。魚に肉、果物、野菜というオールジャンルなものが何箱かの発泡スチロールに詰められていた。悟空がいるからと言っても、やりすぎだ。なんせ、冷蔵庫と冷凍庫に収まらない量だったからだ。

「とりあえず、面倒だから、こっちで食べて帰りますよ。残りを二対八で分けましょう。」

「そんなとこですね。」

 食べ盛りの悟空の分だけ取り分は多くする。面倒だから、刺身と鉄板焼きという簡単メニューで食事して、沙・猪家夫夫は、取り分の荷物と共に引き上げた。悟空が先に寝てしまったので、坊主は、風呂上りに晩酌だ。

「なんかアテはいりませんか? 」

 最後に風呂から上がってきたニールが髪を拭きながら声をかける。

「残り物があるから、これでいい。早く乾かせ、風邪ひくぞ。」

「そこでドライヤーかけてもいいですか? 」

「ああ、ついでにお湯割りでもしろ。」

 まだ半乾きの髪を、まず乾かして、それから、薄いホットウイスキーを口にする。虎が、眠れない時に使え、と、くれたものだ。味見しますか? と、亭主に差し出したら、ちょろっと口をつけた。

「いい酒だな? 里のか? 」 と、尋ねてくる。普段は、焼酎が基本の坊主だが、酒ならなんでも飲める人だ。

「虎さんが、催眠剤だってくれました。なんか、いろいろと貰っちまって。スリッパは、あんたのと色違いですよ。」

「貢がせてもいいだろう。おまえがやってるのの見返りとなりゃ安いぐらいだ。」

「そうですか? 」

「そうだろう。」

 ごくっと、ふたりして温かい酒を飲んで沈黙する。ただし、重苦しい沈黙ではない。どちらもが、それに思い出すものがあって、それに心を向けているだけの沈黙だ。坊主は、茫洋とした空気を楽しんでいるだけだから、意識は女房にも向けている。ごくっと飲んで苦笑する女房が顔を上げた。

「先は長いですね。」

「楽しめば短いもんだ。そう思え。」