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犯した罪の重さを知るがいい――




「「・・っ!!!!!!!!!」」


「真理が・・・・・・」

「兄さん・・・もしかして・・」


混乱する頭の中に一瞬過ぎる体を戻した時の真理の扉の前での記憶。
真理は確かに言ったのだ『犯した罪の重さを知るがいい』と。


「・・・あぁ、最悪だな。俺達は歴史を歪ませた。」

「・・・そんなっっ!!!・・だって石は確かにっ!!」

「そもそもが間違ってたんだ。」

「・・・・・そん・・な・・」

「取り戻してはいけなかった。」

「だって・・・・だってっ!!!!」


取り戻してはいけなかった。
禁忌を犯した罪を背負って生きろと。
その罪をさらなる罪で消そうとした代価は大きなものだった。
父、ホーエンハイムが残した石では到底足りない。



その結果、この世界は歪んだ。



それでも、

それでも立ち止まるわけにはいかない――



「アル、俺がなんとかする。」

「・・・・・兄・・さん?」

「行く。」

「行くって何処に!!????」

「中央。」

「・・・兄さんっ!!!!」

「ちょっとエドっ!!!よく分からないけど、中央になんか行っちゃ駄目よ!!!
うちには居ないって言ってるのに、幼馴染ってだけでロイ・マスタングって奴は家を燃やしたのよ!!?そんなイカれた奴が居るところになんか絶対に行かせないわよっ!!!!」

「ウィンリィ・・・悪ぃけど、行く。」

「信じてるわよ、あんたたちのことは信じてる。
でも、だけど軍人なんか信じられないっっ!!!!
いくら冤罪でも絶対に認めやしないわよ!!!!・・っ・・エド殺されちゃうっ!!」

「ウィンリィ、俺は大丈夫だ。アルを頼むな。」

「兄さんっっっ!!!」

「エドっ!!!!!殺されるのよ!!???分かってんの!!??」


エドワードも確かに混乱はしているものの、しっかり分かっていた。
ロックベル家の状態を目にすれば嫌でも実感していく。
それでも、エドワードはこのままじっとしているわけにはいかなかった。


アルだけでも幸せに暮らせるように・・・
アルはやっと普通の人間として暮らせるようになったんだ。
夢だってある。
やっと人の温もりを感じられる。やっと食べられる。やっと寝られる。
ウィンリィとだってこんな再会を望んでいなかった。
皆との再会だって・・・・

大佐・・・

そう俺はやることがある。


「ウィンリィ、俺さ・・中央に好きな人居るんだ。」

「・・・・・ぇ・・・?」

「俺まだ伝えてないんだ。」

「・・・・・エド・・」

「・・兄さん・・・・」

「だから、ちょっくら行ってくる。」

エドワードの決意と言葉にとうとう何も言い返せなくなった。
アルフォンスもウィンリィもエドワードの性格のことはよく理解している。
行くと言ったら絶対に行く。
それは誰も止めることが出来ない。


「・・・・・・・おおば・・か・っ・・」

「ごめん。心配かける・・・でも帰ってくるからさ。」

「・・・当たり前よ・・絶対に帰ってきて!!!!!」

「あぁ。」

「・・・・兄さん。」

「・・・大丈夫。なんとかなる。」


エドワードの顔は知られていて指名手配書にも印刷されていたが、
今、動けないアルフォンスの顔は知られてはいなかった。
鎧姿だったことが影響しているのかは分からないが、それだけは幸いだった。

「アルを頼む。」

「・・分かったわ。」


エドワードはドアを開け、旅立つ。

中央へ―――


作品名:past 前編 作家名:おこた