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王様と鴉と侍と錬金術師

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第一話 縁起の悪い占いに限ってよく当たるよね

事の発端は約一時間前に遡る。
その日の朝、いつものように坂田銀時は結野アナの天気予報を観ていた。
『今日は全体的に快晴のようですが、もう冬の季節ですので油断せずに防寒対策をしましょう。それでは、結野アナのブラック星座占い~~。今日一番運がないのは、残念! 天秤座のアナタ。今日一日悪いトラブルに巻き込まれる可能性大かも』
マジでか? それが銀時の正直な感想だった。そもそも銀時は占いなど信じていないし、このコーナーだって結野アナが出ているから観てるだけなのだから。だからそのままテレビを切ろうとしたのだが次の結野アナの一言でそれを中断された。
『特に今このテレビを観ている天然パーマの天秤座のアナタ、巻き込まれる可能性大どころか巻き込まれまくって最悪死にます』
聞いた直後頭の中が真っ白になる銀時。唯一頭の中をさっきの結野アナの『死にます』のエコーが響き渡っていた。しかしそんな銀時の心境を知ってか知らずか――いや多分知らないな。――結野アナは話を進める。
「ラッキーアイテムは赤いコートと病院。真っ赤なコートで血にまみれた自分を隠し、病院で死亡診断書を貰いましょう。この二つのラッキーアイテムがアナタを悪運から守り、幸運を切り開くでしょう」
暫くして銀時はハッと我を取り戻しつっこんだ。
――いやいいわけねぇだろぉぉぉ!!
――なんだよラッキーアイテムって! 既にもうラッキーアイテムから不安なんだけどぉぉ!
――なに赤いコートと病院って! つーか最後の死亡診断書ってアレ確実に死ぬ前提の話じゃねぇか! ラッキーアイテムどころかアンラッキーアイテムだよ! 身を守ることも切り開くこともできねーよ!!
そんなつっこみを心の中で連発していた銀時だが、結野アナは爽やかな笑顔で言った。
『ではまた明日、よい一日を』
「送れるかぁぁぁ! ってか俺に明日なんて来んの? 来んのか?」
最後は声に出してつっこんだが、結局終わるものは終わるもので、一瞬でCMになった。
銀時はテレビの電源を消すと、スッと黙って立ち上がり玄関を出て、一階へ降りていった。
――バッカじゃぇか。あんなんただの占いじゃねーか、当たるワケでもあるまいし……銀さん占い当たった覚えとかもねーし、うん。気晴らしにパフェでも食べに行っか。
で、スクーターを出そうとしたところ、後ろから声を掛けられた。
「あ、銀さんじゃん」
「どうしたの? 銀さん」
ビクッと体を震わしてしまったが聞き覚えのあるこの二つの声に振り向くと、やっぱりというかお馴染みというか……後ろには赤いコートを着た金髪の三つ編み少年―エドワード・エルリック―と同じく赤いコートに金髪おかっぱで右目に眼帯を付けた少年―アンディ―だった。
「お、お前ら……何しに来たんだよ」
「何しに来たって……遊びに来たんだけど」
「ってか何? 今メッチャびびってたじゃん。よわ」
「うっせー」
相変わらずだな、と心の中で思う銀時だったが、フッとさっきの占いのラッキーアイテムを思い出した。
――そういりゃぁ……コイツら二人とも赤いコート着てんな。もしかしたらホントにいいことあるかも……?
「なぁ、お前ら暇ならさぁ、いまからファミレスに行くんだけど一緒に行くか?」
「え? いいの? 行く!」
「ボク甘いの興味ないんだけど……いいよ」
こんな感じでエドとアンディも加わり三人でスクーターでファミレスに直行した。

      ***

「ああ~~そよ風が気持ちいいなぁ~~」
「だね」
「お前にゃ似合わねぇがな」
「だとコラ」
と、銀時がスクーターを運転し、エドが後ろに乗って、しかもその狭い面積をアンディが立ち乗りするという、もう交通法違反の乗り方をしている三人。よくあのチンピラ警察に捕まらずに済んでるなと思う。
「で、ファミレスってどっちだっけ?」
ふと疑問に思ったエドが聞く。
「なに言ってんだ、あっちに決まってんだろ」
そう言って左のほうへあごをしゃくる銀時。
「え? 違うでしょ。あっちだよ」
そう言って右のほうを指差すアンディ。
「うん、アンディはちょっと黙って」
元から方向音痴のアンディを信用せず引っ込めるエド。そして銀時のほうへ話を進める。
「なぁ、ホントにそっちであってんのか?」
「あってるに決まってんだろ。それともなに?お前銀さんを信用できないの?」
「うん」
躊躇いもなくうなずくエド。そんなエドをピキリと血管を浮かせながら睨む銀時。
「テメェ……そりゃどういう意味だ?」
「そのままの意味だよ。だってアンタ天パーなんだもん。脳みそ糖分しかないんだもん」
「だとゴルァァァァァ! 全世界の天パーと甘党に謝れ!このミジンコチビ!」
「あ゛ぁ゛! 誰がスーパーウルトラーミジンコチビだぁ!」
「エド、スーパーウルトラは言ってないよ」
エドの間違いを的確に訂正するアンディだか、当の二人は完全に今ので口喧嘩を始めてしまった。ギャーギャーと騒ぐ二人をよそに前を見たアンディ。が、見た瞬間声を荒げて叫んだ。
「ちょ、前!前!」
「「あ゛ぁ?」」
「いいから前見て! てかブレーキ! 人轢く!」
「え゛!」
慌ててブレーキをかける銀時。しかし遅かった。
―ドシャ―
明らかに手遅れな音が空に響いた。何かに直撃した感覚とともに。
その後に後ろからドサッという音も聞こえ、三人は恐る恐る後ろを向くと……血まみれの男が急ブレーキの跡とともに倒れていた。
「あーあ」
まるで他人事のように呟くアンディ。
「や…やべぇ、どうすんだよおい!」
確実にうろたえて慌てているエド。で、銀時はというと……。
「なっななな何言ってんだ? そ、そそそそんなん決まってんだろ、俺たちがまずやるべきことはひとつ! タイムマシンを探すことだろぉぉがぁぁぁ!」
「ソレが一番違ぇだろぉぉがぁぁぁぁ!」
「アンタ大丈夫? そこタイムマシンじゃないよ」
一番動揺している銀時は、近くにあった自動販売機の取り出し口に頭を突っ込んで、タイムマシンを探していた。そんな銀時をつっこむエドと冷めた目で見下ろすアンディ。
チラリと倒れている男を見るアンディ。まずは彼が生きてるかどうかの確認だ、死んでたら意味もない。
「エド、ボクがあの人の事診るからさ、エドはあのバカどうにかしといて」
エドにそう言った後、アンディはさっきの男の方へ駆け寄った。
「ねぇ、大丈夫? 生きてる?」
アンディはそう言って、男の口元に手を近づける。暖かいことから息はしているらしい。そのことにはホッと安堵の息をつくアンディ。が、安心はできない。怪我の具合からみて早く病院へ連れてったほうがいいだろう。スッと男を担ごうとしるアンディ。と、あることに気付く。黒髪のつんつん頭に端麗な顔、しかし幼さがあることから少年であることが窺える。そして少年が大事そうに持っている鞄とサッカーボール。この少年の私物だろう。静かに優しくその手を外して、その二つを持って少年を担ぐアンディ。
二人のほうに戻るとまだ下らない口喧嘩をしていた。
作品名:王様と鴉と侍と錬金術師 作家名:まつり