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【シンジャ】カリソメ乙女【C81】

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 口付けをしようとしているようだと思っていると、唇にシンドバッドのそれが重なって来た。口付けをしようとしているようだでは無く、口付けをしようと彼はしていたようだ。軽く何度か唇を重ねて来た後、シンドバッドは唇を離した。再び彼が口付けをしようとしている事が雰囲気から分かっていたので、その前に唇を重ねられている最中から言いたかった事を告げる。
「何故口付けなどするんですか? 恋人では無いので、わざわざそんな事をする必要は無いですよ。無理な事を頼んでしまった事は分かっていますので、性欲処理の道具だと思って扱って下さい」
「ジャーファル。俺はそんな風にお前の事を扱うつもりは無い。そんな風に女性を扱うのは俺の趣味じゃ無い」
 自分の話しを聞くに従って顔が曇っていったシンドバッドから、窘めるような態度でそう言われる事になった。
 面倒な思いを彼にさせないように気を遣って自分は言ったのだが、今の自分の発言はシンドバッドの機嫌を損ねるものであったようだ。
「分かったか?」
「……はい」
 面倒では無いのだろうかという気持ちをまだ持ったままであったが、シンドバッドがそう言うのならば仕方が無いと思い彼に従う事にした。自分が納得していない事に気が付いている様子であったが、返事をした自分にこれ以上何か言う必要は無いと思ったのか、その事について彼が何か言って来る事は無かった。

(本編に続く)