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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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Distance × Friends

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 レジスタンス…か。何に抵抗するのだ?抵抗したって結局またここに戻ってくる。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。 夏目さんはこう言ったんですよ、こう論破したんですよ。ずっとこう言ってきた人はいるはずだがな。抵抗しても結局同じようになるんだから。差別。それを廃止しようとして逆流する。ならば失恋ムードになったらもう仕方ないと割り切るしかないじゃないか。それなのに…なんでだろう、どうしても求めるのだ、その個人を。
 人の意見をずらずら並べて自分の意見にしたつもりでいるが、なにぶん自分の意見でないことは自分が一番よく知っている。どうしてこういう世の中に生を受けたのか?そしてどうしてこの世の中で死を迎えるのか?生と死と生と死と。繰り返されるそのループにただ人生の意味を求めるあほがこの部屋にずっとこもっているわけか。明日は会社だ、休んでいるわけにはいかない。残業にならぬようパソコンを開いてやることをやらなくてはならないはずだが、自宅にはパソコンを置いていない。壊したものな。そして買い換えてないものな。会社で配られた奴を開いて、業務をする。すぐ終わる。会社はこういうところ効率的でない。もう少し早くやろうとは思わないのだろうか。結局また暇になってしまった。
 心に体に響く感情の、集まる炎を燃やし続けて。夢を語り理想を口にし、現実はこうだ。よかったことといえば、同年代の連中より高給になったこと。そんなの自慢にも何にもならない。ほしいものが思いつかない。ほしいという感情自体がそこにない。死んでしまいそうな勢いで今日も業務を終えている。死神か、死神か、それともサキュバスが砕け散って全ての感情を放出してしまったのかもしれない。
 もう何もしたくない。

 耳に聞こえる。聞こえてしまう。この気持ちはわかる。明らかに未練、だ。自分が抱いてしまったのか。もういいや。もういいや。もういいって。もうどうしようもないというものだ。消えてしまうか散ってしまうか。あいつはまだ俺のことを覚えているだろうか、否。覚えているはずもない。それでいいのだ。俺に何も求めてはならないし、俺を覚えてもならない。なぜか?なぜならもう俺はあいつを幸せにできないからだ。それは自分でわかることだ。かような人間がこの世にいるか。ふざけた野郎だ。馬の骨。せめて俊馬の骨であることを願う。

 残響が響き渡る。
 サヨナラ…さよなら…

 「ピンポーン」
 なんだこの音は。…チャイムか。もうずいぶん聞いてないものだから忘れていた。
 戸をあける。
 「…戻ってきちゃった」
作品名:Distance × Friends 作家名:フレンドボーイ42