cry
「大佐、」
「立ち聞きはあまり言いとは言えんな。」
「申し訳ありません。」
「ヒューズに用がある。先に戻っていてくれ。」
「・・・・大佐、これ以上は、」
「・・・。」
執務室に戻り、コートを羽織り司令部を後にする。
少し歩いたところの路地裏、人気の少ないところの公衆電話でヒューズに電話する。
「ヒューズ?」
『待ってたぜ。』
「どうだ?」
『あぁバッチリ揃った。』
「そうか、近々そっちに行こう。」
『・・・・本当に良いのか?』
「ヒューズ、」
『ん?』
「良い部下を持つとしんどいな。」
『・・・そうだな。』
「じゃ、切るぞ。」
『ロイ、』
「・・・なんだ?」
『良い上司を持つのもしんどいぞ。』
「・・・・っ・・」
『じゃ、来るときは連絡しろよ。』
ガチャン――
・・・・まったく。
困ったもんだ・・・
準備は出来た。
心の準備もとうに出来ている。
中央へ向かう。
決着をつけよう―――