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フレンドボーイ42
フレンドボーイ42
novelistID. 608
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Worst D × Best L

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 子供の頃、俺は紅白帽をよく、真ん中あたりで開いて、「俺、ウルトラマンだぜ!」なってやって、怪獣役の友人に「シュワッチ!」なんてやって遊んでいた。昼休み中、ときには時を忘れてやり続けたりして、よく担任の先生に叱られたものだ。今思えば、何が楽しかったのだかわからない。また、給食でカレーなんかの時に、よくスプーンを目にあてて、また、「俺、ウルトラマンだぜ!」なって言っているのだ。すると頭のいい友人が「たまにはバリエーション変えろよ」なんていって、ウルトラセブンをやったりして、あとはお決まりのパターン。そういうような感じで、俺たちは子供のころはしゃいで回った。家ではゲームばかりして、誰が一番早くクリアできるかを競ったりしたり。そんな感じで、あっという間に、楽しかった小学校時代は終わる。そのころあいつと会ったのだ。そのあと、中学に上がって、あの事件が起きた。
 ふと俺は実家に帰ろうと思った。実家に帰ると、親が優しく迎えてくれた。土産を渡して、話をしたりして、、自分の部屋を見ると、そこには、昔の卒業アルバムがある。「こんなのあったのか…」と思って、ほこりをはたいて読んでみる。
 そして、ついに、俺の何か抱えていたものが、すべて爆発した。四字熟語で言えば、涙腺崩壊というのか。いやこれは流行語だな。当時から流行していた言葉だ。だが俺は、この手のものはあり得ないと思っていた。むしろ泣いたらあいつに申し訳が立たない。だが。今だけは泣かせてくれないか。もう、二度と泣かないから。このまま、終わってはなるものか。俺は今までためた資金を確認した。

 しばらくのち、俺は海外の戦地に赴いていた。ボランティア活動をするためである。NPO法人団体に勤務するようになったのだ。やはりすぐに出世して、給料も、無償ではないから、結構生活に余裕が出るほどもらえた。だが、俺はそんなもので上にのんびりしてはいなかった。俺は相も変わらず、戦地や難民キャンプに赴き、現地に勤務する白人医師やアジア系看護師の手伝いをしていた。当然他の人から言われる。「お前は事務的な仕事だけすれば安全なのに、なんで危険な場所に来るのだ」と。だけど、俺は戦争ではないが人を一人、否、二人殺した男だ。それなのに、俺はただ安全な場所にいるなんて、考えられない。無事に生きていればいい、なんておかしいと思わないか。じゃあなんで人の人生を簡単に終わらせることができたんだ。もう、死んでしまう覚悟で挑まなくてはならない、と思っていた。
 ある日、俺はアメリカ人に手紙が届いているぞ、といわれた。「誰からかな」「女みたいだぞ、ガールフレンドじゃないか」「まさか」俺はそれを開けた。…この文字、どこかで見た気がする。(嘘だろ…。嘘じゃないか…。いや、この文字は、え、でもまさか、そんなはずが)驚愕もなにも、これはあいつの文字だ。あいつの文字をしょっちゅう見慣れていた俺なんだから。だが、あいつは確か山で死んでいるところを発見されていたはずだぞ。おれはあいつの写真も見た。大人になってはいるが、…確かにあいつだ。しかしどうして。あいつの死体であることはDNA鑑定で分かった、ってニュースは言っているじゃないか。俺はパソコンを開いて過去のニュースを見る。過去の新聞データも探した。そして、どこにもないことがよくわかった。どうしてだろう。その手紙には、週末から、休みをとってこっちに来ると書いてあった。いつの間に俺の居住地まで知っているんだ。

 コンコン、と音がして、開けると、ひげ向くじゃらのじいさんと、大人になったあいつがいる。いや、この爺さん何者だよ。いきなりずけずけと入ってきて、「お茶出せ」と言ってくる。あいつは笑って、「ごめんね」って言ってくる。
 …一体なんだ、この状況は。俺はただ、二人が持ってきた雑誌を流し読みしながら、二人の様子を見る。ふと、雑誌のあるページが目に留まる。
 「覚えとるじゃろう、(いきなりじいさんはこう言って、お茶をのみ、咳を一つして)お前は3Dメガネを見て、それをかけて、友達のガキどもとウルトラマンごっこをした。そうして、腕でいつもL字作って、いつも遊びまわって」「おい」俺は立ち上がってしまった。「何であんたは俺のことをそんなに知っているんだよ」おかしいだろう。この男は俺は面識ないぞ。かすかに覚えている先生方の中に誰も似ていない。
 「知りたいか」当たり前だ。知り体もなにも、そもそも何でこいつは生きているんだ。あの日俺は山の中でこいつを包丁で…。
 「ワシは…そうじゃな…お前が『世界』と呼んでいるモノの具現化した姿じゃな」
 「あんたが…『世界』…?」
 「そうじゃ。まあ、日本語を話しているのはお前にとって日本語が一番わかりやすいからじゃ」
 「…そんな馬鹿な。それなら何か見せてみろよ」
 「もう見せとるじゃろう」
 「…?」
 「この娘じゃよ」
 俺はあいつの姿を見る。…確かに大人になっているけれど、あいつはあいつだった。40近いはずなのに、若々しさがいまだ消えることがない、というか。
 「お前があんまりにも哀れすぎるのじゃ」
 「哀れってどういうことだ」
 「過去の過ちにとらわれすぎだ、ということじゃ。お前のような男、生命力がなさ過ぎて、正直困るわい。ニートや引きこもりのほうがまだ生命力があるわい」
 「悪かったな」
 「…で、まあ、本当はこんなこと戦のじゃが、…仕方ないわい、時空軸をずらしておいたのじゃ」
 「な…」 
 「お前が自責の念で戦地なぞに赴くから帰ってやりやすかったわ」
 「…」
 何も言えない。本当にこの爺さんは『世界』なのか?
 「本当よ」
 彼女は口をあける。
 「今の私は、あなたに殺されてもないし、あなたとの間違った行いをしたわけでもないことになっているけれど…私は私。覚えているわ。最後の一瞬まで。そして、別の時空軸によみがえらされたの」
 「…そんな事が実際に…」
 「起きたの。大体ね…空から見てたけれど、あなた責任感じすぎよ。あなたが悪いんじゃない。私たちが幼すぎただけじゃない。それでほかの女性と付き合えなくなるなんて悲しすぎる」
 「…俺は…ただ…お前しか考えていなかったから…だから俺には、他の女なんて選択肢が、なかっただけだ」
 「…あなたは昔からそうだよね。自分で何でも抱え込んでしまう。…あの時の胎児を殺したことも、忘れられないんでしょう?」 
 「まあな。はっきり言って、俺が年齢的にもっと上なら、2人殺しているんだから、確実に死刑だ」
 「見つかんなかったけどね」
 「そういう問題か。俺は自首しなかったんだぞ?俺のような悪党がこの世にいるか?」
 すると爺さんが、「殺人狂はたくさんおるわい。ニュースを見てないのか?」と言ってくる。
 「大丈夫。またあの子も産みなおせる。全て、あなたにとっていい方向よ」
 「…」
 「それとも、もう一回死んだ方がいい?」
 「!…」
 「もう、決まってるんでしょ?ただ、かっこつけて言えないんでしょ?」
作品名:Worst D × Best L 作家名:フレンドボーイ42