「告白~ある夜の一幕」
「ん……どうした、フェリシアーノ?」
ルートヴィッヒが身じろぎして声を出した。
「ヴェ…?起こしちゃった?ごめんね、ルート。夢を…見てたみたい」
目が覚めたのは大好きな人の腕の中。今はもうこのムキムキがないと眠れないんだ。
「何の夢を見たんだ?」
「うん、あのね……初めての時の夢」そう答えてから少し照れて、てへっと笑った。
「な……っ」ルートの顔が真っ赤になるのが分かる。
今でもあの日のことを話すと彼はすごく恥ずかしがるんだ。だからあんまり話題にしないように気をつけてるんだけど…たまにはいいよね?
「く…下らんことを思い出すんじゃない、もう寝ろ」
照れた彼がぶっきらぼうになるのはいつものことで、もう慣れっこだ。
「うん、そうだね…ルート……お休み」
赤く火照った彼の頬にちゅっとキスをして、分厚くて暖かい彼の胸板に頬を寄せると、すぐに眠気がおそってきた。
「好きだよルート、大好き……」
「ああ…俺もだ……」
寝言とも何とも言えない囁きを残して、フェリシアーノは再び幸せな夢の中へ落ちていった。
(終)
作品名:「告白~ある夜の一幕」 作家名:maki