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いきあたりばったり人生

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同性である、とかそんなのは理由にはならない。家族の反対などはいくらか関係もするのだろうが、生憎どちらもいい歳で、物議を醸すような立場にはない。
 つまりは、あちらに私と支え合う暮らしをやってゆく自信がなかっただけのことだ。適当にいいように遊ばれて棄てられたと思えばわだかまりを憤りに変えられるのかも知れないが、どう考えても不誠実であったのは私の方のように思える。
 だから、後を引き摺っている。
 街中の喧騒に鳴らないメールの着信音を幻聴したり、書きかけで棄てたメールが保存ボックスに溜まっていたり、未練もたらたら。それでもあえて電話を掛けないのはもう一度連絡をして逢って、首尾よく元鞘に納まったにしても何年か後、両親の老後に自分の老後が透けて見える頃になると同じことが繰り返されるだろうからである。
 そんな時に遭いたくない顔に出遭ってしまった。雑踏の中である。古い私をよく知る幼馴染は、いい笑顔で何年ぶりだ、なんて言った。
 遭いたくなかったのは初恋の人……というと綺麗な表現だが、つまりは私が私自身の性癖を初めて認識する原因となった人であったからだ。告白もした。思春期をすっとばかして体を動かす事にしか興味の無かった人は面食らったけど断る理由もないってことでOKをしてくれたが、手を繋ぐとか甘たらしく抱き合うとかそんなあたりで遠距離となり自然消滅である。
 とてもまずい。ただでさえ自分の性癖を疎ましく思っている今、そののんきそうな顔を目にしたら、憎んでしまうじゃないか。罪の無いその人を。清くて拙くておろかだった懐かしい恋を。

作品名:いきあたりばったり人生 作家名:藻塩