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僕がきみの手を5題(銀魂NL)

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1.言葉にならなかったからで、(土ミツ)

突然の肩の重みに驚いてその方向を見ると、つい先程まで途切れ途切れに会話をしていた彼女の色素の薄い髪の毛が、そっと寄り添うようにもたれかかってきていた。

「オイ」

もはやシスコンと呼ぶしかない彼女の弟に見つかってしまったら、大惨事である。焦って声をかけるが反応はなく、すやすやと寝息を立てて彼女は眠り続ける。
もしこれが赤の他人や道場にいるがさつな男たちだったとしたら無理矢理にでも引き剥がし、放置して帰るのだが、彼女が相手ではそうもいかない。

「オイ、起きろ」

もう一度声をかけるが、小さく唸ったのち、またすやすやと寝息をたて始める。

彼女を起こすのは諦めて、せめて何か掛けるものを持ってこようと彼女を肩からゆっくりと離し、そっとその場を離れようとした瞬間、今度は左手に温もりを感じる。見ると、彼女の右手が絡まっていた。

彼ははぁ、とため息をついて再び彼女の隣に座る。
そして言い様のない複雑な心境を込めて、その白くて少し冷たい右手をゆっくりと握り返した。



その後つられて寝てしまった彼と、大切な姉が寄り添うように座っているさまを見たシスコン弟に、容赦ない攻撃を(彼にだけ)浴びせられたのは言うまでもない。


【終】


―――――――――――
リハビリ的な。
なんでもアリに見えちゃいますが、土ミツだと主張しておきます。


2011.8.6