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僕がきみの手を5題(銀魂NL)

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3.不安を消したかったからで、(土ミツ)

彼女の手は小さい。
そして冷たい。


「また喧嘩したの?」

先程殴られて熱を持った頬の上をなめらかな指が滑り、また別の意味で熱が発生する。
ミツバは鞄の中から小さな袋を出し、慣れた手つきで絆創膏やら湿布やらを貼っていく。全ての傷やあざに手当てをし終えると小さく溜め息を吐き、俺の目をじっと見つめ、大小の傷がいくつかついた俺の手をそっと握った。

「ねぇ、十四郎さん。あまり無茶はしちゃダメですよ?」

不安げな視線を投げかけられて、思わず目を反らしてしまった。
その約束は出来なかった。
しかしその冷たく小さな手をそっと握り返しておいた。


【終】

―――――――――

2011.12.5