二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
スピカ@黒桜
スピカ@黒桜
novelistID. 28069
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

0130~110th Anniversary~

INDEX|1ページ/3ページ|

次のページ
 
この会議の開催地がたまたま日本だったのはとても幸運だった
そして今日という日が会議の最終日で午前中には終了、というのもとても幸運だった
何故なら今日は俺と愛しの恋人が出逢ってから110周年目という一年に一度の大切な記念日だったからだ
踊る会議というお遊戯に一日の半分が占められてしまったのは悔しいが会議場で席が隣だったから許すとしよう。
いつもは控えめな恋人も今日はなんだかソワソワしてしょっちゅう自分の方をチラ見してくる
一瞬だけこちらを見上げてくるその仕草は破壊力抜群で会議中ということも忘れて思いっきり抱きしめたくなったがここは我慢した
小指を絡めるだけでなんとかくだらない会議を乗り過ごす
周囲の奴らがやけに会議を延長させようとしているのが気に食わないがそんな風に感じてしまっているだけだろうから自分は相当せっかちらしい
「お前らいい加減にしろよな、これ以上用がないなら俺たちは帰るぞ」
「『俺たち』って誰の事だい?」
「決まってんだろ、俺と菊のことだって」
「君一人なら何処へでも行って問題ないぞ!でも菊は置いてってもらうよ、菊がいないと楽しくないからね」
「ふ、ふざけんなばかぁ!!俺と菊はずっっっと一緒にいるんだからな!離れ離れになったりしないんだからな!」
「あぁ、もう、アーサーさんもアルフレッドさんも落ち着いてくださいな」
「菊ちゃん大変だね、あんな奴らほっといてお兄さんとデートしない?」
「ヴェー、駄目だよ、菊は俺たちと一緒にピッツァ食べに行くんだよー」
「これだから西洋の奴らはダメあるね。菊はにーにと里帰りするあるよ」
「ぼくも半分は東洋にいるから一緒にいていいよね♪」
「おめーは論外ある!」
「あの、私、そんな約束しましたっけ・・・?」
再び荒れだしたその惨状を見てしびれを切らしたアーサーが顔を真っ赤にして怒鳴った


「お前らうるせぇ!菊、行くぞ!!」
そう言うなり菊の手を取ると半分駆け足みたいな状態で二人して出て行くことにした




「あーあ行っちゃったんだぞ」
「やっぱり止められなかったね」
「お兄さんは頑張りましたよ!?」
「誰もおめーのことなんて言ってないある」
「そうだよフランシス兄ちゃん」
残された面々は皆一様に悪態だの舌打ちだのをつきながら帰る用意をはじめる
「見た?会議中もずーっと手繋いでたんだぞ」
「うん、見てた。本当にベタベタだよねぇ」
実際には小指を絡めていただけなのだが指摘する者はいない
「アーサーの浮かれようも見え見えだったけど菊ちゃんもけっこう気にしてたよね?」
「新手の公害ある」
「アーサーなんて先週からうるさかったんだぞ」
「なんて言ってたの?」
「折角の結婚記念日だから旅行するだの、日付変更線がどうだの」
「なにあるかソレは」
「結婚記念日、ってあの二人やっぱ結婚してたんだー」
「言葉のあや、ってやつでしょ?」
「でも実質そうだよね」
「もう嫌だあの島国」
「「同感」」


作品名:0130~110th Anniversary~ 作家名:スピカ@黒桜