0130~110th Anniversary~
「アーサーさん」
「どうした?」
「・・・今日はいつにもまして意地の悪い」
「なんだ、拗ねてんのか?」
会議場からの決死の逃走からしばらくして、二人はくつろいでいた
「折角の記念日ですのに、なんで何もしないんですか?」
なるほど、と手を打てばニヤリと王子のような美貌がゆがめられた
「菊はそんなに俺と過ごしたかったんだな。すっげぇ告白だな」
「そんなんじゃありません!ただ、今日という日を大切にしたいと思っただけで・・・」
可愛くないことをいう唇にキスを落とせば菊の顔が真っ赤になった
「俺だって今日は菊と過ごしたい」
「そう思っていらっしゃるのなら、」
「だから二人で別荘に行こう」
「何でそうなったんですか!?なんでわざわざ人の多い(笑)飛行機の中で過ごそうとかいう謎の考えが起こるんですか!?理解不能です。空の上で1月30日を終わらせたいんですか!?」
「そうじゃない、てか俺たちなら飛行機は特別だろ・・・それに時差あるんだぞ」
「何で、そんな事」
「世界で一番最後までこの日を楽しもうぜ」
「・・・貴方って人はたまに気の利いてるようで恥ずかしい事しますよね」
「なっ!酷いなお前」
「嬉しいんですよ・・・察してください」
そう言ってプイとそっぽを向く菊は可愛くて仕方がない
胸元で組まれた腕をとって手の甲に口づける
君に、尊敬と敬愛の気持ちを送って、
「そろそろ行きましょうか?my princess」
「じゃあそうしましょうか私の紳士」
微笑み合って、キスをして、
こうやっているのが一番幸せなのかもしれない
結果として幸せハネムーンから帰ってきた本田が行く時よりも疲れてて家に帰る前に英国でぶっ倒れたり
アーサーがやけにピカピカした顔で上機嫌になって恋人の看病に精を出したりするのは神のみぞ知る
作品名:0130~110th Anniversary~ 作家名:スピカ@黒桜