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にたものどうし。

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「おばけこわくない!だいじょうぶだもん!」
「何言ってるの、絵本で怖がるのに」
「へーいーきーなーのー!」

顔を真っ赤にして地団駄しながら喚いても可愛いだけ、とは気づかない愛娘。

きっかけは、今日の新聞のテレビ欄。
ヒナの好きなバラエティが無く、代わりに『芸能人が実際に遭遇した心霊現象!~あなたはこの恐怖に耐えられますか?~』と書かれていた。
これじゃ見れないね、と言ったら、「みれるの!」と思いの外強く否定された。
どうやら昨日、バズーカでやってきた子牛にからかわれたらしい。(あいつ明日咬み殺そう)

「ヒナこわがりじゃないもん!おばけでてきても、がぶーってしてばしってしたり、ばこーんってしてどーんってしちゃうもん!」

・・・・・・。
たぶん、「咬み殺す」とか「死ぬ気で倒す」とか言いたいんだろうけど。
必死なところゴメン。すごく可愛い。

「恭弥さん、あんまりヒナいじめちゃダメですよ?」

綱吉が洗濯物を抱えながらリビングに入ってきた。

「いじめてなんかないさ。ヒナが心霊特集見るって言ってるんだよ。君に似て怖がりなのにね」
「なっ、俺はもう克服してます!どんだけ死線くぐってきたと思ってんですか!」
「克服?君が?」
「なんですかその言い方!俺もう二十歳超えてるんですよ!立派な大人ですよ!心霊特集くらい平気です!」
「ふぅん?じゃあ君も見れば?」
「望むところです!ヒナ、ぱぱを見返してやろうね!」
「うん!」

作品名:にたものどうし。 作家名:こっこ