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こらぼでほすと 約束2

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「二着でいい。それと、甚平入れておけ。あれのほうが涼しい。」
「二週間の予定でいいんですね? 」
「延長したら連絡する。すまんが、舅に酒を送ってくれるように頼んでくれ。うちのあほ上司が気に入ったらしい。」
 こっちに来るなら、酒を送れ、と、メールが入った。トダカが用意して送った酒は逸品ばかりで、菩薩まで気に入って追加をせがんだらしい。
「あれ、定期的に送ってくれるように頼みましょうか? 」
「そこまで甘やかさなくていいだろう。俺たちが到着してから届けばいいからな。」
「わかりました。連絡して用意してもらいます。他は? 」
「いつも通りだ。」
 はいはい、と、ニールは三蔵の私室へ行って必要なものは用意する。その後を亭主もついていって、なんだかんだと話している。
「珍しい、三蔵がはしゃいでるぞ? 八戒。」
「そりゃ寂しかったんですよ。僕も、捲簾さんから頼まれてるのがあるんで一緒に送ってもらいましょう。」
 八戒にはあちらの大将から個人的メールが着て、中華食材のレトルト関係を頼まれた。あちらにもあることはあるが、特区のもののほうが味がよかったから送って欲しいとのことだ。昨年の闖入者たちは、特区で食道楽ツアーなんてものをやらかしたから、そういうものがあることを知ってしまったのだ。乾麺が、特区独特のものがあって夏場には良さそうだ、と、おっしゃっていたから、そういうものを頼まれた。そうめんや蕎麦、うどんというのを、冷たい出汁で食べると暑い時でも食べられる。どこぞの元帥様のためだと推測される。

 ダンボール六箱に荷物を積め込む、と、悟空と沙・猪家夫夫で近くのコンビニへ宅急便に出しに出かけた。ついでに、買い物もしてくるというので、寺には坊主と女房が残っている。
「黒ちびは、まだか? 」
「そろそろだと思うんですが。」
「今年は、俺が帰ってくるまで舅のとこで、のんびりしてろ。」
「そうなりそうですね。」
 医療ポッドから出たばかりだから、まだ体調は完全ではない。あまり動き回ると、ダウンする。まだ顔色は、それほど良くないし、女房は複雑な顔をしている。亭主の前だと取り繕う必要がないからだ。
「俺がいなくて大丈夫か? 」
「まあ、なんとか。・・・・刹那と話したいこともあるし、いろいろと教えておいてやらないといけないこともあるので。」
「死ぬほど甘やかしておけ。そうすりゃ、帰りたくなる。」
「あははは・・・そうでしょうね。」
「黒ちびのやりたいようにさせてやれ。こっちの都合は無視していい。ふたりで過ごしたいなら、そうすりゃいい。大事なのは黒ちびのほうだ。そこんとこだけは間違うなよ? 」
 いつもなら無理にでも年少組と連れ立って遊びに行かせたりするところだが、今回だけは、そんなこに気を回さなくていい。刹那がやりたいと言うことを優先させてやるべきだ、と、亭主は言う。これが、親猫と過ごせる最後の休暇だ。次は、終わらなければ帰れない。いつものように気が向いたら帰ってくるなんてことはできないし、マイスター組リーダーともなれば、他の用事も付随する。だから、今回限りは好きにさせてやれ、と、おっしゃる。女房のほうも、「そうですね。」 と、微笑んで頷く。
「できれば、少しふたりだけの時間は欲しいと思ってました。」
「そうだろうな。まあ、最後は景気良くキラたに見送らせればいい。一ヶ月ぐらいは居るのか? 」
「どうでしょうね。宇宙のほうも確認したいって言ってたから、あんたが帰る頃には出発してるかもしれません。」
 予定では、すでに戻っている時期だ。それが遅れているから、戻ったら、すぐに出かけるのかもしれない。すでに、ラボにあるエクシアの整備は完了した、と、ハイネが教えてくれた。いつでも出られる準備は終わっている。だから、僅かの時間しか顔を合わせられないかもしれない。
「たぶん、黒ちびは、ここで時間は取るだろう。おまえと過ごしたいだろうからな。」
 また悲壮な顔をしているのか、亭主の言葉が優しい。いつもなら、うざい、と、マグナムを突きつけられているところだ。
「三蔵さん。」
「ああ? 」
「あんたの前だけですから。」
「当たり前だ。サルの前では、外面良くしてろ。その顔、見せたら、あいつ、『行かねぇ』って言うぞ。今日は泊れるのか?」
「いえ、夜には本宅へ戻ります。まだ、治療してもらってるんで。」
「そのほうが無難だな。」
「見送れなくてすいません。出迎えは盛大にやりますから、期待しててください。」
「けっっ、できるもんならやってみろ。・・・ビール。」
「はいはい。」
 今夜はウィークデーだから、寺の面子も沙・猪家夫夫も出勤だ。だから、軽い晩酌を亭主は要求する。女房のほうも、はいはい、と、準備する。これで、二週間ほどお互いに顔を合わせない。どっちも、今日、顔を合わせたから気分的には楽になった。坊主の見立てでは、黒子猫は坊主が帰る頃は、まだ滞在しているはずだから、女房も元気になっているはずだ。
作品名:こらぼでほすと 約束2 作家名:篠義