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ベイブ・イン・ザ・ラボ

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 帰宅してからもずっと虎徹にべったりだったウサが虎徹から離れたのは、寝る前に部屋へ案内した時だった。流れで一緒に寝ようと誘われるかと思っていた虎徹は驚いて、さすがにマスターが可哀想だからな、と冷静に言うウサに二度驚いた。どうやらアンドロイドのウサの方が、精神は大人らしい。帰路からずっとナイーブだったバーナビーを思い返していると、急に腕を引かれて頬に音を立てて口づけられた。おやすみのキスだと楽しそうにウサは笑って、部屋のドアが閉められる。
「どこで覚えたんだよ…」
 一人ごちて寝室に入ると、機嫌をこじらせたまま未だに治っていない問題のバーナビーがベッドに転がっていた。虎徹がわざと大げさにスプリングを弾ませてベッドに座ると、ぴくりと身じろぎしたがこちらを向こうとはしない。
「こてつさんのー…トラブルメーカー、天然タラシ、スケコマシ」
「だぁっ! お前、まーだ怒ってんのかよ」
「別に怒ってませんよ。虎徹さんの懐の広さに呆れてるだけです」
 怒ってんじゃねぇか、とは口に出さずに、虎徹はぽりぽりと頭を掻いた。
「……僕がマスターなのに」
 そう拗ねたようにバーナビーが呟く。ウサにはすげない態度を取っておきながらも、やはり気にしていたらしい。確かに製作者のバーナビーを差し置いてアンドロイドの二人とも虎徹に懐いてくるのは妙な気がするが、“バーナビーが作った”のならあり得る様な気がしてくるから不思議だ。なんて勝手に虎徹が思い耽っていると腕を引かれて、昼間についた痕をなぞる様に舐められた。それだけで背筋が粟立って、バーナビーの愛撫に慣れた身体は興奮する。
「なぁバニー、昨日のつづき、しねぇ?」
  バーナビーに覆いかぶさってとびきり甘く囁いてやると、不機嫌だった顔が赤く染まる。
「……します」
 しっかりと頷いたバーナビーに腰を掴まれると、虎徹は腹の上に座らされた。押し倒されるのかと思っていた虎徹は、拍子抜けする。
「なに、今日は俺に抱かれたいって?」
 寝そべるバーナビーを見下ろす体勢になった虎徹が意地悪く笑えば、何言ってるんですか、と真顔で返された。
「虎徹さんが自分で解して、自分で入れられる所が見たいです」
 つまり騎乗位をご希望か、と虎徹は冷静に理解する。結構変態度上がってきたよなぁ、としみじみしながらそれはお互い様かと服に手を掛けながら笑うと、虎徹はバーナビーの機嫌を治す事に専念することにした。