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こらぼでほすと 約束3

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坊主たちが出発すると、寺に沙・猪家夫夫が移動した。二週間も締め切っていると、防犯上も問題があるからだ。
「とはいっても、やることねぇーんだけどなあ。」
 でへぇーと悟浄は居間で転がっている。来客は、親猫がいない限りはないから、ふたりっきりの生活というところは、マンションと変らない。
「とりあえず、本堂の風通しときゅうりの世話ぐらいでしょうねぇ。」
 沙・猪家の女房も、畳の上に転がる。これといって大した用事はないから、気楽なものだ。
「一番やっとくのが、きゅうりだな。あれ、枯れてたらサルに殺される。」
「水遣りは悟浄が責任を持ってやってください。頼まれたのは、あなたなんですからね。」
 梅雨前に、寺の女房が苗を買ってきて、悟空と一緒に植えたものだ。寺の女房が戻る頃に収穫できるというのが、毎年のことになりつつある。発端は、寺の坊主に新鮮なきゅうりで、きゅうり入りサワーを作ってやろうなんていう、寺の女房の優しさによるものだから枯れさせると、坊主も激怒するだろう。
「へーへーやってやるさ。収穫できたら、俺らも食おうぜ? 八戒。」
「そうですね。そろそろ、トマトときゅうりは第一陣が収穫できそうです。あれでサラダでもしましょう。」
 寺の女房からも、収穫したのは召し上がってください、と、許可は出ている。そのまま放置したら枯れるだけだし勿体無い。
「なあ、八戒。俺、一度やりたかったことがあるんだけどさ。」
 ころりと女房のほうへ亭主が転がってきた。ニヤニヤと良からぬ笑顔だ。
「僕も参加ですか? 」
「共同作業ですから。」
「三蔵の部屋はイヤです。」
「しねぇーよっっ。本堂で仏様に見せつけるって、どう? 昼間がベストだけど暑いかなあ。」
「青姦より酷いですね? 罰当たりな行いすぎませんか? 」
「でも、俺ら、あっちの関係者じゃねぇーし、信心してるわけでもないぜ? 板間だから、立位でやりゃ痛くもないだろ? 」
 そりゃそうですが、と、八戒も苦笑する。自分たちにとって、あれは信仰の対象ではない。そういう意味では美術品という感覚に近いものだ。罰当たりなことは、すでに散々しているが、神様から罰を当てられた経験はない。管轄外だから、罰なんぞあるわけがないのだ。
「誰も来ないならいいんですけど。」
「来ないだろ? ママニャンはトダカさんとこだ。集まるなら、あっちに行くはずだ。」
 『吉祥富貴』の日常担当が、トダカ家に滞在するなら、スタッフは、そちらに行く。日常の空気を味わいたいのだから、そうなる。わざわざ、寺に遠征してくる物好きはいない。
「付き合うのはやぶさかではありませんが、後の掃除は悟浄がしてください。」
「もちろんでございますとも、女王様。風呂も沸かして、頭のてっぺんから爪先まで丹念に洗いもいたしましょう? 」
「あははは・・・それって洗うだけで済むんですか? 」
「うーん、無理じゃないか? どうせ、誰も来ないんだし、いけない遊びを満喫しようぜ。」
 寺で、こういう遊びができるのは滅多にない。普段は堅物の坊主が居座っているし、おサルさんも居る。留守番の報酬としては、なかなか楽しいと、ふたりして笑いながら、キスを仕掛ける。
「ここでやったら、本堂は明日になりますよ? 」
「二週間もあるんだ、慌てない慌てない。」
 ちゅっと啄ばむキスをして亭主は微笑む。この夫夫も、どこにいたってイチャコラしていることに変りはない。畳の上ってのも新鮮ですねぇー、と、女房が亭主に微笑む。爪立てて毛羽立てたらバレるかなあーと、亭主は女房の顔を覗きこむ。
「じゃあ、悟浄の背中に爪を立てればいいんですね? 」
「八戒、そんなに激しいのがいいのか? 」
「今夜は仕事ですから、激しいのは勘弁してください。気功波の威力が半減します。」
「あいよ、ソフトコースでな。」
「あははは・・・はい、それで。」
 誰も来ることはないだろうし、この状況に乱入してくる根性のあるのもいないだろう。どちらも、それかわかっているから昼間だというのに大胆に身体を開いている。





 トダカ家には、もちろん、シン、レイが居座っていた。そして、店まで近い場所だから、キラとアスランも顔を覗かせていたりする。おやつを作れ、などとは言わなくても、ちゃんとニールは、簡単なものは用意している。
「ジャガイモのパンケーキだぁっっ。」
 キラは台所から漂ってくる匂いに、うきうきと近寄る。台所では、ホットプレートで、それらが焼かれていて、シンとレイが、もぐもぐと食べていた。トダカも、一緒になって、それを食べている。
「いらっしゃい、キラ、アスラン。トッピングは勝手にやってくれ。」
「きゃうーん、ママァ、大好きぃぃぃ。」
「大丈夫なんですか? ニール。」
 せっせと焼いて、ひっくり返しているニールに、アスランは声をかける。まだ、里に戻って数日だ。あまりフルパワーで動いていいとは思えない。
「こんくらいならな。さっきまで、シンとレイが焼いてくれてたから代わったばかりだぜ? 」
「今夜は休んでください。お客様も少ないし、俺たちが、トダカさんの手伝いはします。」
「うん、そうしてくれると有り難い。・・・あのさ、刹那から連絡は? 」
「まだですが、そろそろ戻ると思います。」
 時期的に、刹那が戻って来るはずで、それが気になっているから、ニールは、アスランと顔を合わせると毎度、それを尋ねる。
「あのさ、キラ、刹那が戻ったら、俺と刹那と、しばらくふたりにしてもらえないか? 」
 トダカには話したので、後はキラたちに頼むだけだ。戻って、しばらくはマンションに戻って、少し話をさせて欲しかった、その間だけ、マンションに押しかけるのも遠慮して欲しかったからだ。
「大丈夫なの? そういうことなら、別荘でのんびりするほうがいいんじゃない? ママ。」
「俺、別荘は出禁だし、人がいないほうがいいんだ。」
 刹那がやらかした騒動で、ニールは別荘には出禁になっている。先日は、トダカたちじじいーずも一緒だったから許可をしてもらったが、刹那と二人だと、それもマズイだろう。それに、刹那と二人というならマンションのほうが気が楽だ。
「わかった。刹那が戻ったら、しばらくはママを独占してもらう。それが終わったら、いつも通りでいいよね? 」
「ああ、それでいい。」
「それなら、マンションのほうを夏仕様にしておきますよ。」
「別に、大袈裟にしなくてもいいぜ、アスラン。」
「いや、たぶん冬仕様のままになってるはずだから。せっかくなら、刹那にゆっくりしてもらいたい。」
 マイスター組の社宅であるマンションの部屋は、ニールが寺で女房をやっているから、ほとんど使われていない。昨年のニールの誕生日に、冬仕様にして放置してあった。掃除は、適当にニールが出かけてしているが、家具の配置まで動かすほどのことはしていない。最後の休暇だから、気持ち良く過ごしてもらいたい、と、アスランも思う。そちらは、虎と鷹の担当だから、店で伝えれば、すぐに手配してくれるだろう。



 早めに出勤して、トダカの手伝いをしていると、虎と鷹もやってきた。ニールの頼み事を伝えると、「了解。」 と、ふたつ返事だ。
作品名:こらぼでほすと 約束3 作家名:篠義