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こらぼでほすと 約束5

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「短時間? うーん、短時間ねぇ。動物園は? 」
「今はダメだ。気温が高すぎる。炎天下を歩き回ったら、あんたが危ない。」
「そこまで危なくないと思うんだが・・・なら、空調が効いてるとこだな。水族館かゲーセン、ショッピングモールってとこか・・・屋内のプールっていうのもあるな。」
 どこがいいかなあーと携帯端末で、それらの情報を調べていて、ふと、親猫の手が止まった。しばらく考えていたかと思うと、今度は、さっきよりも手が忙しなく動いた。どうやら、何かヒットした様子だ。
「よしっっ、水族館へ行って、帰りに花火大会っていうのは、どうだ? 」
 明日、ちょうど、大きな花火大会がある。午後から出かけて、水族館を少し散策して、花火大会を鑑賞するというなら暑くもないし、刹那も初めてで楽しいはずだ。
「以前、寺でやったヤツか? 」
「あれのでかいヤツ。海上で打ち上げ花火があるんだ。あんま近くに行くと混雑するから、適当なとこから見るぐらいなら夜だしいいんじゃないか? 」
 ニールもテレビでしか知らないのだが、特区の夏にはイベントとして、あちこちでやっている。夜空に大きく打ち上がる花火なんて珍しい。寺の近辺では見られないが、水族館のある場所なら海に近いから、その周辺からなら見られるはずだ。
「それでいい。」
「じゃあ、アスランにでも尋ねてみる。俺は、あんま詳しくないから、どこからがいいのか教えてもらおう。」
 見たことのないものを刹那に見せてやれる。娯楽の少ない生活になるのだから、最後に強烈な思い出があったほうがいい。ニールは、アスランに連絡をいれて、花火大会について尋ねたら、「そういうことなら、俺のほうでセッティングさせてください。」 と、逆に頼まれた。そういうことなら、みんなで、どこかで見るほうが楽しいだろうとのことだ。
「ニールを人ゴミの中へ放すなんて危険だし、ちょうどキラとも花火大会の話をしていたんです。」
「そういうことなら頼むよ。」
「了解です。詳細が決まったらメールしますから、勝手に出かけないでください。」
「いや、俺たちは、その前に水族館へ行くつもりなんだ。途中で合流させてもらう。」
「それなら迎えに行きます。どこの水族館ですか? 」
 話はトントン拍子に決まった。アスランが花火鑑賞の仕切りをしてくれるので、ニールたちは、水族館で待っていることになった。刹那が、花火を二人で見たいというなら、そういうふうにしますから、と、丁寧な気遣いまでしてくれる。適当に場所を離れて見るくらいのことだろう、と、ニールは簡単に考えていたが、アスランも、やることは大きかった。『吉祥富貴』は普通ではない。遊びも本気で全力投球というのを、うっかり忘れていた。
作品名:こらぼでほすと 約束5 作家名:篠義