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ここに１つの凶器と１つのエゴイズムとがあるとしよう。

凶器っていうのは、肉体を傷つけ命を奪うことのできる物体で、嫌悪の対象となる。
だがそれは本当にどんな物体でも成りうる。
例えばカッターは効率よく紙を切断するための物であって、間違っても喉をかっ割く物ではない。
例えば金槌は木材に釘を打ち込むための物であって、誤っても頭部を殴打する物ではない。
つまりは、どうせ武器が無くったって凶器は存在するということ。
兵器の廃絶とか、かなり無理を言ってると理解しながら主張してんのは面白い。

一方、エゴというのは『自己尊重』だ。
自分の利益を尊重するという、言い変えれば他人を省みない考え方。
だがエゴでない人間の行動などあるだろうか。
仕事をするのは生活費を稼いで周囲の冷徹な目を避けるため。
いくら医者が善人だろうと『自分のおかげで』と思った時点でそれはエゴなのだ。
つまりエゴを伴わない行動なんてない。
誰もが自分の利益のために動く。
大体、『自己の利益の追求』が合法なのだから、それを卑しい行動だと考えるのはおかしくないだろうか？
何もボランティアとか募金とかそんな自己犠牲の精神が偉いという理由が、あるのなら説明してもらいたい。

何が言いたいかって、一般的に嫌われてるこれらに俺は異論を唱えてるわけだ。
だから、この２つは許容されるものだ、という俺の思考を前提条件にしてここから先を読んでほしい。