ときを刻む花
夕日が沈みかけると、その台地は益々赤く染め上げ、まさに赤の世界へと誘っているかのようだった。
この地方は高さ何十メートルにも及ぶ切り立った岩や頂上が台地になっている岩で構成されていた。
そのむき出しの台地の土はねんどのような土で赤く、そのため夕日をうけると台地はその光を浴び美しさを増すのだった。
むき出しの台地の上にはところどころ、濃い緑の草やサボテンが咲いていた。
栗色の髪の少女はその大地を踏みしめた。
少女が立つその大地は、その地方の中でも巨大な台地であった。
その地平線の隅々まで、この小高い台地から見つめると自分はこの世界のちっぽけな自分に、気がつかざるを得なかった。
少女の長い髪を乾いた風が吹き上げた。
乱れる髪を少女は右手で抑える。
上空で風鳴りがした。
少女は目の前の大きな神殿を見上げた。
この土地と同じ土で作られた大きな神殿。
もちろん、この神殿も赤く染められていた。
「さてと、どうしてもんかしらねぇ?」
少女は腕を組みながら、ふうっとため息をつき考え込んだ。
「でも・・・もしかすると、あたしに勝機があるかもしれないわね。」
そうして、顔を上げると、少女はすうっと息を吸い込んだ。
そして、
「いーーるーーんーーでーーしょ!?
いるんだったらさっさと出てきなさいよおおお!!」
大声を出していた。
すると、少女の視線の先の方。
何もないところかが紫色に光ったかと思うと、黒髪を肩で切りそろえたにこ目の男性が突然に現れたのだった。
「はっあ〜イ”!?!?」
「出たわね〜!!飛んで火にいる夏の虫〜!!捕まえたーーーー!!!!」
その方向に少女はジャンプすると、その男性の左足を捕らえ、下へ引きずりおろした。
「う”わ”ああああ〜〜〜〜!!」
びたーーーーあああん。
地面に人がぶつかる派手な音がした。
黒髪の男性は少女が左足に飛びついた反動で、顔面から地面にぶつけてしまい、その場にしばらくぴくついていた。
「うふふ!」
少女は満足げに両腕を組んで地面に這いつくばる男性を見下ろし、不適に笑った。
「リナさ〜〜〜〜ん!いきなり何するんですか〜〜〜〜!?」
男性は「あいてて・・・」といい、鼻を手で押さえながらむくりと起き上がった。
「いやぁ〜〜、ゼロス。ひっさしぶり〜〜〜♪」
その起き上がった男性の近くに猫なで声をだし、手を擦り合わせながらしゃがみこむ栗髪の少女。
普段とちがう声のトーンに黒髪の男性ゼロスはぎくりとして、顔を引きつらせた。
「いや、なんか。絶対あたしの周りにあんたがうろついてる!っていう気がしたの。
そして叫んだらあんたが出てきたでしょう?
あんたを見た瞬間、あたしの体は『この便利アイテムその3』を逃してなるか!という反射が働いたのよ。
そしたら、あんたを捕まえてたわけ。
ごめんなさい。痛かった?」
目をきらきらさせながら栗髪の少女リナは、ゼロスの許しを請いた。
とても、そんな態度には見えなかったが。
「便利なアイテムその3・・・」
「そうよ〜。あんたは大切なんだから!
まさに今!
今この瞬間あんたが必要よ!
いてくれてありがとーーーう!感謝するわゼロス!!」
リナはゼロスの手袋をつけた手を取ると、ぶんぶんと上下にシェイクさせた。
「それで、ぜひ!あんたに手伝ってほしいことがあんのよ!」
「は・・・はぁ・・・。」
黒髪の男性の引きつった笑顔よりも、もっと笑顔を見せる少女に圧倒されて、男性は冷や汗をかかずにはいられなかった。
この地方は高さ何十メートルにも及ぶ切り立った岩や頂上が台地になっている岩で構成されていた。
そのむき出しの台地の土はねんどのような土で赤く、そのため夕日をうけると台地はその光を浴び美しさを増すのだった。
むき出しの台地の上にはところどころ、濃い緑の草やサボテンが咲いていた。
栗色の髪の少女はその大地を踏みしめた。
少女が立つその大地は、その地方の中でも巨大な台地であった。
その地平線の隅々まで、この小高い台地から見つめると自分はこの世界のちっぽけな自分に、気がつかざるを得なかった。
少女の長い髪を乾いた風が吹き上げた。
乱れる髪を少女は右手で抑える。
上空で風鳴りがした。
少女は目の前の大きな神殿を見上げた。
この土地と同じ土で作られた大きな神殿。
もちろん、この神殿も赤く染められていた。
「さてと、どうしてもんかしらねぇ?」
少女は腕を組みながら、ふうっとため息をつき考え込んだ。
「でも・・・もしかすると、あたしに勝機があるかもしれないわね。」
そうして、顔を上げると、少女はすうっと息を吸い込んだ。
そして、
「いーーるーーんーーでーーしょ!?
いるんだったらさっさと出てきなさいよおおお!!」
大声を出していた。
すると、少女の視線の先の方。
何もないところかが紫色に光ったかと思うと、黒髪を肩で切りそろえたにこ目の男性が突然に現れたのだった。
「はっあ〜イ”!?!?」
「出たわね〜!!飛んで火にいる夏の虫〜!!捕まえたーーーー!!!!」
その方向に少女はジャンプすると、その男性の左足を捕らえ、下へ引きずりおろした。
「う”わ”ああああ〜〜〜〜!!」
びたーーーーあああん。
地面に人がぶつかる派手な音がした。
黒髪の男性は少女が左足に飛びついた反動で、顔面から地面にぶつけてしまい、その場にしばらくぴくついていた。
「うふふ!」
少女は満足げに両腕を組んで地面に這いつくばる男性を見下ろし、不適に笑った。
「リナさ〜〜〜〜ん!いきなり何するんですか〜〜〜〜!?」
男性は「あいてて・・・」といい、鼻を手で押さえながらむくりと起き上がった。
「いやぁ〜〜、ゼロス。ひっさしぶり〜〜〜♪」
その起き上がった男性の近くに猫なで声をだし、手を擦り合わせながらしゃがみこむ栗髪の少女。
普段とちがう声のトーンに黒髪の男性ゼロスはぎくりとして、顔を引きつらせた。
「いや、なんか。絶対あたしの周りにあんたがうろついてる!っていう気がしたの。
そして叫んだらあんたが出てきたでしょう?
あんたを見た瞬間、あたしの体は『この便利アイテムその3』を逃してなるか!という反射が働いたのよ。
そしたら、あんたを捕まえてたわけ。
ごめんなさい。痛かった?」
目をきらきらさせながら栗髪の少女リナは、ゼロスの許しを請いた。
とても、そんな態度には見えなかったが。
「便利なアイテムその3・・・」
「そうよ〜。あんたは大切なんだから!
まさに今!
今この瞬間あんたが必要よ!
いてくれてありがとーーーう!感謝するわゼロス!!」
リナはゼロスの手袋をつけた手を取ると、ぶんぶんと上下にシェイクさせた。
「それで、ぜひ!あんたに手伝ってほしいことがあんのよ!」
「は・・・はぁ・・・。」
黒髪の男性の引きつった笑顔よりも、もっと笑顔を見せる少女に圧倒されて、男性は冷や汗をかかずにはいられなかった。