こらぼでほすと 約束9
「Tシャツに白いところが多いほうが勝ちってことでいい? 優勝商品は花火の優先順位。好きなの選べるってとこ。」
「しょぼいのばっかじゃねーだろうな? 」
「くくくく・・・打ち上げもドラゴンもあるよ。手で持つのも各種。あとは、へび玉もある。」
「あれは、昼間にしないと意味がないんじゃないか? くにょくにょしてるだけだぞ。」
「だから負けたほうは、それをやるんだよ。しょぼくて素敵じゃない? 」
「あーそういうことか。線香花火とか地味だモンなあ。」
なるほどなるほど、と、悟空も頷いている。どうせ、寺チームが勝つのだ。それなら派手なのばかり取ってやろうと、がははははと笑った。
「でも、ハンデつけるよ? ママに一発でも当てたら、悟空たちの負け? みたいな。」
「おう、それぐらい受けてやるよ。」
対肉弾戦チームに本気でかかったらコーディネーターでは太刀打ちが難しいから、そういうハンデを用意した。これでも悟空は余裕の表情だ。
「ママ、さんぞーの後ろに隠れてて。俺らで、キラたちをボコボコにしてくるからさ。」
「三蔵さん、参加してくれるのか? 悟空。」
「やるに決まってるよ。こういうの好きだもん。」
坊主は負けず嫌いだ。こういう対戦だと俄然やる気を出すのは、長年付き合っている悟空にはわかりきっている。肝心の坊主は涼みがてらにパチンコに出かけた。こちらも、いつもと変わらない態度だ。大袈裟な激励や挨拶なんて、誰もするつもりはない。いつものように刹那は出かけて、また帰ってくるのだと信じているからだ。
作品名:こらぼでほすと 約束9 作家名:篠義