できること
「長門さん、明日の晩御飯は何がいいですか?今日頑張ったご褒美になんでも作っちゃいますよー」
「え?ホント?」
「はい。パーティも無事成功しましたしね。すごく楽しかったし」
「えっと、えっと、じゃあ…ロニョナードに巻いた仔ウサギの腿肉のロティシェティ風味人参のピュレ添え、がいいなっ」
「………それ無理」
「ええっ!?」
「そんなんどうやって作るんですか。私の得意料理は家庭料理の範囲でそういうのは鶴屋先輩とかのが上手ですよきっと」
「でも、私はあなたの料理のほうがずっと好き」
「…え?」
なんだかとても反則的な言葉を聞いた気がして、顔が熱くなった。
もしかすると、今日の邪魔は神様の采配によるものでなく、私が自分で無意識にやっちゃったものかもしれない、などと思ってしまった。
だって、今、長門さんがキョン君に取られなくて良かった、とか思ってしまったから。
こんな風に言ってくれる子を、手放したくない、とか…
「まさか、ね」
「?」
「ああ、いえ………もうっ、しょうがないですね、長門さんがレシピ探してくれたら作ってあげますよ!」
end