こらぼでほすと あれはれはぴば
メタメタボロボロになってるプトレマイオスに、唐突に通信が入った。相手が、相手なんで、スメラギも、ちょっと頬を引き攣らせる。
「どうします? 見なかったこにしますか? 」
「フェルト、それは無理だと思うわ。・・・・この状況で送ってる相手だもの。たぶん、ゴミ箱に捨てたら、しつこく送ってくると思うわ。」
そうですよね? と、フェルトも頬を引き攣らせつつ笑っている。もうなんていうか、この相手だけは、どういう方法なのか、こちらの位置を把握してやがるのだ。
「お忙しいところ、失礼いたします。お久しぶりですね、プトレマイオスⅡのみなさま。」
映し出されたのは、ピンクの妖精こと、全宇宙規模に有名な歌姫様だった。この時期、何年か前にも、連絡を受けたことがある。まさか、この緊迫した状況で、それはないだろうと思ったが、やっぱり、それだった。
「申し訳ございませんが、おふたり、お借りしたい方がございます。吉祥富貴まで、ご足労していただかねばなりません。それから、その代わりと申しては、なんですが、そちらのプトレマイオスⅡは、オーヴの技術工廠で修理をさせていただきますし、今後四ヶ月は、アロウズからの追撃もないようにさせていただきました。ランデブー場所などの詳細については、添付ファイルに記してございます。」
よろしくお願いします、と、いう爽やかな笑顔で、通信は切れた。なぜ、四ヶ月もアロウズの追跡をかわせるのかとか、すでに、ランデブー場所と思われる場所まで、わすがの距離しか離れていないのか、とか、いろいろと言いたいことはあるのだが、まあ、つまり、貸し出しする人間がマイスターだからなのだろうと、割り切ることにした。
「スメラギさん、どうする? 」
「わかってるくせに。ラッセも人が悪いわね。」
地上での修理を受けられれば、自力で大気圏脱出も可能だ。貧乏なカタロンの補給では、さすがに、そこまでの修理は無理なのは明白だ。
「さて、問題は刹那よね? 」
借り出しを指定されたのは、ふたりで、刹那は指名されていない。だが、あそこなら行きたいだろうな、と、スメラギは考えた。とりあえず、当事者たちと相談することにした。
「俺は残る。こいつらが、ミッションを終えてからでも時間があれば、行ってくる。今、行くと怪我のことがバレて五月蝿い。」
肩口の銃創なんてものは、バレたら説教されるわ、心配されるわ、碌なことがないのは、刹那にもわかるから、怪我が治ってからのほうがいいと付け足した。
「確かに、ど素人のロックオンだけというのは、心許ない。たぶん、俺たちのミッションは、一日限りのはずだ。ラクス・クラインが、四ヶ月と期限を切ったのなら、キラが何かしているんだろう。」
「あ、でも、僕たちも逢いたいから、少しだけ時間を貰ってもいい? 刹那。」
「構わない。一ヶ月ぐらい休んでこい。」
「ちょっ、ちょっと、一ヶ月はダメ。せいぜい、十日よ。こっちの修理や調整もしなくちゃいけないんだから。」
メタメタボロボロのプトレマイオスⅡの現状も、そうだが、ガンダム自体も完全修理をさせておきたい。それには、マイスターたちが必要になる。
「それから、ど素人のロックオンには知らせない方向で、お願いします。」
「ええ、そちらはぬかりはないわ。まあ、一度、ロックオンも、あれには借り出されたから、わかったと思うしね。」
昨年、唐突なミッションに借り出されたロックオンは、「どういうミッションなんだよっっ。」 と、戻ってきて怒っていたから、この地上ミッションについては言及しないだろう。なぜ、テロリストが、ホストクラブのホスト役をしなければならないのかは、理解できなかったらしいが、エージェントとの関係で、ということで、スメラギが押し通した。
「じゃあ、到着次第、ティエリアたちは出発してちょうだい。」
「了解した。」
ということで、地上ミッションは開始されることになった。
また、この季節なんですねぇー、と、八戒は帳簿の整理をしつつ苦笑している。毎年のことながら、まさか、今年はないだろうと思っていたが、今年もやるのだ。そのために、キラがラボから天然電波ならぬ毒電波に近いものを、あっちこっちへと流しているのは、みんな、知っていて知らんぷりしている。
「まさか、四ヶ月も止めるなんて・・・・」
パソコンの経理ソフトを動かしているニールも苦笑する。
「時期的によかったんじゃねぇーか? 軌道エレベーターが倒壊したからな。あれで、戦争する暇はなくなったってことだろ? 」
あの倒壊で、再建の手筈で世界が動き出している。だから、今のところは戦端を開くより、あちらが優先されるから、キラが操作するのも楽ならしい。
「悟浄さん、気楽そうに・・・・」
「けどよ、四ヶ月もあれば、せつニャンも顔出しできるだろ? 」
「まあ、そうだけど。怪我とかしてないといいんだけどなあ。」
刹那が負傷したとか、アリーが生きてるとかいう情報は、ニールには知らされていない。組織の動きや、アロウズの動向ぐらいのことは分かるようにしてあるのだが、あまり心配させるのもまずかろうと、わざと、ニールには調べられないようにしている。
「大丈夫ですよ。帰ってきたら、せいぜい、甘やかしてあげてくださいね。あなたの代わりにリーダーとしてがんばっているんですから。」
誤魔化すように、八戒が、そう言う。そうですね、と、ニールのほうも、気付いているのかいないのか、それを肯定した。
「なーなーなー刹那ーーー俺も休暇貰ってもいいの? 」
ティエリアたちが出かけてから、ロックオンが刹那のところへ直談判に来た。ティエリアたちの地上ミッションは理解しているが、ついでに、一週間の休暇も取ると言われて、自分にもほしい、ということらしい。
「構わない。カタロンか? 」
「うん、物資補給してくれた礼もあるしな。なんなら、一緒に休み取ろうよ。」
「残念だが、俺は行くところがある。」
「えーーーーどこ?」
「プライベートだ。」
「刹那って冷たいよな? 俺のことは知ってるのに、自分のことは全然喋らないんだからさ。」
「おまえは、べらべらと自分で喋っているんじゃないか? 俺は質問したことはない。」
「そうだけどよー。わかったよ、あいつらが帰ったら、俺、休むからな。元カレと逢ってくるっっ。」
「好きにしろ。」
「うあーーー気にしろよっっ、そこはっっ。ていうか、怒れよっっ。」
焼き餅を妬かせたくて言う言葉にも、刹那は無反応だ。ぶーぶーと不満を漏らしているロックオンの声に、刹那のほうは苦笑する。
地上に降りて、すぐに、店のほうへ出向いたのだが、これといって打ち合わせることはないよ、と、フロアマネージャーに苦笑された。
「だが、あの客は、いつも、おかしなオーダーをしていると思うんだが? 」
「うん、だから、いつも通りってことでさ。ティエリアは、いつもよりツンツンしていればいいし、アレルヤはハレルヤに代わって騒いでくれればいいんだ。」
「どうします? 見なかったこにしますか? 」
「フェルト、それは無理だと思うわ。・・・・この状況で送ってる相手だもの。たぶん、ゴミ箱に捨てたら、しつこく送ってくると思うわ。」
そうですよね? と、フェルトも頬を引き攣らせつつ笑っている。もうなんていうか、この相手だけは、どういう方法なのか、こちらの位置を把握してやがるのだ。
「お忙しいところ、失礼いたします。お久しぶりですね、プトレマイオスⅡのみなさま。」
映し出されたのは、ピンクの妖精こと、全宇宙規模に有名な歌姫様だった。この時期、何年か前にも、連絡を受けたことがある。まさか、この緊迫した状況で、それはないだろうと思ったが、やっぱり、それだった。
「申し訳ございませんが、おふたり、お借りしたい方がございます。吉祥富貴まで、ご足労していただかねばなりません。それから、その代わりと申しては、なんですが、そちらのプトレマイオスⅡは、オーヴの技術工廠で修理をさせていただきますし、今後四ヶ月は、アロウズからの追撃もないようにさせていただきました。ランデブー場所などの詳細については、添付ファイルに記してございます。」
よろしくお願いします、と、いう爽やかな笑顔で、通信は切れた。なぜ、四ヶ月もアロウズの追跡をかわせるのかとか、すでに、ランデブー場所と思われる場所まで、わすがの距離しか離れていないのか、とか、いろいろと言いたいことはあるのだが、まあ、つまり、貸し出しする人間がマイスターだからなのだろうと、割り切ることにした。
「スメラギさん、どうする? 」
「わかってるくせに。ラッセも人が悪いわね。」
地上での修理を受けられれば、自力で大気圏脱出も可能だ。貧乏なカタロンの補給では、さすがに、そこまでの修理は無理なのは明白だ。
「さて、問題は刹那よね? 」
借り出しを指定されたのは、ふたりで、刹那は指名されていない。だが、あそこなら行きたいだろうな、と、スメラギは考えた。とりあえず、当事者たちと相談することにした。
「俺は残る。こいつらが、ミッションを終えてからでも時間があれば、行ってくる。今、行くと怪我のことがバレて五月蝿い。」
肩口の銃創なんてものは、バレたら説教されるわ、心配されるわ、碌なことがないのは、刹那にもわかるから、怪我が治ってからのほうがいいと付け足した。
「確かに、ど素人のロックオンだけというのは、心許ない。たぶん、俺たちのミッションは、一日限りのはずだ。ラクス・クラインが、四ヶ月と期限を切ったのなら、キラが何かしているんだろう。」
「あ、でも、僕たちも逢いたいから、少しだけ時間を貰ってもいい? 刹那。」
「構わない。一ヶ月ぐらい休んでこい。」
「ちょっ、ちょっと、一ヶ月はダメ。せいぜい、十日よ。こっちの修理や調整もしなくちゃいけないんだから。」
メタメタボロボロのプトレマイオスⅡの現状も、そうだが、ガンダム自体も完全修理をさせておきたい。それには、マイスターたちが必要になる。
「それから、ど素人のロックオンには知らせない方向で、お願いします。」
「ええ、そちらはぬかりはないわ。まあ、一度、ロックオンも、あれには借り出されたから、わかったと思うしね。」
昨年、唐突なミッションに借り出されたロックオンは、「どういうミッションなんだよっっ。」 と、戻ってきて怒っていたから、この地上ミッションについては言及しないだろう。なぜ、テロリストが、ホストクラブのホスト役をしなければならないのかは、理解できなかったらしいが、エージェントとの関係で、ということで、スメラギが押し通した。
「じゃあ、到着次第、ティエリアたちは出発してちょうだい。」
「了解した。」
ということで、地上ミッションは開始されることになった。
また、この季節なんですねぇー、と、八戒は帳簿の整理をしつつ苦笑している。毎年のことながら、まさか、今年はないだろうと思っていたが、今年もやるのだ。そのために、キラがラボから天然電波ならぬ毒電波に近いものを、あっちこっちへと流しているのは、みんな、知っていて知らんぷりしている。
「まさか、四ヶ月も止めるなんて・・・・」
パソコンの経理ソフトを動かしているニールも苦笑する。
「時期的によかったんじゃねぇーか? 軌道エレベーターが倒壊したからな。あれで、戦争する暇はなくなったってことだろ? 」
あの倒壊で、再建の手筈で世界が動き出している。だから、今のところは戦端を開くより、あちらが優先されるから、キラが操作するのも楽ならしい。
「悟浄さん、気楽そうに・・・・」
「けどよ、四ヶ月もあれば、せつニャンも顔出しできるだろ? 」
「まあ、そうだけど。怪我とかしてないといいんだけどなあ。」
刹那が負傷したとか、アリーが生きてるとかいう情報は、ニールには知らされていない。組織の動きや、アロウズの動向ぐらいのことは分かるようにしてあるのだが、あまり心配させるのもまずかろうと、わざと、ニールには調べられないようにしている。
「大丈夫ですよ。帰ってきたら、せいぜい、甘やかしてあげてくださいね。あなたの代わりにリーダーとしてがんばっているんですから。」
誤魔化すように、八戒が、そう言う。そうですね、と、ニールのほうも、気付いているのかいないのか、それを肯定した。
「なーなーなー刹那ーーー俺も休暇貰ってもいいの? 」
ティエリアたちが出かけてから、ロックオンが刹那のところへ直談判に来た。ティエリアたちの地上ミッションは理解しているが、ついでに、一週間の休暇も取ると言われて、自分にもほしい、ということらしい。
「構わない。カタロンか? 」
「うん、物資補給してくれた礼もあるしな。なんなら、一緒に休み取ろうよ。」
「残念だが、俺は行くところがある。」
「えーーーーどこ?」
「プライベートだ。」
「刹那って冷たいよな? 俺のことは知ってるのに、自分のことは全然喋らないんだからさ。」
「おまえは、べらべらと自分で喋っているんじゃないか? 俺は質問したことはない。」
「そうだけどよー。わかったよ、あいつらが帰ったら、俺、休むからな。元カレと逢ってくるっっ。」
「好きにしろ。」
「うあーーー気にしろよっっ、そこはっっ。ていうか、怒れよっっ。」
焼き餅を妬かせたくて言う言葉にも、刹那は無反応だ。ぶーぶーと不満を漏らしているロックオンの声に、刹那のほうは苦笑する。
地上に降りて、すぐに、店のほうへ出向いたのだが、これといって打ち合わせることはないよ、と、フロアマネージャーに苦笑された。
「だが、あの客は、いつも、おかしなオーダーをしていると思うんだが? 」
「うん、だから、いつも通りってことでさ。ティエリアは、いつもよりツンツンしていればいいし、アレルヤはハレルヤに代わって騒いでくれればいいんだ。」
作品名:こらぼでほすと あれはれはぴば 作家名:篠義