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衝動SSまとめ③(ZS)

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ゾロサン



2012/2/22更新

前回の続き。
現パロで、舞台はファミレス。
ゾロ視点。




――――――――――――――――――――



「いらっしゃいませ。」


「お決まりでしょうか?」


「お待たせしました。」


「ごゆっくりどうぞ。」



いつもの店に、
いつものように来た。
いつものメニューを頼み、
いつものように食べた。

だが、いつまでたってもアイツが来ない。
アイツがどこにも居ない。

それだけで飯が美味しく感じない。



接客してもらわなくたって構わない。
その姿を拝めることが出来ればそれで満足だった。


初めて来た時に、接客してもらった。
そのときにアイツに笑顔にやられた・・・。


  ・

  ・

  ・
  ・
  ・


「大盛りにします?」

「・・・・じゃあ、」

「了解v」

出てきたライスは本当に大盛りで、嬉しかった。

「特別に特盛りですよ。
以上でよろしいですかー?」



  ・
  ・

  ・


きっと食べそうな奴になら、
誰にでもやってるんだろうなって思った。
それでも・・・嬉しいもんは嬉しい。

それからここに来るのが楽しくなった。
楽しみになっていった。


剣道の練習の後、
だいたい10時ぐらい・・
平日週に1度は必ず通うようになった。
そしてアイツもいつも居た。
金色の髪が視界の端にチラチラと見えた。
それだけでなんだか安心した。



でも、今日は居ない。
何かあったのか、休みの日なのか。
居ない理由はいくらでも考え付く。

でも、どうしても疑問に思ってしまう。


なんで居ないんだ?





――――円になります。
ありがとうございましたー。

最後までその姿を見ることは無かった。
こんな日もあるか・・と諦めるが、食べた気がしない。
でも、食欲も無いな・・・。


カランコロン―
と扉を開け、自分の乗ってきた自転車まで歩く―――

呼ばれた。


「・・・?」


振り返るとそこには居た。
アイツが・・サンジが・・・


でもその格好・・・


「・・・・・な・・んで?」

「どうだ?似合うか?」

「あぁ、でも・・なんで、」

「コックになろうと思ってな。」

「・・キッチンに居たのか?」

「あぁ、お前が食ってるの見てたぜ。」

「・・・・・。」


居たのかよ・・・


「まだ、デザート担当だけどさ。
いつか目玉焼きハンバーグ作ってやるよ。特盛りのv」

「・・・・・。」

「お前があんまり美味そうに食うから、
俺もそんな飯が作ってみたくなってさ・・・ヘヘッ。」

「それ・・・本当なのか?」

「あぁ、本当だぜ。」

「・・・・んだよ、」

お前が居ない。
お前が見当たらないって落ち込んだ俺は・・
すげぇつまらねぇ男みたいじゃねーか。

ったく情けねぇ・・・。


「でもよ、ちょっと惜しいよな。」

「・・・?」

「お前の接客出来なくなるの、残念だ。」

「・・・・・っ・・。」

「まっこれからはプライベートで話せばいいか。」


「・・・・ぇ・?」


「・・・駄目・・か?」

「駄目じゃねぇっ!!!!」

「・・良かったっ・・じゃっこれ俺の番号な。
そろそろ戻んなきゃまずいんだ、またなゾロっ!!」

「あっ・・・あぁ、また。」


番号の書かれた紙を握らされ、
俺はほとんど放心状態だった。

でも、すぐにぞくぞくと湧いてくる。


嬉しいっっっっ





それから俺はデザートも頼むようになった。
似合わねぇって爆笑されたが、
少し甘さを控えてくれるアイツの作るデザートは美味かった。

すっごく。



美味かった。

end

作品名:衝動SSまとめ③(ZS) 作家名:おこた