つわものどもが…■08
「なぁ知ってたか、アイツ医学部受けるんだってよ」
通話を終えて携帯をローデーブルに置いた政宗様がソファに腰掛けられた。その前にココアと菓子を置く。
「理系専攻してんのは知ってたけど…医学部とはなぁ」
なるほど、覚悟の程を示されたか。
「容易な道ではありませんが、成実どのがそう決められたのであれば」
「まぁな。あいつ無駄に真っ直ぐだからな」
肩を竦めて小さく喉を震わせると、政宗様はマグカップに手を伸ばされた。湯気をのぼらせるココアに息を吹きかけながら、
「でもよ、合格したら……まさかココから通うつもりしてんじゃねーよな?」
そのまさかですよ。
「余ってる部屋ねーし、そうなると小十郎と相部屋って事になっちまう」
「御免被ります」
主の呟きに即答で拒否の意を述べると、途端に楽しそうな笑い声があがった。
来春からは、この日常に成実殿が加わってより賑やかになる事だろう。
08:泣いても足掻いても取り戻せないもの
(お題提供:エソラゴト様 http://eee.jakou.com/)
** あとがき **
季節感まる無視で。
小十郎から見て成実は家格も上だし実力も買ってる感じの設定です。
なので丁寧に対応してます。でもオイタすると極殺モード入ります。
** 2012.2.29 **
作品名:つわものどもが…■08 作家名:久我直樹