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3月2日0時5分ごろ

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(3月1日23時55分………あと5分であいつの…)

展望台でガシャガシャとおもりをつけた鉄棒を振りながら、ゾロはどうしたもんかと考えていた。

もうあと5分で、この船のコック、サンジの誕生日だ。

ここ最近、クルーの話題は、サンジの誕生日に何をプレゼントするかというものでもちきりだった。
ナミとロビンは、いつも料理をしてくれているサンジに、自分たちが料理をプレゼントするんだと張り切っていた。
ルフィ、ウソップ、チョッパーの3人組は、釣りをして食材をプレゼントするんだと言っていた。それを食べるのはお前達だろとか、釣れなかったらどうするんだとか、つっこんでみたが、サンジは食材をプレゼントすると嬉しそうな顔をするんだ、と3人は口を揃えて笑った。
フランキーは新しいキッチングッズを、ブルックは北の海の歌をプレゼントするらしい。
お前は何をプレゼントするんだとフランキーに聞かれたが、何も思いつかなくて、おれからのプレゼントなんてあいつはいらねェだろ、というと、誕生日くらい仲良くやれよと笑われた。

顔を合わせれば喧嘩ばかりの相手に誕生日だからと改まってプレゼントを渡したり、変に気を遣ったりするのは気恥ずかしいし、相手もそう思うだろうと考えて、ゾロは結局何も用意しなかった。だが今になって、自分ひとりだけ何もなしというのはそれこそ変に気を遣っているのではないかと思えてきて、どうしたもんかと悩んでいるのだ。

(まあでも、もう今から何も用意はできねェし、やっぱりなしでいいか…)

ちょうど日付が変わったところでトレーニングと思考を切り上げ、ゾロは水分補給のために、今日はもう暗くなっているキッチンへと向かった。



作品名:3月2日0時5分ごろ 作家名:ルーク