こらぼでほすと 拾得物7
「うん、楽しみ。今年はね、みんなで夏を満喫するんだ。キラや悟空が、いろいろと案内してくれるって。」
「おう、せっかくの休暇なんだ。楽しまないとな。・・・・・そういうことなら、俺の付き添いなんかしないで、そっちと遊んでくれば、どうだ? 」
「ダメダメ、ニールも一緒でないとね。」
「父兄同伴でなくてもいいと思うんだけとな? 」
「だって、刹那はライルとセットだし、アレルヤはティエリアの世話があるし、キラにはアスランだよ? ラクスと私だけじゃ楽しくないよ。」
そう言われてみれば、セットとかカップルが多い。ラクスも、キラがいると、そちらに構うだろうから、フェルトがあぶれてしまうなんてことになる。悟空が、それなりに相手はしてくれるだろうが、気分的には兄弟の感覚らしい。
「おまえさんも、早く、いい相手を見つけないとな? フェルト。」
「まだ、いい。そのうち、ニールの旦那様みたいな素敵な人が現れるといいな、とは思うけど。」
「三蔵さんか・・・・美人がいいのか? 」
「ううん、優しいでしょ? 三蔵さん。」
「おまえと悟空ぐらいだと思うよ? その意見は。」
マイノリティー驀進な三蔵なので、意見はいろいろと分かれる。ニールにしても、優しいとは思うのだが、何かあると容赦はない。銃身を突きつけられたのは、一度や二度ではないからだ。
そんな会話の最中に、マイスター組が戻って来た。「にゃにをのんでいりゅ?」 と、ティエリアが言うので、だっこして飲ませたら、「あみゃいーー」 と、美味しい顔をした。それを見て、ニールが穏やかに笑っている。
「やっぱり、ニールって、お母さんだよね? 似合いすぎて、違和感ない。」
「しょうがないよ、フェルト。僕らみんな、ニールのお世話になってるもん。」
「ティエリア、独占は許さない。ニール、俺にも。」
「こら、刹那、おまえまで昇ってくるなっっ。あーもー、ほら。・・・フェルト、新しいの頼んでくれないか? 」
はーい、と、フェルトが新しいのを注文する。普段は、マイスター組リーダーで、きりっとしている刹那も、ニールの前だと大きな子供だ。ティエリアと取り合いになる。ここでは肩を張ることもないし、責任感から開放されているからだ。
作品名:こらぼでほすと 拾得物7 作家名:篠義