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こらぼでほすと プール2.5

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さて、難しい話をしているテーブルもあれば、騒がしいテーブルもある。シンたち、通称年少組たちが陣取っているテーブル群は騒々しい。

「シンッッ、ビールは飲むなっっ。」

「えーーいいじゃん、一杯くらい。」

「おまえ、午後からも泳ぐんだろ? 酒飲んで泳ぐなんてダメに決まってるだろーがっっ。」

「もう、ママは堅苦しいんだから。」

「なんかあったら、どーすんだよっっ。危ないだろ? 」

「シン、ニールの言う通りだ。飲酒はやめろ。」

「レイも煩い。」

「悟空、ちょっとプールへ叩き込んでこい。」

「あいよっっ。」

 そして、シンは悟空に、ひょいっと担がれて、プールへ投げ飛ばされた。そのほうが危ないだろうというツッコミは入らない。コーディネーターだから、その心配はないからだ。

「ニール、あーんっっ。」

「はいはい、フェルト、おまえも食べな。」

 そして、叱っていたニールに、フェルトがフォークに差した小吹き芋を差し出している。それを、ばくっとニールも食べて、苦笑する。なぜか、自分の周りには用意した覚えのない料理の皿が大量にあるのだ。それらを、確保しているのが刹那とアレルヤとレイだったりする。

「おまえらな、こんなに俺は食わないぞ? そういうことしたいなら、トダカさんやヒルダさんの注文を運んで来い。」

「好きなものだけ食べてくれたらいいからさ。はい、こっちのフルーツはどう? 」

 ティエリアを取られてしまったアレルヤは、すごすごと戻ってきて、ニールの傍にいる。さすがに、クリスやメイリンの隣りに座っているのは恥ずかしいらしい。それに、ティエリアの世話も、どこかの魔女たちのような激しさもないから、問題なさそうだった。

「ニール、ほっておくと全然、食べないもん。」

「そうそう、ねーさんはさ、人のことばっかりで食いっぱぐれるだろ? 悟空、てめぇー後で水泳で勝負つけるからなっっ。」

 戻って来たシンも、そう言って食事を勧める。こういう時の弄られ役になってから久しいがマイスターやフェルトたちも増えて、ものすごいことになっている。

「かかってこいよ、シンっっ。なあ、刹那、後で、みんなで競泳やろうぜ?」

「ああ、ニールを寝かせたら付き合う。」

 もちろん、刹那はニールの右側の席を確保している。今日は左側がアレルヤで対面がフェルトなんてことになっている。

「シン、アルコール以外ならなんでもいいぞ? とってこようか? 」

「だぁかぁらぁー俺はいいから、あんたが食べろ。」

 もう、ほんと、言うこときかないんだから、と、シンも笑いつつ怒鳴って、自分でノンアルコールのものを探しに行った。

「ニール、俺たちのことはいいから、食べてください。」

「レイ、おまえさんもかよ? 」

「ですが、そろそろ目が融けそうです。」

 さすがに、午前中にウォータースライダーだの流れるプールだので遊んだから、食事すると眠くなってくる。どっかのデッキチェアで昼寝しようと、ニールも思っていたが、そこまでやいやい言われると笑えてくる。どこまで過保護なんだ? おまえら、と、ツッコミのひとつもいれたくなる。

「俺は、あなたの世話しか受けたことはないので、その通りにやっているだけです。」 と、涼しい顔でレイがのたまう。

「俺もーーはい、ミントティー。これ、すっきりするから。」 と、飲み物を運んできたシンも頷く。

「俺も、そうだな。アレルヤ、ママに肩かしてやって、そろそろ眠そうだ。」 と、一番、世話されていた悟空も同意する。

 この三人が、刹那たちの不在時に、もっとも世話をしてもらった。だから、そういうもんだと思っているわけで、これはニールの自業自得といえるだろう。

「あたしも、ニールの真似だよ? 」

「僕たちもそうだよ? ニール。」

「俺も、あんたの世話を踏襲しいるだけだ。」

 さらに、マイスター組あんどフェルトから追い打ちだ。貰ったミントティーをストローで吸い上げつつ、ニールは頬を引き攣らせる。こんなにした覚えは当人にはない。

「うちにいる時も、そこそこ動いていたからね。」

 さらに、ダメ出しのトダカの言葉に、ははっと乾いた笑いをあげるしかない。お里で静養している時期も、シンたちが帰れば、いろいろと世話を焼いていた。だから、ニールが帰っていると判ると、シンたちも戻ってきていたのだ。そのため、トダカ家は、同じマンションのもうひとつ広い部屋に引越ししたほどだ。

「ママ、トマトとグレープフルーツのタリアッテは、どう? これ、おいしかったよ。」

「ニール、食事が終わったら声をかけてください。ここの室内に昼寝用の部屋を確保してますから。」

 キラとアスランも、顔を出す。プールの傍の建物には、VIP用の部屋もある。そこの一室を確保した。他にも、昼寝やら休憩に使えるようにしてあるから、誰か使うなら言ってくれ、と、周囲にも声をかける。

「昼寝用の部屋? そこいらのデッキチェアでいいよ、アスラン。」

「こんな温度の高いところは、熱中症になるからダメです。どうせ、ティエリアも電池切れするから一緒に休んでください。」

 体格的にティエリアも電池切れしそうだ。朝から、お姉さまたちに構われ続けているから、気苦労もしただろう。一度、休ませたほうがいい。

「ああ、そうだよなあ。」

「ママ、僕のお勧め、食べてっっ。」

「はいはい、キラ、ありがとさん。」

 ずいっと差し出された皿を手にして、フォークで少し巻き取る。トマトとグレープフルーツと、キャビィアが乗っかった冷製の細いパスタは、少しすっぱくて喉越しがいい。ちょっと味見してみるか? と、フェルトに巻いて渡すと、こちらもちゅるちゅると食べている。

「ニール、俺も。」

「はいはい。」

 フェルトばかりずるいと刹那も言うので、そちらにもフォークに巻いて食べさせる。おまえら、もう大人だろうが、と、言いたいのだが、可愛いので、そのまんまやってしまうニールも悪い。

「キラさん、あれ、まだ残ってるの?」

「うん、まだあるよ。あそこ。」

「シン、大量にゲットしてこい。山分け、希望。」

「いよっしゃあっっ。」

 おいしそうに食べているのを見ると、また欲しくなって、シンが走り出している。こんな状態なので、騒々しい。若いから、わしわしと、みんな食べているのを見ると、ニールやトダカは微笑ましそうに眺めてしまう。

「おい、ママ。眠いなら凭れてろ。後で運んでやるから。」

 周囲に聞こえないように、ハレルヤが声をかける。お腹が膨れたら、やはり眠くなってくるのか、ニールがトロンとしている。それに気付いた。いい感じに疲れて、気持ちいいらしい。

「やべぇーこのまま横になりてぇー」

「じゃあ、先に運んでやんよ。」

 え? と、思ったら、もう、そのまま担がれていた。ハレルヤがアスランに場所の案内をしてもらっている。ハレルヤなら運んでもらってもいいか、と、そのまんま大人しくしていたら、「にぃーりゅーーー」 と、言う声が後ろから追い駆けてきて、目を開いた。ちっちゃいのが後から走って来る。

「ハレルヤ、あれ、確保しろ。ママは、俺が運ぶ。」

「頼むぜ、おっさん。」