こらぼでほすと プール2.5
「ねぇ、アスラン。強姦くらいで、謹慎になる? 」
「それだと懲戒免職だと思うけど、それは告訴してくれる相手が必要になるな。」
「うーん、ニコルはどうかな? 」
アスランが頼めば、ニコルは、難なく頷くだろう。それに、見た目には清純派キャラだ。ただし、彼は、特区にいない。
「今、プラントだから、立証しにくいのが、難点だな。」
「では、私が? 」
「ラクスはダメだよ。そんなの女の子がするもんじゃない。」
というか、天下の歌姫様を襲ったなんてことになったら、歌姫様の熱狂的なファンに殺されるに違いない。そこまでは、やりすぎだろう、と、キラの意見にアスランも頷く。
「というか、あのフンドシ姿で、街中に放置した段階で、謹慎処分は確実ですよ? キラくん。それぐらいにしておけば、どうですか? 」
あなたたち、なんてことを話し合ってんですか? と、八戒は、コメカミを押さえつつ穏便な提案をする。
「やだっっ、それぐらいじゃダメ。甘やかしたら、再犯されちゃうよ? 八戒さん。」
「でも、あまり手間をかけるのは感心しません。刹那君たちが、帰るまでなら、それで十分です。」
「前は、その後、ママを拉致りそうになったもん。」
以前は、刹那が帰ってしまえば問題はないだろうと、凹る程度にしたのだが、どっこい、そうは問屋が卸さないとばかりに、ニールを拉致しようとしたのだ。
「まあまあ、キラ。そこは問題ないように、おまえが細工しな。強制的にユニオンに引き取ってもらうようにすればいい。」
鷹も、その程度にしておけ、と、宥める。あまり、表立ったことはやらないほうがいいからだ。
「わかりました。・・・・・ヘルベルトさん、マーズさん、その変態が、私のプライベートタイムに、その姿で乱入した、と、ユニオンの特区事務所へ届けてください。私の女性スタッフの一人が大変、怖ろしい目に遭って寝込んでいる、と、大袈裟に報告してください。ただし、こちらも、事態の公表は避けたい、と、付け足してだされば、よろしいでしょう。・・・・これなら、いかがでしょう? キラ。」
天下の歌姫様を襲いに来たと言われたら、ユニオンも動くしかない。それに、そんなことを公表されたら、ユニオン軍は、歌姫の支持者たちから袋叩きだ。ただでさえ、アローズの母体だったから避難を浴びているのだ。騒ぎを広げるような真似は、絶対にしてこないはずだ。
「なんか、収まらないから、イネイネちゃんを投下してもいい? 」
「あら、おやさしいこと。アスアスちゃん二号までは、よろしいんじゃありません? 」
「いや、待って待って、オーナー。アスアスちゃんシリーズは、ダメだって。死人が出るってっっ。」
シンは、キラ特製ウイルス、アスアスちゃんのことは聞かされている。発動したら、プラントが滅ぶようなウイルスは、怖すぎると止めた。
「オーナー、それでしたら、レイレイではいかがです? あれは、フリーズパーティーですから、被害は甚大ですが、人間のほうには被害は少ないです。」
そして、縄を持って来たレイもシンの後押しをする。キラが創り出すウイルスは、みな、『吉祥富貴』のスタッフの名前がついている。レイの名前が冠せられているウイルスは、いきなりフリーズするというもので、どこで発動するかわからないが、発動自体は、システムの一部のみだから、全てがシステムダウンしないので、上手くフォローすれば、どうにかやりくりはつく代物だ。
「そうですね、罪のないユニオンの方たちにまで死人が出ては寝覚めが悪いですものね。」
歌姫様は裏世界では、「障らぬ神に祟りなし。障れば三万倍返し。」 と、恐れられている。だから、デモンストレーションとしては、レイレイちゃんぐらいで妥当だ。もし、それで、再発したら、次回はアスアスちゃんを発動させればいい。その場合、ユニオンの中枢機関は崩壊するだろうが。
「そういうことで、キラ。」
「うん、じゃあ、帰ったら、やっておくね。」
二人が、頷くと、ヘルベルトとマーズは、変態ストーカーを、荷物のように担いで、プールを後にした。
「せっかくの白熱したリレーに、水を差されましたね。」
「刹那のとこまで、終わってたから、そこから再開しようか? 次、マリューさんたちだよね? 」
ようやく、騒ぎが収まったので、リレーを再開する。刹那とハレルヤのところから再開して、リレーは、滞りなく終わった。結局、最後の虎と鷹が、ほとんど同着だったので、どっちも優勝なんてことになった。それから、少し急ぎ気味に、スイカ割をして、そのスイカを食べ終わる頃に、お開きの時間になった。
途中、ちょっとしたアクシデントはあったものの、楽しいプールにはなった、と、思われる。
作品名:こらぼでほすと プール2.5 作家名:篠義