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こらぼでほすと プール2.5

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「ティエリアくん、美女のキスで目覚めるなんて贅沢なことなんだけどね? 」

「ちあうっっ、ばんちっっ。ばんちっっにゃっっ。」

 余程、驚いたらしくティエリアは、にゃーにゃあと怒って暴れる。落ちるぞ、と、だっこしているニールが、しっかり抱き上げる。

「トダカさーん、レイ、そろそろ始めるぞ。ママ、スタートの掛け声よろしくっっ。」

 悟空が、プールサイドから叫ぶので、そちらへ全員、移動した。半分ずつが、綺麗にプールのコースに別れて待機している。一番手は、キラと悟空であるらしい。二人だけが、コース台で手を振っている。

「ママ、スタート言ってっっ。」

 キラも、大声で叫んでいる。はいはい、と、ニールも、コースに近寄って、「よーい、スタートッッ。」 と、大声を張り上げた。

 今回は、本気で泳ぐらしくキラも浮き輪をしていない綺麗な飛び込みで、ふたりは水面に沈む。両側のプールサイドあたりから、野次だの声援だのが飛び交う。なかなか、いい勝負だったが、やはり悟空のパワーには、大明神様でも太刀打ちはできないらしい。少しずつ遅れだして、五メーターほどの距離を空けて、ゴールした。そこから、次に飛び込むのが、ダコスタとハイネだ。どちらも、コーディネーターだから、体力的には互角だが、やはりザフトレッド様は違うらしい。キラが引き離された分は、すぐに取り返した。次は、フェルトとクリスが、浮き輪で泳ぐ。どっちも必死だが、これは、かなり和む光景で、誰もが、ほんわかした空気で応援している。

 そんなふうに、抜きつ抜かれつのデットヒートで、リレーは白熱していた。

 ようやく、刹那とアレルヤの番になり、二人が飛び込み台に立つ。よく見ると、アレルヤではなくハレルヤだった。本気でやるつもりらしい。片や刹那も、真剣に水面に睨んでいる。

「おまえが勝ったら、奢ってやるぜ? ちび。」

「おまえには体脂肪がないから浮かないぞ? ハレルヤ。」

「んなもん、超兵パワーで蹴散らしてやんよ。」 

 などと牽制しつつ、笑っている。向こうから、シンとレイが近づいて来る。あまり差はない。わずかにシンがリードしている。

「はりぃりゅりぁーーーまけちゃら、ばんちにゃ。」

「刹那ぁーがんばれよーーー」

 プールサイドからの応援に、二人して微笑んで手を振る。

「さて、行こうぜ、刹那。」

 後二メーター、ひとかきでシンの手は届く。レイも、ほとんど変わらない。ほとんど、同時にタッチして、刹那とハレルヤも飛び込んだ。


 やはり超兵パワーというのは凄まじい。刹那が引き離されていく。少しずつ差は開いていくので、次のマリューとアイシャが、ハッパをかけているが、当人たちには聞こえない。

 そして、ドボンと、マリューたちの背後から飛び込んだのがいた。あれ? と、全員が、そこに注目すると、浮かんできたのは、刹那の変態ストーカーだった。

「わがスイートハニー、この胸に泳ぎきってきたまえっっ。」 

 浮き上がった変態さんは、仮面はしていたが、後は裸だ。

「「「「うわぁーーーっ。」」」」

「「「きゃあーーっっ」」」

 その姿に、誰もが声を上げる。

「てめぇー、俺のダーリンだって、言ってんだろーーーがぁっっ。」

 ライルが、背後から、その変態に向けて、蹴りを叩きこむようにプールへ飛びこむ。ドスッと一発入って、変態さんは、前へ倒れたが、ライルも足を取られたらしく、ひっくり返された。

「悟空、やってください。悟浄、ヘルプ。」

「おっけーー。」

「はいよ。」

 こういう時は、肉弾戦のメンバーが担当だ。刹那が事態に気付かずに近付いてくるのには、ダコスタが飛び込んで止める。

「ストップッッ、刹那くん。」

 なんだ? と、刹那が泳ぐのをやめて立ち上がったら、前方で格闘戦が始まっていた。悟空に、放り投げられているのは、変態ストーカーだ。

「なぜ、あいつがいるんだ? 」

「とにかく、避難して。」

 ダコスタが刹那の手を引いて、変態がいるのとは逆のプールサイドへ逃げる。ハレルヤも騒ぎで、泳ぐのは中断した。

「はりぃりゅりぁ、ありぃをしぇんめぇちゅっしりょっっ。」

「刹那のストーカーだ、加勢してこい。」

 プールサイドから、ニールとティエリアが命じるので、ハレルヤも悟空たちに合流する。プールに沈められたライルは、クラウスが救助しているが、こちらも浮き上がると、すぐさま、そちらへ急行する。

「つけられたかな? 」

「たぶんな。」

「しかし、あれは公序良俗違反だろ? 今時、赤フンって・・・・・」

 投げられたストーカーも、すぐにプールサイドへと上がって、刹那のいる方向に走り出している。こちらには、八戒と護衛陣だ。

「刹那、マイスウイートハート、きみを攫いに来た。わが手を取りたまえ。」

 刹那の近くまで来て、手を差し出している。この毒電波は非常に利く。護衛陣が、うわぁー痛いわーこいつ、という顔をした。

「俺は、おまえのものになった覚えはない。いい加減にしろ。」

「何を今更。きみは、初めて逢った時に永遠の愛を私と誓う運命だったのだ。誰も、この運命からは逃れられん。無理矢理、結婚させられて、さぞかし心を痛めただろう。だが、それも今日までだ。これからは、真実の愛に生きればいい。」

 いい台詞なんだけどさーと、ハイネは顔を歪める。いい台詞なのだが、吐いているヤツが、その前タレのところに、白で、『愛』とか染め抜かれた赤フンで、仮面をつけているというのが、最悪だ。

 その長台詞が終わる頃、プールに飛び込んでいたのも引き返してきた。ハレルヤが殴りかかると、するりと相手は避ける。そこへ、悟空が飛び込んで、再度、プールの真ん中へ変態を投げ込む。

「あれ、どうやって駆除する? 」

「あのまま、どこかの駅のベンチに放置しとけ。悟空、気絶させてくれ。」

 虎と鷹が、駆除について考えて、結論に達すると、悟空に指示を出す。しばらく、拘留でもさせておかないと、刹那の気が休まらない。

「気絶? 骨折は? 」

「いや、穏便にやってくれ。そのまま捨てるからな。」

「レイ、どっかで縄を調達してこい。」

 肉弾戦の玄人さんたちが、これだけいると、軍人でも敵わない。とりあえず、あっちは凹にして、女性陣に、気分の悪いものを見せてすまない、と、じじいーずたちが謝る。悟浄が、グキッと急所を絞めあげると、変態ストーカーは水面下へ沈んだ。



「キラ、お願いがございますの。」

 それを、少し離れたところから眺めている歌姫様は、となりで見物している大明神様に声をかけた。

「ラクス、きっと、僕と同じこと考えてるよね? それなら、もうわかってるから。」

 ニパッとキラも、ラクスに微笑みかける。しつこいにも程がある。刹那たちが、エターナルで組織へ戻るまで大人しくさせておこう、というのが、ふたりの考えだ。

「うふふふ・・・解りあえていてよかったですわ。きつめで、お願いしますね? 」

「もちろん、そのつもり。」

 いろいろと罪状を付け加えておけば、ユニオンも引き取りに来てくれるだろう。ついでに、謹慎ぐらいして欲しいところだ。