DISC0RD
街を歩くサンジの頭の中は、混乱していた。
自分の真実、自分の過去。
それはおれから全てを奪っていく―――
信じたくない。信じられない。
それほどの内容なのに、震える体が真実だと訴えてくる。
だが、今はそれどころではない。
ウソップは今は考える時間が必要だとしても、
ロビンは何としてでも探しださなくては・・・。
サンジはウォーターセブンの街を走り回った。
そうして見つけ出したロビンの姿。
「ロビンちゃんっっっ!!!!!」
「・・・・。」
ロビンは川を挟んだ向こう側に居た。
だが、近くに渡れるような橋が見渡らなかった。
「良かった、見つけた。今、どうにかそっちに・・・
「ごめんなさい。」
「・・・・ロビンちゃん?」
「・・・・。」
サンジが何を言ってもこちらに来る様子を見せないロビン。
何か嫌な予感がした。
サンジは必死に呼びかけた。
「ロビンちゃ――――
だが、ロビンは首を振った。
「聞いて・・・。私には貴方達の知らない闇がある。
この闇はいつか貴方達を滅ぼしてしまうわ。」
「何言ってるんだ・・・。」
「これが全て。私はもう貴方達と一緒には行けない。」
「・・・なっ・・・何言って・・・理由がわからな・・
「さようなら。」
「ロビンちゃっっ――――
「ありがとう。」
『私には貴方達の知らない闇がある。
この闇はいつか貴方達を滅ぼしてしまうわ。』
何だよそれ・・・
何言ってるんだよ・・
なんで・・
そんなの・・・・っ・・
おれだって一緒なんだよっ!!!!!!
むしろ・・・おれの方が・・
おれの方が・・・
居ちゃ行けない存在なんだよ・・・・・
くっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!――――――
宿へ戻り、経緯を全員に伝える。
全員の気持ちは同じ。
ロビンの本心を聞く。
ロビンを連れ戻す。
麦わら一味は動き出した―――
戦いの中、おれはずっと考えていた。
おれが一体何者であるべきか・・・
何者かを知った。
おれの運命を知った。
その運命を辿るのならば、
やるべきことは決まっている。
でも、おれは・・どうしたらいい?
おれの仲間はこいつらだけなんだ。
おれが仲間で居たいと願うのはこいつらだけなんだ。
仲間にしてくれと思えるのはこいつらだけなんだ。
こんなに必死に戦うのは、その仲間のためだから―――
だったら・・・おのずと決まってくる。
おれが何者であるべきか。
こいつらの仲間で居ればいい。
でも、なんで・・・・・迷う・・んだ?
おれは目の前の敵を倒し続けた。
それしか今の俺には出来ない。
ロビンを傷つける奴、仲間を傷つける奴。
今目の前に見えてる敵を倒すだけ―――
ただただ・・・・・
ただただ・・・・・
倒すだけ。
サンジの倒した敵は皆、
二度と立ち上がることは無かった。