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最高総司令官
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NANOHA “GREEED OF GREED”

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「さて・・・。これからどうするか」


研究所から離れた場所で休息を摂っていた少年は、ふと呟いた。

概説でも描いたとおり、少年は世界の嫌われ者である。当然、住む場所も無ければ、行く宛てもない。

しかも、少年は知らぬ事だが、彼には公務執行妨害は勿論のこと、その他横領や恐喝など身に覚えのない罪で国際指名手配されているのだ。

理由は至極簡単で、管理局の上層部が保身のために、局内で最も評判の悪かった少年に自分達が犯してきた罪を全て擦り付けたのだ。さらには、彼はJS事件やPT事件の黒幕で、クローン技術や戦闘機人の製造方法を伝授したのは彼だと言い張ったのだ。ご丁寧にも偽造された映像つきである。

同時にこれはミッドチルダのみならず、管理世界全域にいきわたっていた。当初、局員や市民達は、JS事件の一件で上層部を信頼していなかったが、映像が流された事により、上層部の信頼は殆ど回復しなかったものの、少年の存在は悪の対象として憎むべきものとなっていた。


(・・・・・・少なくとも、今復讐を行うのはマズい。俺のメダルが少なすぎる。やはり、メダルを回収する方が先決か)


そう考えた少年は立ち上がったが、ふと、自分には名前が無いことを思い出した。

ある事にはあるのだが、その名は既に捨てたものだし、新たに名前が欲しかった。

そして少年は、一つの名前を思いついた。

自分は今、無の存在。つまりは0だ。そしてこれは始まりだ。世界の終末に向けてのカウントダウンでもある。そして、俺は終末を見る目だ。

ゼロからの終末を見る目。

「・・・アンク。『アンク・エドゼロン』。それが俺の・・・、新たな名前だ」


そして少年は研究所から飛び立っていくヘリを睨みつける。


「待ってろよ6課、管理局、そして―――ども。ぬるま湯につかってる貴様らに冷たい物をぶっかけてやるぜ。冷たい冷たい血をな・・・・・・」


少年・・・アンクは狂気がベットリ張り付いた笑いを浮かべ、森の奥へと姿を消していった。

これで、アンクは世界各国の敵へと廻った。

鳴呼、なんと愚かな世界か・・・。

この時は誰一人として気づいていなかった。

後にアンクが、JS事件を遥かに超える恐怖を植えつける事を。

このとき、誰一人として気がついていなかった・・・・・・・・・。