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最高総司令官
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NANOHA “GREEED OF GREED”

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さて、まず謝らんといかん事がある。君の体の事じゃ。

本来は完全なグリード化をさせるつもりだったのじゃが、突然の事でコアを回収しきれんかった。

回収しきれんかったコアメダルは、その手紙の裏に地図があり、赤印の×印がしてある。

その×印にコアメダルがある。無論じゃが、そこにあるのは君のコアだけではない。他の、君のを除いた6種類《・・・》のコアもそこにある。

なお、金に関しては自力で何とかしとくれ。

復讐の成功を心待ちにしておるぞぃ

死神』


それを読み終えた少年は、手紙を裏返して、地図を見る。確かにそこには、地図が描かれていた。


「ふむ・・・。一番近い場所は、ここから南西に3km程の研究所か。・・・行くしかないな」


少年は小さく溜息を吐いて、歩き出した。

無論だが、移動手段がないため、徒歩で移動である。


~ミッドチルダ・第7研究所~


ヴィーヴィーヴィー!!!


研究所内に警報が鳴り響き、内部の研究所の科学者達が慌しく動き回る。


「侵入者だ!!」


「本局に連絡しろ!!」


「くそっ!!何なんだあいつ!!魔力弾がちっとも効きやしねぇ!?」


研究所内では、護衛の職員達が一人の少年に対して魔力弾を放つ。しかし、その少年は近くの部屋に逃げ込む。これを好機と見た局員達は、すぐさま扉を開こうとする。しかし、その扉は固く閉ざされていた。


「くそっ!!中から鍵を掛けられた!!」


「ディスク・グラインダーと暗証番号解析装置持って来い!!」


「はい!!」


若い局員はベテランの局員に怒鳴られて、急いで格納庫へと向かう。


「くそ・・・。まずい処に入られたな・・・・・・」


そう言って、ベテラン局員は上を見上げる。

そこには、『ロストロギア保管庫&押収物保管庫』と書かれていた。


~ロストロギア保管庫兼押収物保管庫~


「さて、と・・・」


少年は近くにある壺やら剣やらには見向きもせず、奥にあった円盤の蓋をあける。その中には、鳥系グリードの象徴ともいえるコアメダル・・・クジャク1枚、コンドル1枚、そしてタカが1枚はめ込まれていた。


「よし。少なくともこれで特殊能力と翼は出せるようになるはずだ」


少年はそう呟いて、さらに周りを物色し始める。結果、猫系のコアメダルが7枚、昆虫系のコアメダルが5枚、そして新たに水勢系のコアメダルを3枚、重量系のコアメダルを6枚、爬虫類系のコアメダルを8枚、恐竜系のコアメダルを10枚見つけ出した。

同時に少年は思い出した。この施設は、地図に描かれてた研究所の中でも、ダントツに大きい施設だったな、と。

ギィイイイイイイイイ!!!!


ドアの鍵が何かによって削られるような音が響く。どうやら、ディスク・グラインダが到着したらしく、それを使って鍵を切断しようとしているみたいだ。


(だが、もう遅い)


少年は心の中でほくそ笑み、自らのコアを除いた全てのメダルを宙に放り投げ、全てその腕に吸収させた。

ドクン!!!

「ッング!?!?ガァハァアアアアアアアアアアアア!!?!」


腕にメダルを吸収させたその瞬間、少年の体に一言では言い入れぬ激痛が全身を襲った。まるで、コアメダル同士が反発し合っているような感覚だった。


「ギッ・・・グッ・・・、引ッコめヤいタみドも。俺ニはヤらナキャなラなイコトガアルンだ・・・」


少年は痛みに耐えるかのように右手と歯を食い縛る。だがその顔には、しっかりと笑顔が浮かんでいた。


「オレノフクシュウの力になりやがれ!!!メダルドモォォオオオオオオ!!!!!」


少年は叫んだ。自分の内の気持ちを全て吐き出すかのごとく。そしてその思いは、コアメダルをも共鳴させた。


カァアアアアアアア!!!


少年の体が一際強く光ると、体が徐々に腕から変わっていく。その姿は正に、猛禽類を彷彿とさせるような姿だった。只一つ、顔の右半分、左手、左の翼が失われ、そこから紫の表皮が露出しているという事以外は。


「はぁっ・・・はぁっ・・・はぁっ・・・・・・。は・・・ははは・・・」


少年は自分の体を何度か見る。そして、乾いた笑いを発し、そして、


「ははははははははははっ!!!!あーっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!!!!」


狂喜した。


「これだぁ・・・。これが俺の求めていた力だぁ・・・!くひひひひ・・・・やっと・・・、やっと手に入れたぁああああああああああああ!!!!!」


ゴォオオオオオオオオオオオ!!!!


そして、それに答えるかのように、赤、緑、黄、灰、青、紫、金の波動が、余剰エネルギーとなって体から噴出した。

バギィン!!

ジャギ

「そこまでだ化物!!!両手を床について手を頭の後ろに回せ!!!余計な抵抗をしてみろ!!!貴様の脳天に魔力弾をぶち込んでやる!!!」


同時に、ドアの鍵を破壊した局員達が部屋に流れ込み、一斉にデバイスを構える。しかし、少年は完全に相手を見下した目をし、鼻で笑った。


「ふん・・・。やりたきゃやれよ。お前達のような雑魚に俺は殺せやしねぇからよ」


少年は手を広げ、局員達に一歩近づいていく。それに伴い、局員達は一歩ずつ引いていく。


「どうした?お前達が俺を殺さないなら」


ヒュッ


少年は一度手を手刀にして振るう。局員達は一斉に防御の構えに入るが、特に何も起こらなかった。


(・・・・・・はったりか?)


そう思った局員は攻撃の構えに直そうとした。が、それは出来なかった。


ボトボトッ


「・・・え?」


誰かが動いた瞬間、隊長と思しき局員以外の首がズレ落ちた。


「俺が殺す」


「う、うわぁああああああああああああああああああ!!?!?!?」


それを見た瞬間、局員は狂ったかのように魔力弾を発射する。その全てが少年に当たるが、少年は意にも介さないようすでその場に立っているだけだった。


『こちら機動6課。あと30秒少々でそちらに到着します』


と、そこへ局員の通信端末に連絡が入った。同時に、局員の気持ちに余裕が生まれた。


「へ、へっ!!もうすぐ援軍が来る!!お前なんざイチコr」


局員はその先の言葉を紡ぐことは出来なかった。なぜなら、少年が局員の首を撥ねたからだ。同時に少年の体が怪人体から人間体へと戻る。


「機動6課・・・。新しい力を試すのには不足なし。いや、今の《・・》俺じゃ役不足か・・・」


少年は自嘲気味に笑い、先程は吸収しなかった鳥獣系コアを取り出し、一度真上に投げ、吸収するかのようにコアメダルを取り込む。


バサァアアアアアア・・・


すると、少年の背中に紅を主体としたエネルギー体の翼が出現した。


「・・・・・・・・・」


少年は両側の翼を交互に見ると、無表情で翼をしまう。


「・・・・・・・・・いくか」


少年は全身をセルメダルに分解して、真上にあった通風孔に入り、そこから表に出た。

そのすぐ後に、連絡を受けた6課が現場に保管庫に駆けつけたが、すでに少年は消えた後だった。

本当にコンマ1秒の差であった。


~???~