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町内ライダー

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 柱の影に身を隠して、そっと覗き見るが、追跡者の姿はなかった。
 だが奴は、近くにいる、きっといる。風間大介は耳を澄ませ、追跡者の気配を探ろうとした。
 しばらくそうしてみるが、音もない、風の動きも感じられない。
 一旦諦め、退却したのかもしれない。
 そう思い振り向くと、銃口が大介に向けられていた。
「狙ったお宝は、逃がさないよ?」
 青年は、さも愉快そうににやりと笑った。
「さあ、ドレイクグリップを渡してもらおうか。ついでに、ゼクターも呼んでくれるかい」
 青年に言われ、大介はドレイクグリップを取り出し、右手に持って、右腕を前方へと突き出した。
「素直なのは良い事だ。命あっての物種だからね。ゼクターはまだかな?」
「ゼクターは呼びます。だが、あなたなどには渡しません!」
 どこからか飛来したトンボ型のドレイクゼクターがドレイクグリップに収まり、大介は叫ぶ。
「変身!」
『Henshin』
 ヒヒイロカネの装甲がハニカムを描いて、大介の体を覆っていくと、ヤゴをモチーフとしたドレイク・マスクドフォームがそこに現れる。
「おやおや、随分必死だね。僕、生身の人間なんだけど? そんな相手にマスクドライダーシステム?」
「そんな物騒な銃を向けておいて何を言っている!」
 青年の持っている大振りな銃の銃弾は、コンクリートの壁に軽々と穴を開けていた。そんなものが当たれば、生身では一堪りもない。
 大介としては、身に降りかかる火の粉は払わなくてはならない。当然の変身だった。
「まあでも、そっちはクロックアップもあるし、これじゃちょっと不公平だよね」
 言って青年は、カードを一枚取り出して銃にセットし、その銃を天へと翳した。
「変身」
『Kamen Ride Diend』
 現れたいくつもの虚像が青年に重なり、飛来したライドプレートが彼のアーマーをシアンに彩った。
「……あなたも、ライダー? そんなシステムは見たことがない」
「残念ながらZECT製ではないよ。まあそんな事はどうでもいい。マスクドライダーシステム・ドレイク、頂くよ!」
 二人は互いの銃撃を躱しながら何発もの銃弾を放つ。だが、互いの体には届かない。
 痺れを切らしたのか、ディエンドとコールされた方が、一枚のカードをその銃にセットした。
『Attack Ride Blast』
 迫った銃弾を横っ飛びに躱しながらディエンドが引鉄を引いた。何発もの銃弾が一気に、ホーミングしながらドレイクへと迫った。
 予測できなかった弾道に、ドレイクの回避は間に合わず、何発かを食らい後ろに吹っ飛ばされる。
「ぐ……う……」
「諦めが悪いから痛い目に合うんだよ。分かったら大人しく渡してくれるかな?」
『Kamen Ride Rio-Troopers』
 にやついた声で言って、ディエンドはまた一枚のカードを銃へとセットした。引鉄を引くと、ドレイクが知らない三体のライダーがその場に現れた。
「さあ、僕の兵隊さん達、あれを回収して」
「させるか、よっ!」
 ドレイクが仰向けに倒れている少し上を、黄色い紐のような物が横切り、三体のライオトルーパーを、横薙ぎに一気に殴り倒した。
 よく見れば、先端には握られた拳が付いている。それは、腕、だった。
「……な、何だ?」
「ちっ……Wか、面倒だな」
 ディエンドが面白くなさそうに呟いた。まるでゴムのようにしなって腕が戻っていった先をドレイクが見ると、そこには、体の中心で色が分かれていて、左は黒く右は黄色い、やはり知らないライダーらしき者が距離をややおいて立っていた。
「お前何者だ! 何でそいつを狙う!」
「何でって、僕はお宝が欲しいだけさ」
「そんな事ぁ、この二人で一人のハードボイルド探偵が許さねぇぞ!」
「……それって、一人だと半人前って事?」
「うっせぇ!」
 Wは叫んで右腕をまた伸ばし、ドレイクのやや前方上で天井に渡されているパイプを掴んで、腕の長さを戻しながら飛んだ。
 その勢いを利用してディエンドへと飛びかかり、キックを放つが、ディエンドはするりと横へと動いてそれを躱した。
「面倒臭いのは嫌いなんだ。今日のところは諦めてあげるけど、また邪魔したら許さないよ、茹で卵探偵さん」
「ハードボイルド[#「ハードボイルド」に傍点]だ!」
 Wの抗議には耳を貸さず、ディエンドはまた銃にカードを一枚セットして引鉄を引いた。
『Attack Ride Invisible』
 カード名が読み上げられた途端にディエンドの姿は虹色に滲み、消えた。
「……消えちまった?」
「逃げられたようだね」
 一人から別々の声が上がる。ドレイクはぽかんと、半分このライダーの姿を眺めた。
「……あなたは、一体?」
「おう、大丈夫かい。あんたを守ってくれって依頼されたのさ」
 Wが指し示した先を体を起こしたドレイクが見ると、柱の脇からゴンが顔を見せて、小さく手を振っていた。
 ドレイクが一つ息を吐くと、ドレイクゼクターが何処かへと飛び去っていき、その姿は風間大介へと戻った。
 その後事務所に戻り、大介の提示した料金に亜樹子が不満を見せたものの、メイクして貰うと途端に機嫌を直して態度を変えた事だとか。
 メイクされた亜樹子を見て翔太郎が「馬子にも衣装だな」と言ってスリッパのツッコミを受けた事は余談である。
作品名:町内ライダー 作家名:パピコ