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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第2部

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011話 特訓と本当の『強さ』とガタキリバ




あれから数日、機動六課の訓練スペースでは、スターズの隊長である高町なのは と、その部下である、スバル・ナカジマ、ティアナ・ランスター、そして1人の『青年』が訓練を行っていた。

「さあ、後一分、私の『ディバイン・シューター』からにげきってね!」

『はいッ!』

現在、三人はなのはの魔法弾から指定時間逃げつづける回避訓練を行っていた。
スバルとティアナは今までの訓練と実戦の積み重ねにより、決して楽ではない なのは の訓練をこなしていた。ただ、映司は…

「うわぁッ!あ、危な、ちょ、ぎゃあ!」

ギリギリのところで回避したり、たまに一弾あたる…等、とても見ていられるものではなかった。

「映司く~ん…大丈夫?」

なのは は心配そうに、映司に近寄る。

「だ、大丈夫…です。」

映司はうつ伏せになりながら右手を上にあげ、ピースサインをだした。

「そうか、なら次の私との訓練も問題ないな!」
「あ、シグナム副隊長」
「えぇッ!?」

いつのまにか、なのは の隣にはシグナムの姿があった。映司は驚き、うつ伏せの状態から急いで正座になる。

「さあ、火野!ついてこい!」
「ま、待ってください、ちょっと、疲れて…」
「何を言っている!さあ、いくぞ!」

シグナムが映司の手を握り、ほぼ強制的に連れていかれてしまった。

「ま、待って!あああぁぁ……。」





「なのはさん…」
「なに?スバル」
「シグナム副隊長と映司さん見てると…ッぷ!くふふ…なんか面白いです!」
「こ、こらスバル!…ふふっ…でも、なんだか二人を見てると、夫婦漫才みたい!…あはははは!!」
「な、なのはさん笑いすぎ、あはははは!!!」


「なのはさんとスバル、なんであんなに笑ってるんだろう?」







「さあ火野、これを持て!」
「これは?」

シグナムから渡されたのは、何か特殊な加工を施された物でもなく、ただの「木刀」だった。

シグナムは木刀を両手で持ち、映司に対して構える!

「火野、手加減なしで私にドンドン打ってこい!」
「えっでも…」
「剣の扱い方はやりながら教えてやる、さあ、いくぞ!」
「わかりました…いきます!」


一時間後…

「痛てて…シグナムさん、手加減なさすぎですよ…」
「ふふ…しかし、なかなか良くなってきたではないか、火野」

映司の上達ぶりにはシグナムは感心していた。まだ基本しか教えていない筈なのだが
いつのまにか映司は教えていない応用すら自分で解釈して使っていたのだ。

「さて、この後はマラソン10Kmだ、
いくぞ『映司』」


「あ、シグナムさん、今俺のこと名前で…」
「…ッ! ち、違う!い、いくぞ!」

「…?」

シグナムの顔は見えなかったが、頬が少し赤くなっていた気がした…。




映司とシグナムはミッドチルダの学園集中地帯のちょうど中央区を走っていた。

「はぁ、はぁ、…ん?あれって…」


映司の見た裏道の先に、一つの集団があった。よくよく見ると、その集団のまんなかには
人影があった。

…いじめだ。

「あれは?ッ!火野!」

映司は言葉がでるより先に行動していた。その集団に向かって走って行った。


「ちょっとちょっとぉ!君たち何やってるの!!」


やべッ人だ!
皆、逃げろ!




映司がたどり着く時には、いじめていた集団は逃げていった。

「君、大丈夫?」
映司は倒れていた学生に手をさしのべる。


「は、はい…ありがとうございます…」








映司とシグナムは、先程のいじめられていた学生を連れて近くにあったベンチに座らせていた。

「君、いつもあの子達に?」

「うん、僕は弱いから…いっつもあいつらがストレス発散のサンドバッグ変わりだっていって……。」

「誰かに助けを貰わなかったのか?」

「無理だよ…皆、見て見ぬふりをするんだ…僕がもっと強かったら…」

シグナムは激怒した!
「なんだそれはッ!それでも同じ人間なのか!?」
「落ち着いて、シグナムさん。君、ちょっといいかな?」

映司は学生に向かいあう。
そして、ゆっくりと口を開き、喋り始めた。



「君が言った通り、人って不利益なことに出会うと平気で目を背けてしまう生き物なんだ、それは正しいと思うよ」

「…はい。」
「ッ!?火野!」

「…でも、君の言う『強さ』は違う。」






「本当の強さっていうのは、自分のためにじゃなくて…誰かのためにどこまで自分が頑張れるかってことなんだ。」


「ッ!」
(火野…。)

「だからさ、まず仲間を作ってみたら良いんじゃないかな?一緒に笑って、泣いて、助け合うことのできる仲間をね」

学生はベンチから立ち、その顔には『笑顔』があった。


「ありがとうございます!…まず、仲間を作ってみます!辛いかもしれないけど、絶対くじけません!だって…これが僕の『強さ』だから!!」




その後、学生と別れた映司とシグナムは、またマラソンをしながら、話していた。

「…火野、さっきの言葉、心に響いたぞ」

「ちょっと恥ずかしかったんですけどね、ははっ」

(本当の強さ、か…本当にこいつは、面白い男だ…)











-だから俺はあなた達と戦いますッ!!!!『仲間』を助けるためにッ!!!!!-












(なんだ、いまの声は…どこかで聞いたような…たしか、10年前に…)



シグナムが考えながら走っていると、
また一つの集団があった。
そこには、最初にシグナムが助けたあの柄の悪い学生がいた。
…しかし、様子がおかしい。

「あ~またか、ちょっとぉ!君た…」
「まて、火野!何か変だ…」


その集団にいじめられていたと思われる学生の前に奇妙な影があった…。

「まさかあれは!『ギャアァァァァ!』ッ!」







ボタッ!


柄の悪い学生の右手がその場に切り落とされた。…切断された部分からは血が次々と止まることなく流れ続ける。

「あ、あああ、俺の手がぁッ!!!」

「…君の自慢の右手だったんだよね…ふふ…どうだい?強みが無くなった気分は…」

メガネをかけ、髪がボサボサして、少しポッチャリ体型のいじめられていた学生が奇妙な笑い方をし、柄の悪い学生に呟く。

「おい、お前ら!助けてくれぇ!」

や、やばい、なんだあの「怪物」は!?

お、おい逃げるぞ!

助けて!ひぃッ!


柄の悪い学生の仲間は逃げていった…

「お前らぁッ!…く、くそぉ!!!」

「どうだい?…ふふっ…俺の気持ち、わかったでしょ?…でも駄目だよ…君はこいつが殺すんだから…ひひひッ!」


そう、そのメガネの学生の前には、あの騎士ヤミーの姿があった!!


「シグナムさんッ!…あ、おとと…」

シグナムは映司にオーズドライバーとメダルを返した。しかし、そこにはシグナムの姿がなく、いつの間にか騎士ヤミーに向かって突進していた!


『ッ!』

次の瞬間、ヤミーの剣と、レヴァンティンがぶつかり合う!

「奇遇だな、また会うことになるとはな!」
『…邪魔だ!』

騎士ヤミーとシグナムは一旦間合いをとる。

「助けてぇぇッ!」

そのまま柄の悪い学生は逃げていった。