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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第3部

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015話 夜天の主と欲望の王と『家族』




はやて達を助けたのは
スターズ分隊隊長 高町なのは と
ライトニング分隊隊長 フェイト・T・ハラオウンだった。

二人は はやて の目の前に降り立つ。

「なのはちゃん…フェイトちゃん…」

なのは とフェイトは振り向かずに答えた。

「安心して、はやてちゃん、今機動六課から増援を呼んだから」

「あと5分もすれば、クロノ達が来る、…それまで」

バルディッシュ・アサルトをアンジュに向ける!

「私達が…相手だ!」

アンジュが なのは とフェイトを睨み付けた!
『小娘ども!どこまで俺の邪魔をすれば気がすむんだ!』

アンジュは完全に切れていた!

「ここじゃ不味いね、フェイトちゃん、何とかして海上に移動させないと」

「それなら!」
『Sonic form』

『ッ!!』

フェイトは真・ソニックフォームになり、アンジュを掴み、海上まで飛んで移動させた。

その隙に、なのは は倒れていたシグナムとヴィータの元に向かった。

「シグナムさんッ!ヴィータちゃんッ!」

「すまない…高町…」
「さすがに…効いたぜ…」

二人とも既に虫の息だった。

「大丈夫、医療チームも呼んだから、もう少し待ってて。」

そして、今度は はやて と…変わり果てた姿の映司に近づいた。

「映司…くん?」

『ごめん…なのはちゃん、俺、人間じゃな…』
「違うで、映司くん」
『…?』

立っていたはやてが倒れている映司グリードの顔までしゃがみ、手を握る。

「映司くんが人間じゃなくても、グリードであっても、映司くんは映司くんや。私達がそんな『ちっぽけ』なことで映司くんを見捨てないで…」

『ッ!』

映司はグリード体から人間に戻る。

なのは はそんな二人のやりとりを見て、自然と笑顔になる。

「さて、なのはちゃん、そろそろ決めんとなぁ!」

「はやてちゃん、でも体が!」

「なに、シャマルのお蔭で見た目以上に回復したしな、映司くんは、今日は休んでてな」

「はやてちゃん?でも俺…」

「大丈夫や、第一オーズじゃ空飛べんやろ!」

「あ、そっか!」

「(納得しちゃうんだ…)はやてちゃん、それじゃあ!」

「よし、いくでぇ!リィン!!」

「はいですぅ!!」

物陰からリィンフォースⅡが出てきた。

「リィン、ユニゾンや!」

「はい、はやてちゃん!」

次の瞬間!リィンは はやて の体に入る!

『ユニゾン、イン!』

はやての髪の色は白髪に近い色になり、背中の黒い翼が更に大きくなった!

そして、なのは と はやて はアンジュとフェイトが交戦している海上へ飛んでいった。



(フェイトちゃん、聞こえるか?)

(は、はやて?)
『なによそ見している小娘ぇ!』

「ぐッ!」
(な、なに!?)

(今から詠唱を始めるゎ、だから合図と同じにそいつから離れて!)

(わかった!)

「喰らえッ!」

『ッグアァッ!』

フェイトのライオットザンバーがアンジュの体に切り刻まれる!

「アクセルシューター、シュート!」

『ッ!ギャアァッ!』

続いて到着した なのは のアクセルシューターがアンジュに当たった!

「なのは…!」

「フェイトちゃん…! 」



一方その頃…

はやて は少し離れたところで魔方陣を展開し、詠唱していた。

「…遠き地にて、闇に沈め!」
『はやてちゃん、発動まであと5秒です!』

(なのはちゃん、フェイトちゃん、今や!)




「よしッ!」
「今だッ!」

なのはとフェイトはアンジュの元からすぐに離脱した。

『な、なんだ!?』

しかし、アンジュが気づいた時にはすでに遅かった。


「デアボリックエミッションッ!!」

次の瞬間!アンジュを中心に魔力攻撃を充満させた!


『ギィヤアァァァァァァッッッ!!!!!!!!!!!!』

辺り一面黒い球体に包まれた。
なのは とフェイトはギリギリ逃げることができた。
映司はただそれを見ているしかなかった。

「す、すごいな、これがユニゾンしたはやてちゃんの力…」




発動し終わったあとの静寂が訪れた。
はやて には手応えがあった。
「やったか?…!」


しかし、そこにはボロボロになりながらも滞空しているアンジュの姿があった。


『ゆ…許さん…夜天の主ぃッ!!!』

(嘘やろ?…デアボリックエミッションをもろに当たって、立っていられるなんて…)

『許さねぇ…殺してやる!』

「ッ!!」

その時!

「そこまでだ、グリード!」

『なにッ!!』

「あ、あれは、」

そこにはクロノや本局の隊員達、聖王協会の人達が到着した。


さすがに、アンジュにとっても状況が悪かった。
『仕方がない…今日はこれで帰るとするか…だが!お前達に面白いことを教えてやる!』

「ッ!?」



『世界の、終焉は、近い!』

その時映司は驚いた!世界の終焉、かつてドクター真木が行おうとしていた計画である。

「世界の終焉、それがアンジュの欲望…」


『去らばッ!人間どもッ!!』

「ま、待て!グッ!」

次の瞬間、アンジュの頭から熱源光線が放たれた。気が付いた時にはアンジュを見失っていた…








機動六課、医療室
先程の戦いで大怪我をしたシグナム、ヴィータ、映司と はやて の四人は、シャマルによる治療を受けていた。あらかた四人の傷はだいぶ治っていた。立ち会いとして、ザフィーラとリィンもいた。

ザフィーラが映司の元へとよってくる。

「火野…もう隠せないぞ…」

「わかってます、皆!」

映司はその場にいた全員を呼んだ。

「映司くん、全部教えてくれるんよな?」

「うん、全部話すよ…俺の過去のこと…」

映司はかつてザフィーラ喋ったことを隠さず全員に話した。
話し終わった後、全員沈黙状態になった。


はやては映司の前に立つ。

「はやてちゃん?ッ!」


次の瞬間、はやて は映司にビンタした。


「はやてちゃッ!!」

さらに はやて は映司のアバラを殴りながら押し倒し、馬乗りになりながら襟をつかみ、叫んだ!


「ッこのドアホッ!!!」

「は、はやてちゃ…」

はやて は泣きながら喋り続けた。

「なんでそんな大事なこと隠してたん!?
そんなんあんまりや、辛すぎるやないか!!
映司くんばかり酷い目あって…
もう…ヒグッ…私なにもできへん…」


「そんなことないよ、はやてちゃん」


映司はそのまま はやて を抱き締めた。


「はやてちゃんは、あの時俺の事を『家族』って読んでくれた。それだけで俺は救われたんだ。」

「ッ!!」

「だからさ…俺も『八神家』の1人になりたいんだ…いいかな?はやてちゃん」

「…ええよ、今日から映司くんは私の家族の一員や…」

はやて は映司から離れ、涙をふき、改めて映司を見つめ直す。


「これから宜しくな、映司くん!」

はやて は手を差しのべる。



「うん、はやてちゃん!」

映司はその手を握る、その瞬間、映司は救われた。また、新しい家族が誕生した。


「え、映司が私達の家族、と、いうことは師から姉になったということか…」

「あら、シグナムなにを赤くなってるの?」