君が信じてくれるから
「はーい、みなさん、聞こえましたか~!!咲はすっげーかわいいし、すっげーやさしいけど、惚れんなヨ!咲が愛してんのは俺だからっ!!」
「た・・・滝沢くんっ!!//////」
考えてみれば二人は一階のフロアーの片隅にいて。背後に、たくさんのニートたちが興味深々で二人のラブシーンを見ていたのだった。
「咲のこと狙おうなんて、フラチなこと考えるヤツが出ないように手をうっといたのさ」
滝沢は悪びれずにいう。
「でもさ、竹川にみせたようなやさしさはさ、咲のすっげーいいところだからさ。俺、咲のそういうところ、尊敬してっからさ。やっぱ、そういうのはジャマしたくないからさ」
「滝沢くん・・・」
「咲はほんっと、アイドルだよな、豊洲の」
「なっ、アイドルなんて!言いすぎだよ!」
「だって、そうじゃん!でもさ・・・」
「え?」
「夜の咲は俺だけのモンだから・・・」
そう滝沢は咲の耳にささやいた。
咲の顔面がぼっと赤く染まったのはいうまでもない。
作品名:君が信じてくれるから 作家名:なつの