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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第4部

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016話 風の癒し手とデートと過去の罪



「はッ!」
「セイヤァッ!」

機動六課の訓練スペースでは、シグナムとオーズのタトバコンボに変身した映司が、
模擬戦を行っていた。

オーズの右手には青色の剣が握られていた。
そう、この世界にはないはずの「メダジャリバー」だった。

「すごいな、シャーリーさん、俺の証言だけでここまで作れるなんて、本物と全然変わらないな!」

「しかしその剣は凄いな映司、セルメダルを投入するたびに切れ味が増すとは!」

シグナムはメダジャリバーに興味津々だった。

「まったく、あの二人は怪我を知らないんか?」

「大丈夫よ はやてちゃん、いざとなったらまた私が治すから!」

二人が模擬戦をしている少し離れた所で はやて と シャマル がいた。


「さて、映司!次で決めるぞ!」

「えっ!ちょ、ちょっと!」

「レヴァンティン!」
シグナムはレヴァンティンのカートリッジを一弾消費する。

「こうなったら…!」
オーズはメダジャリバーにセルメダルを二枚投入し、オースキャナーでメダジャリバーをスキャンする。
『ダブル!スキャニングチャージ!!』

「紫電…一閃!!」
「セイヤァァッ!!」


「え?ちょ…」

次の瞬間、その場で大爆発が怒った…






「当分二人は模擬戦禁止や、わかったな!?」

『は、はい…』


現在、二人はシャマルに治癒魔法をかけられていた。

「すまないな、映司。お前が私の義弟になると思うとつい興奮してしまってな」

「義弟って…取り回しかた固すぎだよ…っ痛てて…」

「はいはい、映司くんは男の子でしょ?」

「すいません、シャマル先生」


「ッ!あ!」
はやて が突然何かを思いつき、映司とシャマルに近づいてきた。

「そや、シャマル。この際だから映司くんの『味覚』と『色彩認識』の治療してみてくれな、せめて検査だけでも、頼むゎ!」

はやて はシャマルに頭を下げた。

「は、はやてちゃん!頭あげて!」

シャマルは はやて の突然の行動に驚いた。

「わかったわ、とりあえず見てみるわね」

「でもシャマル先生、俺のこれはあっちの世界では…」

シャマルは映司に笑顔をみせる。

「あっちではね、こっちは魔法文化が発達しているのよ!」

映司は自然と笑顔になった!

「そうか…!ぜひお願いします!シャマル先生!!」






機動六課の医務室、映司はシャマルに治療されていた。そして一通り終えた後、シャマルはコーヒーを持ってきた。

「映司くん、これは『甘い』コーヒーよ、飲んでみて。」

映司はそのコーヒーを飲んだ。ちなみにこのコーヒーは甘いといったが、実は『苦い』のである。これは本人が嘘をつかせないための予防策なのである。

しかし映司は…
「…すいません、シャマル先生、全く味を感じとれません」

「…そっか…。あ!そうだ!映司くん?」

「な、なんですか?」

「気分て・ん・か・ん・に…」

「…?」






「今日一日『デート』しましょ♪」


「デート…ですか?」












ミッドチルダ、巨大ショッピングモール
そこに私服姿のシャマルと映司の姿があった。

「まぁデートっていっても、ただ映司くんの八神家入りのお祝いにシャマル先生が料理振る舞うための材料調達だけなんだけどね!」

「へぇ~!シャマル先生って料理できたんですか!」

「ふふっ!これでも腕には自信があるのよ♪」

「はやてちゃん直伝だからなぁ、きっと上手いんだろうな!」

しかし、映司は知らなかった。シャマルの料理は壊滅的だということを…。


シャマルはそんな映司をじっと見た。

(全く、味なんて感じ取れないくせに、本当に映司くんお人好しなんだから…でも、そういうところ、嫌いじゃないんだけどね!)

「そういえばシャマル先生、一体何を作るんですか?」

「やっぱり、カレーかしら?」

「カレーですか、わかりました!早速探し始めましょう!」



だが、映司は驚愕した。
シャマルの食材のチョイスを…

「あ、この羊羮良いわね!隠し味になるわね!」

「え!?羊羮ですよ!」

「映司くん…わかってないわね、羊羮の甘味成分によってカレーはさらに濃厚になるのよ!」

「クスクシエでは…聞いたことないんだけどなぁ…ま、まぁ世界は広いから!」




「あら!このみかん!カレーの隠し味にぴったりだわ!」

「シャマル先生!み、みかんはさすがに…」

「わかってないわね、映司くん…みかんの酸味成分によってカレーはさらに濃厚になるのよ!」

「せ、世界は広いからなぁ!… たぶん。」




「あら!このアイス、カレーの隠し味にぴったりだわ!」

「シャマル先生!ちょ、ちょっと待って下さい!!」








「一通り買い物終わったなぁ…終わったのか?」

「ありがとう、映司くん!助かったわ!」

映司とシャマルは歩いていた。
映司は両手にカレーの…食材を持っていた。




ちょっとよろしいでしょうか?

『…?』

映司とシャマルの背後に、黒のジャンパーを着て帽子をかぶった怪しい人間がいた。

「はい、なんでしょうか?」

映司が答える。

「えっと、そちらの女の片、機動六課のシャマルさんですよね」

「はい、そうですけど…」


「私、週間ミッドチルダの記者の者です!10年前に起こった『闇の書事件』について取材させてください!」

「ッ!!」

シャマルは動揺した。
「すいません…また今度に…」
「そこをなんとかッ!!」

記者はしつこく追及してきた。


「まぁまぁ記者さん落ち着いて!シャマル先生、行きましょう!」

映司はシャマルの手を引いて足早に逃げていった。

「あっちょっと待って下さい!」

しかし映司とシャマルの姿はなかった。




「なんとかまいたみたいですね」

「そうみたいね…」

二人はファーストフード店に逃げ隠れていた。

「シャマル先生、さっきの話って…」

「闇の書事件…10年前、私達が深く関与した事件…」

その場の空気が重くなった。

「すいません!その…」

「いや、聞いてほしいの…」


映司は姿勢を正し、改めてシャマルを見る。



「あれは、クリスマス前の事よ…」






はやて とヴォルケンリッターの過去が今、
明かされる…。