ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第4部
017話 数えた罪と鮫とシャウタ
今から10年前、
地球にある海鳴ではとある事件が起こった。
海鳴で体の不自由な少女がいた。
少女の親はまだ幼い時に事故で亡くなってしまい、親戚やいとこもいなく、
1人、孤独に毎日を過ごしていた。
そう、「八神 はやて」である。
はやて は病院や図書館に通う生活をずっとしていた。
そんな彼女にも微かな「欲望」があった。
学校に行きたい…
「家族」が欲しい…
しかし、はやて はそんな欲も口に出さず、ただ、じっと我慢していた。
そして、運命の夜、彼女がベッドに横たわりながら本を読んでいると、
本棚から一冊の「本」が光を放ちながら現れた。
夜天の魔導書…当時は「闇の書」と言われていた。
そして、はやて の目の前に、四人の「守護騎士」が現れた。
シグナム達である。
この出逢いが、はやて と ヴォルケンリッター達の運命を大きく変えることとなる。
ヴォルケンリッター達は常に闇の書の主の命令に常に従わなければならない。
今まで数えきれない程の人達や国々を殺したり壊してきた。
シグナム達はそれを繰り返すうちに「感情」というものが消えていた。
どの主も自分達を物としか、扱ってくれなかった…
しかし、はやて は違った。
シグナム達は驚愕した。
服を与えてくれた。
ご飯を作ってくれた。
一緒に遊んでくれた。
風呂にも入らしてくれた。
色々な事を教えてくれた。
今までしてくれなかった事を、今度の主はしてくれた。
ヴォルケンリッター達は、忘れかけていた「感情」を取り戻していった。
しかし、幸せは長く続かなかった。
はやて の病状が悪化し、倒れてしまった。
はやて の原因不明の病気の発生源は、あの「闇の書」によるものだったのだ…。
シグナム達は愕然とした。
はやて はこのままだと長くもたない。
そして、ヴォルケンリッター達には、
ある「欲望」が生まれた。
はやて を助ける。
助けるためには闇の書を完成させなくてはいけない。
それからシグナム達はページを埋めるための源となる、魔術師に存在するリンカーコアの収集を始めるのであった。
これが、後に「闇の書事件」と呼ばれることになっていく…。
「これが、闇の書事件…の一部の話かな」
映司はずっと真剣にシャマルの話を聞いていた。
「私達は、いくら はやてちゃん のためといっても、色々な人達を傷つけてきたの、本当に、ただそれだけしか見えてなかったから…
忘れたくても、忘れられないわ。」
「それは駄目ですよ、シャマル先生」
「え?」
「確かに皆は、過去に取り返しのつかない事をしてしまったと思います、でも、『忘れる』ことは、駄目だとおもいます。大事なのはその過ちを学習して、未来に繋げていく事なんじゃないですか?」
シャマルは目を大きく見開いた。
「未来に繋ぐ…そうね、私、ただ過去から逃げていただけなのかもしれないわ」
映司はシャマルの右手を両手で握った。
「大事なのはこれからですよ、一緒に頑張っていきましょう!」
シャマルは笑顔になった!
「ありがとう…映司くん!」
-思い出して下さいッ!!!あなた達は、本当は何をしたかったんですかッ!!!-
(今の声…どこかで…映司、くん?)
「シャマル先生、どうしたんですか?」
「いえ、なんでも!」
みつけましたよ…
『ッ!?』
そこには、あの雑誌記者がいた。
「待ってください!あの…」
「いえ、待って!」
シャマルは席を立ち、記者の前に立った。
「私でよければ、話します。」
「シャマル先生、良いんですか?」
映司はシャマルの行動に驚いた。
「いいのよ、映司くん、もう過去からは逃げない!」
シャマルは改めて記者に振り向いた。
「さあ、さっそく…」
「いや、もう良いです」
「ッ!?」
記者の様子がおかしい。さっきとは明らかになにか違う気がした。
「いや、もういいんですよ。わざわざ頼まなくても、吐かせればいいんですからッ!!」
次の瞬間、記者の背後から鮫の形をしたヤミーが現れた!
「ッ!?」
店内がパニック状態になった!
客や店員達はそこらじゅうに逃げ惑う!
「ヤミー!?ここじゃ危ない!」
映司はヤミーを掴み、横のガラス窓から外に飛び出した!
「映司くん!」
シャマルは急いで映司の後を追った!
「ふふふ…私は知らないですよ、あの時逃げたシャマルさんのせいですからね…」
映司は鮫ヤミーの姿を見て驚いた、大きな頭に鋭い歯、噛まれたら最後だろう。
「映司くん、大丈夫!?」
「大丈夫です、シャマル先生。…こうなったら!」
映司は懐からオーズドライバーを取りだし、腰に巻いて、メダルをセットし、スキャンした!
「変身ッ!!」
『タカ!トラ!バッタ!
タッ!トッ!バッ!タトバ!タッ!トッ!バッ!!』
映司はオーズに変身した。
「いくぞ、セイヤァッ!」
『グァッ!!』
オーズはメダジャリバーで鮫ヤミーを斬った!
「もしかして、見た目だけなのかな?」
オーズは更にメダジャリバーで鮫ヤミーを切り刻んでいくッ!
『ぐ…ぐぅ…』
(いまだっ!)
しかし、シャマルは不思議に思った。いくらなんでも弱すぎる…。
その間にオーズはメダジャリバーにセルメダルを三枚セットし、スキャンする!
『トリプル!スキャニングチャージ!!』
「ハァァァァァァッ!!セイヤァァァッ!!!」
『ッ!!』
オーズは鮫ヤミーに『オーズバッシュ』を放った!その威力は次元の空間さえ引き裂いてしまう威力である。
しかし…
「やった!」
「いえ、まだよ!」
『…ふふふ、きかんな!』
なんと鮫ヤミーは自分の体を液体化して攻撃を回避していた!
「そんな!?でもこのメダルで…」
オーズはライオンメダルを取り出すが…
『させんッ!』
「ッ!うわぁッ!」
鮫ヤミーの口から潮が発射され、手に持っていたライオンメダルを撃ち落とされてしまった。そのままヤミーは再び液体化し、オーズに攻撃した。
「うわッ…か、体が思うようにうごかない…」
「まだ、アンジュとの戦いのダメージが残っているのね、こうなったら…クラールヴィント!」
『ッ!』
シャマルは騎士甲冑を見にまとい、クラールヴィントの力で鮫ヤミーを拘束した!
そのままシャマルはオーズの元へ駆け寄る。
「映司くん、今から私のほとんどの魔力を使ってあなたの体を回復させるわ!」
「シャマル先生、そんな事したら…」
「大丈夫よ、シャマル先生は、戦うお医者さんなんだから!」
「ッ!…お願いします!」
シャマルはオーズに治癒魔法を始めた、
鮫ヤミーは液体化して抜け出そうとするが、魔力による拘束のため、液体化することができなかった。
「…はぁ…はぁ、これで、大丈夫よ…」
オーズを完全に回復させ終えた途端、シャマルは倒れてしまった。
作品名:ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第4部 作家名:a-o-w