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願いをかなえたい

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※妖狐×僕SSミケちよ(御狐神・凛々蝶)
コミックス第三巻「二人になった日」以後の恋人になった後のミケちよのお話。


「凛々蝶さまをお守りするためだけに、僕は存在しているのです」
御狐神くんはよくそう言う。僕は、そんな彼が切なくて。愛しくて。
僕は、彼に彼自身の楽しみを、喜びを見出してほしいんだ。

御狐神くんの存在が、僕を救ってくれた。僕がこの世界に一歩踏み出していく力をくれた。人に心を開くこと、誰かを自分よりも大切に思う気持ち。全部、御狐神くんが教えてくれたこと。だから、僕も、御狐神くんに、何か、返したいんだ。御狐神くんに幸せを感じてほしいんだ。


「御狐神くん、君がやりたいことってなんだ?」
「僕の望みは、凛々蝶さまのおそばにいることです。それが、すべてです」
「いや、それは・・・それは、もうかなっているじゃないか。もっと他に、君自身が嬉しいことはなんだ?」
「僕が嬉しいことは、凛々蝶さまとこうしてお話ししていること・・・凛々蝶さまと恋人同士でいられることです」
「いや、それも。もうかなっているじゃないか。もっと、他のことでないのか、僕に関係ないことで、君自身が望むことだよ?」
「凛々蝶さま、僕の存在は凛々蝶さまの存在があってこそ。凛々蝶さまに関係ないことで、僕が望むことなど、ありえません」
「う~ん、困ったなあ。僕は、君に「奉仕」以外の喜びを感じてもらいたいんだ。僕がいなくても、君自身で楽しいと思えるようなことを、知りたいのだが」
「凛々蝶さま!もしかして、僕を捨てようとなさっているのですか!?僕をおいてどこかへいかれようとしているのですか!?僕が何かお気に障るようなことをしましたでしょうかっ?凛々蝶さま!!」
御狐神くんはひざまずいて、僕の手をとって、泣かんばかりになる。
「い、いや、違う、違うんだ。僕は、御狐神くんに、もっと幸せになってもらいたいんだ。嬉しい、楽しいって感じられることを増やしたいんだ」
「凛々蝶さま・・・」
「御狐神くんのことが・・・好きだから・・・。僕は、僕だけでなく、君にも、もっと幸せになってもらいたいんだ。願ってもらいたいんだ、君自身が望むものを」
「凛々蝶さま・・・なんて、おやさしい・・・僕のような犬に対して、そのようなお言葉をかけて下さるなんて・・・」
「いや、御狐神くん、僕たちは、その・・・恋人同士だろう?恋人に望むものを与えたい、幸せを感じてほしいっていうのは、当然だろう?」
「はい・・・凛々蝶さま。ありがとうございます。」
「だから、教えてくれ。願ってくれ。御狐神くんがやりたいこと。したいことを」
「凛々蝶さま・・・恐れ多いことながら、もしも願うことが許されるのならば・・・僕は・・・子供がほしいです、凛々蝶さまの子供が」
「えっ!?・・そ、それは・・・」
「凛々蝶さまに僕と婚姻してくださいなどと、そのような恐れおおいことは申しません!妾でいいのです、日陰者でいいのです、シークレットサービスの身分のままで・・・子供も、僕が引き取り、立派に育てます、凛々蝶さまにご迷惑はおかけしません!だから・・・」
「な、何を言っている!」
(それって、なんか、「女」のセリフじゃないか??男も妾っていうのか??・・・いや、今はそんなことを考えている場合ではなく・・)
僕は御狐神くんの両手を握って、はっきりと断言する。
「御狐神くん、僕が婚姻する相手は君しかいない!だから、日陰者とかそんなこと、二度と口にしてもらっては困る!」
「凛々蝶さま・・・」
「子供だって・・・その・・・時期がくれば、だな、もちろん、ほしいと思っている、君との子供をな」
「凛々蝶さま!!身に余る光栄ですっ!!」
「しかしだな、それはまだ早すぎるだろう、もっと将来のこととしてだな・・」
「やはり、そのような望みは恐れおおいことでしょうか?僕のような犬に・・・」
「いや、ちがう!そうじゃなくて・・。ぼ、僕たちはまだ・・・キスしかしてないわけだし・・・」
「凛々蝶さま・・・ご心配には及びません・・・僕はいつでも心身ともに準備できております。凛々蝶さまさえご承知いただけるなら、今すぐに、キスの先を・・・」
そう言って、御狐神くんは僕に顔を近づけてきた。
「うわー!待った!僕が言いたいのはそういうことではなく!!」
「凛々蝶さま・・・やはり、お嫌で?僕のような、犬ごときが・・・」
「あ~!!ちがう、ちがう!その、それは、もう少し先のお楽しみとしてだな・・・」
「お楽しみですか?」
急に御狐神くんの目がきら~んと輝いた・・・気がする。
「ああ、それは、僕も、それなりに楽しみにしている・・・って、今はそういうことをいいたいのではなくてっ!!それ以外に、君が望むものを教えてくれないか?」
「凛々蝶さま・・・難しいですね・・・それ以上に望むものなど、僕にありましょうか・・・でも、そうですね、もしも、かなうならば・・・」
「うん?なんだ?言ってみよ」
「はい・・・もし、かなうならば・・・許されるならば・・・凛々蝶さまと一緒に学校へ行ってみたいです・・・凛々蝶さまとキャンパスライフを満喫したいと・・・そのような大それた夢を抱くこと自体が罪だと、わかっているのですが・・・」
「キャンパスライフ?」
「はいっ!凛々蝶さまと一緒に授業を受け、一緒に居眠りしたり、一緒に早弁したり、一緒にテスト勉強したり。凛々蝶さまが図書館で勉強される傍らで、僕も一緒に勉強したり。同じ本を読んで感想文を書いたり。体育で一生懸命走られる凛々蝶さまを応援したり。文化祭のキャンプファイアーで告白したり、実験室で人目を盗んで口づけをかわしたり、放課後にパフェを食べにカフェに寄って、パフェを食べている間中ずっと凛々蝶さまの手を握ったり。手をつないで帰って、同級生にひやかされたり。体育館の道具室でひそかに愛を交わしたり・・・」
「ちょ、ちょっと待て。かなり、妄想入ってないか?」
「凛々蝶さまとのキャンパスライフ・・・ああ、望んでも決して手が届かない僕の夢・・・」
「いや、いや、ちょっと待て、待つんだ、御狐神くん!君がそういうことを望むなら、ぜひ、かなえようじゃないか!・・・一部を除いて」
「え?凛々蝶さま?」
「僕と一緒に大学へ行こう!」
「え・・・」
「さすがに23歳の君が高校へ行くのは無理があるだろう。しかし、大学なら大丈夫だ。だから、僕と一緒に大学へ行って、キャンパスライフなるものを満喫しようではないか?」
「凛々蝶さま・・・そのようなこと・・・僕に許されるはずも・・・」
「許される!許す!僕と一緒に大学へ行こう!君は、僕のシークレットサービスでもあるのだろう?僕が大学へ行くのなら、君だって行かなくてはならないだろう?」
「凛々蝶さま・・・」
「ふっ・・・よかった。御狐神くんの望むものがわかって・・・。叶えることができる望みで・・・僕はうれしいぞ」
「凛々蝶さま・・・本気でそのようなことを?僕が凛々蝶さまと一緒の大学へ?そのような大それた望みを、僕などが持っていいのでしょうか・・・」
「いいのだ!さあ、これから、二人で勉学に励むのだぞ!僕とキャンパスライフを満喫したいのだろう?」
「はい!それはもちろん・・・ですが・・・」
作品名:願いをかなえたい 作家名:なつの