願いをかなえたい
「僕と、文化祭参加したり、早弁したり、実験室や体育館で・・・いろいろ、したいのだろう?
「はいっ!!」
「では、決まりだ!御狐神くん、一緒に受験勉強がんばるのだ!」
「凛々蝶さま・・・ありがとうございます・・・僕のような者のために、そこまでご配慮いただき、感激です!」
「礼など無用だ。僕も・・・うれしいのだ、御狐神くんが喜んでくれることが。僕が少しでも、御狐神くんの幸せに貢献できるのなら・・・御狐神くんが僕にくれた幸せの少しでも返すことができるのなら・・」
「凛々蝶さま!!」
御狐神くんは僕の体をぎゅっと抱きしめた。
「凛々蝶さま!愛しています!愛しています!凛々蝶さまのためなら、僕は・・・何でもできます、どんな犠牲でも払います、どんなことでも・・・」
僕は御狐神くんの背にそっと手をまわしていった。
「オーバーなやつだな。恋人を喜ばせたいというのは、ごく自然な人間的感情だろう?」
「凛々蝶さま・・・」
御狐神くんはそっと僕にキスをしてきた。僕はまだその感触に慣れなくて。体を硬くしてしまう。御狐神くんは僕をいたわるように、そっと、そっと、キスを繰り返した。
「凛々蝶さま・・・僕は、凛々蝶さまのためなら、本当にどんなことでも・・・」
「とりあえず、僕と一緒の大学に受かるのだ。それが、君に課された使命だ」
「はいっ!凛々蝶さま・・・」
「凛々蝶さまのためなら、僕は・・・何でもできます、どんな犠牲でも払います、どんなことでも・・・」
その言葉の意味の重さを。その言葉が現実と化す恐ろしさを。僕たちはまだ知らなかった。想像もしていなかったんだ・・・。