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砂漠えるふ
砂漠えるふ
novelistID. 35991
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辻端の老婆 =東方の星=

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「・・・いくら貴方のお願いでも、それだけはお断り致します。」
                                                          
桓タイの方も深々と頭を垂れて断りを入れる。

それを、居ないがの如く気配を消して見守る凱之・・・・

「・・・そんなに私と寝るのが嫌なのか・・・?」

珍しく、半泣き(もちろん泣き真似である)になって、なんとか承諾を得ようとしている。

「今夜は、勘弁して下さい。」

青年から逃げる為か、席を立ち上がろうとすると

青年は、桓タイに掴みかかろうと間近に寄る・・・

「・・・この私から逃げられるとでも?」

襟ぐりを掴んで、殆ど馬乗りの状態になった。

年若い麾下の顔色は、先刻から赤・青・赤・青と目まぐるしく変わっている。

流石に、それを面白がっている場合ではない事に気付きゆっくりと席を立つ。

「・・・変な誤解を生むような台詞は、自重なさいますよう。
今夜くらいは自分で説得して下さいね?
じゃあ、俺はたぶん明日の朝は早くに叩き起こされると思うんで・・・
先に失礼しますよ。」

そう言い置くと、凱之を連れて宿屋の二階の寝室へと向かう。

凱之は、残された青年を気にしながらも桓タイに腕を引かれて行った・・・・

・・・今日部屋が取れたのは二人部屋が二部屋。

桓タイか浩瀚が、柴望のお小言に付き合わされるのは目に見えている。

(この際、説得?(懐柔?)を兼ねて浩瀚様が残るのがどう見ても適切ですし・・・
結局、彼の代わりに実行部隊として和州に乗り込むのは自分に役廻が来そうだし・・・
折角ゆっくり眠れる最後の夜かも知れない日にわざわざ居残り組みを希望するほど馬鹿じゃありませんので・・・)

少々後ろめたい物を感じつつも、桓タイは牀にすぐさま横になると、深い眠りに落ちていく・・・


その頃、一階では早速酒を酌み交わしながら和州発起の算段が
頭目"桓タイ"で立てられていたとかいないとか・・・・・