衝動SSまとめ(鋼錬)
※ロイエド
2012/2/17更新
Moonlightの番外編です。
設定がややこしいことになっているので、
本編の方を読んでいただけると嬉しいです。
(コナンパロ)
――――――――――――――――――――
「ロイ、大丈夫か?」
「すまない・・・・。」
「良いから寝てろ。」
「・・・・・。」
ある日、ロイが熱を出した。
中身は良い年をした大人なのだが、体はやはり子供。
大人よりもウィルスに弱く、風邪を引いてしまった。
高熱が続き、さすがのロイも弱ってた。
眠っていても苦しそう。
そんな姿を見て、自分の弟を思い出す。
こんな風に看病したことあったな。
元気にしてっかな――
それにしても・・・と思う。
ロイが何者かによって小さくされた体。
そんなありえないことがこの体にはおきている。
ただの風邪、ただの熱といっても油断は出来ない。
もしかした命の危険があるのかもしれないのだから。
エドワードは寝ずの看病を続けた。
「おやすみのキスを。」
「おやすみの鉄拳を?」
「・・・・キス・・を、」
「蹴りを?」
「・・おやすみなさい。」
「おやすみロイ。」
時々、ふざけたことを言うロイにも今回だけは優しく対応した。
ロイは不満顔だったが、ロイが眠りにつくとエドワードは優しくその頭を撫でた。
早く戻れると良いな・・
いつの間にか眠ってしまった。
そして目覚めると信じられないことが起きていた。
「・・・・ロ・・イ?」
「やぁ、おはよう鋼の。」
「戻れたのか?」
ロイの姿は夜に何度も対峙した姿。
ちゃんとした大人の・・マスタング大佐だった。
「起きたらね、こうなっていた。」
「・・・・あ・・熱は?」
「まだ少し、でも大丈夫だ。」
「そっか・・・・良かった。」
「君のおかげだ。」
「どうすんだ?」
「一度司令部に戻る。」
「そっか・・あー・・なんか作るよ、」
確かに、いつか帰ることはエドワードも分かっていた。
体が元に戻ることはエドワード自身願っていたことだ。
これでまた、気楽な暮らしが出来るから良いとは思うのだが、
こんなにも突然元に戻る日が来るとは思っていなかったので混乱した。
簡単な朝食でも作ろうと、立ちあがった。
だが、体が前に進まなかった。
ロイがエドワードを後ろから抱きしめていた。
「やはり、大きい体は良いな。」
「・・・おめでとさん。」
「寂しいと感じてくれているのかね?」
「・・なわけねぇじゃん。」
「君が良ければ、このまま暮らさないか?」
「ハッ冗談。」
「・・残念。」
「・・っいいから離せ。」
「鋼の・・」
「いい加減にっ――!!!??
突然、ロイが苦しみだした。
胸元を掴んでいる。
「おっおいロイ!!!!????」
ぐぅううああああっ!!!!!!!
「ロイっロイッ!!!!?」
ぐっぅあぁぁっああああーーーーー!!!!!
「ロイーーーーーーーーーー!!!!」
一気に体が熱くなり、ロイが一際大きい声をあげると、
気付くと・・・ロイの体はまた子供の姿に戻っていた。
「・・・・う・・そ・・?」
「・・・・・。」
「・・・戻ったな。」
「・・みたいだな。」
二人で項垂れる。
なんだったんだあの数分間のしんみりは・・・
だが、という事は――
「これからも一つ、頼むよ。」
「・・・やっぱり出てけっ!!!」
「そんなに嬉しがるな鋼の。」
「嬉しがってねぇーーーーー!!!!!」
まだまだこんな暮らしが続きそうだ。
ちょっぴり嬉しく感じてしまったことが悔しいエドワードだった。
「・・・何食べる?」
「君。」
「・・・・・そうかい、そうかい、
食わしてやるよ、俺様の鉄拳っっ!!!!!!」
「児童虐待っ児童虐待っ!!!」
「うるせーーーーーーーーーーっ!!!!!!!」
end
作品名:衝動SSまとめ(鋼錬) 作家名:おこた