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ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第5部 後編

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026話 アンクと映司と奇跡の力−タジャドル−







「久しぶりだな、映司」


「アンク…」



目の前には、アンクがいた。



「全く、ずっとお前を見ていたが、一体なにやって…『アンクゥゥゥゥゥゥッ!!!!』…って、おい、映司ぃッ!!離れろ!!」


映司は思わずアンクに抱きついた。
ずっと探していた「腕」と再開できた。
映司は嬉しくてしょうがなかった。







「アンク、アンクッ!!…触れる!動いてる!生きてる!!」




「当たり前だッ!!離れろ馬鹿ッ!!」


アンクは強引に映司を突き放した。
正気に戻ったのか、映司は急に真剣な目つきになる。




「アンク、ここは一体…ッ!?」





アンクはその場を少しづつ歩き始めた。




「ここは、そうだな…強いて言うなら…映司の『精神』の中だ」


「お、俺の…?」




アンクは立ち止まり、映司に振り向く。


「そうだ…俺はあのあと、メダルを砕かれ、身体は失われたが『意思体』となって…ずっとお前のそばについていた」


映司は驚愕する…

じゃあ、目の前にいるアンクは一体…



「な、なあ、じゃあなんでお前は実態を保って…」

「だから…ここはお前の精神世界だ、実際には存在しない」


映司は納得する。

「あ、そうか!…いや、ちょっと待てよ!!ずっと気になってたことあったんだ!!」






そうだ…意思体になったのはなんとなくわかる気はする。
しかし、どうしても疑問に思うことがある。


「じゃあさ…なんで…なんでこの世界に来たときから俺はお前の声を聞くことができたんだ!?地球にいた時は全然聞こえなかったぞ!!あと、メダル!!あのときメダルは全部…」


「少し落ち着け、映司。全部話す…」


アンクは映司の元へ近づく。
そしてすぐ目の前で立ち止まり、その口を開ける。





















その頃…







「な、なんだ今の爆発はッ!?」

「あれは…主が向かった場所…!?」





ヴィータとザフィーラが音が鳴った場所を見る、そこからはとても大きな煙が立っていた…







『ふふふふふ…あははははははッ!!!!』



グリフォンヤミーが急に笑い始めた。


「おい、なにがそんなに面白いんだッ!!」


『ついに、我らが主が復活なさった。この世界は終わりだ!!』




二人に衝撃が走った…


はやて が、リィンフォースⅡが、映司が…




負けてしまったのか?






「いや…まだだ…」

「…ザフィーラ…?」

ヴィータはザフィーラを見る、そのザフィーラの目はまだ死んでなかった。


「まだ、まだ主達の命の『鼓動』が聞こえる…、まだ、負けていないッ!!」


ヴィータは目を大きく見開いた、そして敗北という結論を問いただした自分に腹がたってしょうがなかった。

「そうだ…私たち『家族』は…どんなに遠く離れていても…魔導士リンクがなくても…いつまでもつながっているんだ…」


ヴィータの魔力が一気に上がり、グリフォンヤミーを睨みつける。



「そろそろ終わらせようじゃねぇか!!もう飽きてきたんだよ!!」


「我らは早く主達の元へ行きたいのだ、…決着をつけさせてもらうぞ!」


『いくら生きていても、あの力を発動した主の前ではどのような行動も不可能だ。それでもあきらめないのか?』





「諦める?…残念ながらな…」


「我らヴォルケンリッター…いや…八神家には…」








「諦める」という言葉は、存在しないッ!!!!





















「あ…主…」



シグナムの周りには、大量の屑ヤミーの残骸があった。しかし、まだ数は減らない。

シグナムの身体は所々にひっかき傷があり、その場で膝をついていた。騎士甲冑もボロボロに破かれ、破れたところからは血が流れている。



「魔力は完全に無くなったか…レヴァンティン…」

レヴァンティンの刃はすでにボロボロで、とても斬れる状態ではなかった。



「お前も…もう、限界なのか…?悪いな…私もだ…」







シグナムの後ろから一体の屑ヤミーが迫ってくる…!





シグナムはその場に立ちレヴァンティンを地面に突き刺す。そして、目を閉じた…。






さらば…主、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、映司…、約束…果たせなかった…。








シグナムは、「死」を覚悟した。

























クラールヴィント…ッ!!











「ッ!!」


その瞬間、屑ヤミーは崩れ去った。

さらにその後ろに、シャマルの姿があった。



「シャマル…」

「…。」


シャマルは何も喋らず、シグナムへ近づく。


「…ッ!!馬鹿ッ!!」




その場に、頬を叩かれた音が響き渡った。




シャマルは泣きながらシグナムに怒る…





「なんで今何もせず攻撃を受けようとしていたの!?あなた…今、生きるのを諦めようとしていたでしょ!!…なにが烈火の将よ!!聞いて呆れるわ!!あなたは私たちのリーダーでしょ!?勝手に一人だけ死のうなんておもわないで!!…うぅ…グスッ…」



「ッ!!」




私はなにをやっているのだろうか…



まだ、皆は戦っているではないか…








シグナムは再びレヴァンティンを持つ。



「…シグナム?」









「どうした、シャマル、何を泣いている?まだ敵は沢山いるぞ。泣くのはすべて終わってからだ!!」



シグナムの心の灯火が…
再び付いた!!




「我らヴォルケンリッター、主を護れずして散ることは絶対に許されない!!…シャマル…感謝するぞ…」





「シグナム…!!」





























「それはな…あの『透明のコアメダル』のおかげだ」


「え!?アンジュのメダルで!?」



映司は驚愕した。

まさか…自分達の宿敵の力のお陰だったとは…





「俺はお前と共にこの世界に来たとき、ある「波動」を受けた。…それがあの『透明のコアメダル』の『再生』の力だ。その力のおかげで、少しだが、意思を『具体化』することができた。それに連動してどういうわけだが知らんが、かつて俺が取り込んだコアメダルも『再生』し始めた。メダルも復活したわけはこういうことだ」



皮肉にも、アンジュは自らの能力によって自分の宿敵を復活させていたとは…

映司はただ驚くばかりであった。





しかし、また一つの疑問が生まれた。





「でも、俺はずっとアンジュのそばにいたわけじゃないぞ?なのになんで…」



アンクはため息をついた…






「お前馬鹿か…お前の周りには…常にあいつらがいただろうが…」






「あ…」















そうだ…

そうだった!








ザフィーラさん、シグナム、シャマル先生、ヴィータちゃん…ッ!!



みんなが、みんなが俺とアンクをつなぐ「手」になっていたんだ…!!