ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第5部 後編
「そっか…俺とアンクがこうして再開できたのも…皆のお陰だったんだ…皆…ありがとう…!!」
映司は一粒の涙を流した。
それを見てアンクは自然と微笑んだ。
「さて、映司。あの『アンジュ』っていう奴を早く倒さないとな…正直俺とキャラがかぶってウザイんだよ!!」
「え?全く似てないと思うけど…」
アンクは映司に指をさす。
「いいか、映司。お前の中にはもう紫のメダルは存在しない、しかしな、あの女の持つ力には紫のメダルの力と非常によく似ている!!奴を倒すにはあの女の力が必要だ!!」
映司は驚いた、まさか はやて にそんな力があったとは…
「それに…どうやらアンジュには学習能力があるらしいな…一度使ったコンボの特性を全部見切っていやがる…紫のメダルの力はもう奴に効かない…」
「そうか…でもアンジュにはもう全部見られている、それに封印される前にもうオーズの力は見ていたみたいだし…」
「いや…一つだけ、ある…」
アンクは映司に手を出す、その手には「タカ」「クジャク」「コンドル」のメダルがあった。
「そっか!アンジュはアンクを知らない!…と、いうことは『タジャドルコンボ』を知らない!!」
映司はそのメダルをもらおうと手を伸ばした!
しかし、その瞬間アンクは再び手を戻した。
「その前に、…いいか、映司。奴のメダルを完全に砕けば再生の能力が失われる…その意味、わかってるか?」
「え…?」
「砕かれた瞬間、俺の意思は…完全に消滅する」
「そ…そんな…」
ついに、ついに再開することができたのに…
皆に会わせたいのに…
「映司、お前は、どっちを選ぶ?俺を捨てて自分の世界でもないこの世界のために戦うか…俺を選んでこの世界を捨てるか…」
アンクか…
はやてちゃん達か…
いや…
違う…
わかっている…
最初から答えは、分かっている!!
「どっちも!この世界も…アンクも…!!どっちも助けるよ!!」
アンクは少し驚いた。
「ふんッ!やっぱりお前はいくら時間がたっても、成長しても馬鹿だな…」
アンクは映司に再び手をだす…
「映司、絶対に…絶対になくすなよ?」
「分かっているよ、アンク。これが俺がやりたいことだから…」
…じくん…
…映司くん…
…映司くんッ!!…
遠くからわずかに光が放たれた。
そしてその光は少しずつ大きくなっていく!
「さて、お迎えだ、映司」
「あぁ、ごめんアンク、またいってくるよ!」
−さぁ、見せてみろ、お前の欲望!!−
「ッ!!」
「え、映司くんッ!!」
映司は気づいた。
いつの間にかまた変身が解除されていた。
そして自分の左手に違和感を感じた…
その手にはアンクから託されたメダルがあった。
「夢じゃない…アンク…ッ!!」
映司は手を伸ばす!!
はやて はそれに気づき、さらに手を伸ばした!!
「映司くん、映司くんッ!!!!」
「は、はやてちゃんッ!!!!」
パシッ!!
「と、届いた…私の手が…届いた…!!」
「ありがとう…はやてちゃん…俺、諦めようとしていた。でも…こうやって、まだ、手を伸ばせた…あきらめなければ…いくらでも、届くんだ…」
映司はそのまま一枚ずつ赤のコアメダルをセットしていく…
「映司くん、まだ諦めたらあかんよ…約束したでしょ?みんなで一緒にご飯食べようって…」
「そうだったね…だから、早くあいつをやっつけよう…みんなを守るために…!!」
はやて はそのまま映司を抱き寄せる形で滞空する。
「いこう…はやてちゃん…!」
「うん…映司くん…!」
いくよ…アンクッ!!
「変身ッ!!」
『ふん…二人とも岩にぶつかって死んだか…まぁいい、さて、まずあの時空管理局地上本部から責め落とすか…人間どもに…絶望を与えるためになぁ!!』
!
オーズ・ユニガゴンコンボ…いや、アンジュはいよいよ人類を滅ぼそうとしていた…
『あの欲望の王にはずいぶんと楽しませてもらったが、あまりにも儚い最後だった…どうか…安寿の時を…ふふふふふ…アッハッハッハッハッハッ!!!!』
しかし…その時…!!
『タカ!クジャク!コンドル!
タージャードル~ッ!!』
『な、なんだ!?』
その瞬間、崖から高速で上空に舞い上がる物体が現れ、アンジュの前を突っ切っていった!
それが現れた時、曇天だった空が晴天になり、その物体の後ろには太陽が現れた!!
『あ、あれは…!!』
「え、映司くん…これは…」
はやて はオーズにいつの間にか抱えられていた。
『な、なんだあのオーズは…なんだあのコンボはッ!?』
アンク…はやてちゃん…大丈夫だよ…どっちも俺が助けるから!!
アンジュの目の前を飛翔していたのは…
仮面ライダーオーズ
赤のオーズ タジャドルコンボ
奇跡の力、ここに降臨…!!
作品名:ooo aftre ~夜天の主と欲望の王~ 第5部 後編 作家名:a-o-w