dear you
一糸纏わぬ、生まれ落ちたままの姿を2人曝して。
いっそ心も曝してしまいたくなった。
誰にも触らせなかった。誰にも渡さなかったこの心を。
いいかもしれない。
あなたになら。
「恭弥?」
ふとディーノが不思議そうな声を零して、どうしたんだ?と汗ばんだ髪を掻き上げてくれた。
「なにが?」
「いや、だって…」
すっごく幸せそうな顔してる。
そう呟く彼のほうが幸せそうだと思ったけど、僕も機嫌がよかったから「まあね」と返した。
あなたにあげる。
匂いもなければ色もなく、形すら危いそれでもいいならあなたにあげる。
名前なんて知らない。
愛だろうが恋だろうが、なんだろうが好きに呼べばいい。
あんまり調子に乗るようだったら咬み殺すけど。
あぁ、その代わりあなたのも勝手に持って行くから。
あしからず…
-END-