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11月11日はポッキーの日

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「ねえ、先輩。ポッキーゲームしませんか?」

「は?」

事の始まりは最近転入してきた後輩の一言からだった。

━━━━どうしてこうなった━━━━━


ポキッパキッ……ポリッ……

誰も居なくなった静な部室に響く音は俺の緊張や短く成っていくポッキーを俺自信にはっきりと強く意識させ、更に顔に熱が集まってしまった。

顔の熱を引かさせるため違うことに意識を向けようとつい先程あった出来事を思い出す。



本日の部活のメニューも終わり、監督の部活終了の声がグラウンド全体に響き渡った。
俺は神童とマンツーマンになり夢中になってボールの奪い合いをしていたのを止め、片付けをすることにした。

それから挨拶をし、皆それぞれ自分の自宅へと足を運ぶ。
そのようすを俺はどこか遠い事のように思い、ぼうっとしていると後ろから彼独特の凛々しい声がした。

「霧野。今日、俺の家によって行くか?」

「っっ!?え?ほ…んとうか?」

「“本当か?”って…なんだよ」

そう言いながら神童は可愛らしく、くすくすと小さな声で笑い始めた。
正直な事をいうと、このまま流れで神堂の家まで行き、押し倒したいくらい、本当に可愛いと思うのだけれど…今日は……

「神童悪い。今日、俺、これから自主練して帰りたいんだ。だから、今日はごめん…。
また今度、遊びに行くわ。」

「……そっ……か。じゃあ、俺は先に帰るから……。
練習、頑張れよ……。」

神童はどんどん声を萎めながらうつ向いてしまった。
犬のように耳が生えてたら今、凄く垂れ下がって要るんだろうな…。
なんて思いつつ、誘ってくれた彼に俺は素直に謝ろうと思った。

「ああ、誘ってくれてありがとうな。
気をつけて帰れよ。特に三国先輩には!!」

「三国先輩?」

「ああ、何かあったら直ぐに電話してくれ!!」

「何かあったら…?電話?」

「そうだぞ!神童、お前は可愛いんだから!!」

神童へとストレートにそう伝えると思った通り、彼は顔を真っ赤にしながら首をブンブンと横に降っていた。

「っっ!?ちょ……急にどうしたんだよ!!!?」

「んー。思ったことを口にしただけだけど?」

「ちょっ!!きり……っっ!?」

真っ赤に成っている彼の顔を更に赤に染めようと神童の顔を固定し自分の顔を勢いよく押し付けた。
そして、喋りかけの口へと自分の下を入れていった。

「……んっ……きり…っ……のっ……んんっ……ふっ………っ……んっ……」

神童はキスにまだ慣れてないせいか、直ぐに苦しくなったようなので残念だが一度口を話すことにした。
その瞬間力が抜けたせいかその場に彼は座り込んでしまった。
神童を見ると狙い通り先程までよりも顔を赤く染めていて、更に彼の大きな目には綺麗な涙が一杯に溜まっていた。

「神童。大丈夫か?」

「はぁ…はぁ……。きり…の……。
急に…その、キスしてくるな…よ……。」

「“急”じゃなければ良いんだな?」

「そっ…ういうことじゃ……」

段々と語尾が小さくなっていくのを聞き、これ以上苛めたら可愛そうだと思い、俺はこの辺で神童をからかうのを止めることにした。
そろそろ自主練も始めなければ練習時間もなくなってしまうので名残惜しいが神童と今日はこれで別れることにした。

最後に彼に手をさしのべ、しっかりと立たせて、彼の頬にリップ音を立てながら軽くキスを落とし別れの挨拶を交わした。

「じゃあな。練習頑張れよ!」

「ああ、気をつけて帰れよ!」

俺は姿が見えなくなるまで神童を見送ったあと、用具室へと向かいサッカーボールを取りに行った。



それから数時間。
そろそろ練習を終えようと俺はボールを元の場所へと帰し、部室へと向かった。
部室へと入り、電気をつけ水分補給をしていると後ろにある部室の扉がゆっくりと音を立てながら空いた。

「霧野先輩。まだいたんですか?」

後ろからかけられた声の正体は毎度毎度俺に突っ掛かってくる嫌味な転校生だった。

「ああ。何しに来たんだよ?」

「そのようすだと自主練ですかね…。」


(話きけよ!!)

思わず心の中で突っ込んでしまったが、こいつは本当に何がしたいか分からない…。
というより、何を考えているのかが理解できない。

「あ、そう言えば、霧野先輩。今日、何の日か知ってます?」

「……今日?」

「知らないんですか…?」

(こいつ…!!完璧に馬鹿にしてる!!!!)

「悪かったな!!知らなくて!!」

(落ち着け…俺……。落ち着くんだ…俺……っっ!!)
とりあえず、俺は今ここでキレても何にも成らないと思い、手のひらに爪が食い込む痛さを感じながらも耐えに耐えぬくことにした。

「で、結局…。何の日何だよ?」

「“ポッキーの日”ですよ!!」

「………は?」

こいつはとうとう本当に頭が可笑しくなったのかと思った。

「そして、なんとこんなところにポッキーが…。
そうなれば、やること……
決まってますよね?


ねえ、先輩。ポッキーゲームしませんか?」

「は?」

「だから、“ポッキーゲーム”ですよ?
知らないんですか?」

「知ってるよ!」

「じゃ、話は早いですね。
ほら、こっちがわくわえてください。」

「やらねぇーよ!!」

「まさか、出来ないんですか?」

「出来ない……ことはない…けど……。」

「じゃ、問題無いじゃないですか。」

「違う…。ポッキーゲームって……最後までしたら……その…。」

「あー。“キス”しますね」

「っっ!!おまっ!!駄目だ!!むりぃっ!!!?」

“俺には神童が居るから”と言おうとした瞬間口にポッキーを突っ込まれた。
俺は今すぐポッキーをかじりその事を伝えようとしたが、狩屋の顔が近付いてきて耳に息を吹き込んで来たから体の抜けてしまい、ポッキーを折ることが出来なかった。
それに、

「霧野先輩。折ったら…罰ゲームですからね?」

なんて腰から太股にかけなで回しながら言うものだから、安易に“罰ゲーム”と言うものが理解できてしまい、簡単にはポッキーを折れなくなってしまった。

「じゃあ、始めますね…」

そう言い、狩屋は俺がくわえていた反対側をかじり始めた。




今までの流れを整理していると向かい側の狩屋との顔の距離は始めに比べ、随分短くなっていると感じた。
顔に集まった熱を冷ます為に一連の流れを振り返っていたのに余計に自分の頬を染めるような結果になってしまった。

「せんふぁい。とふぁってまふよ。くひぃ。」

目の前の後輩は余裕綽々な様子で笑いながらこちらを見ていた。
このまま黙って相手が来るのを待つのは凄く負けた気がするため一気に噛んで行くことにした。

……ポキッパキッ…パキッ……

あと、数センチ……

……2……1………、、、

俺は残り僅かで目を思い切りつむった。
すぐ前に狩屋の気配が有るのを感じ、今まで以上に体を強張らせてしまった。
それから直ぐに軽い触れるだけのキスをした。

「先輩。お疲れさまです。終わりましたよ?」

俺はこいつの事だからもっと深いキスをしてくるのかと思い、正直に驚いて固まっていた。

「あれ?先輩、期待しました?」