二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

独占欲 前編

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 

翔はごくっとつばを飲み込んで、それでもこう言葉を返した。
「あんたみたいなオッサンにゆずってもらう必要なんかないぜ。俺はほしいものはぜ~ったいあきらめないタチなんだ」
「オッサン!?俺、まだ23だぜ!?」
「オッサンだろ?18歳の、若さホトバシル俺から見れば!」
翔はにやりと不敵な笑みを浮かべた。
「・・・・」
「要は咲さんの気持ち次第だろ?」
「ワカイってのは、無謀だね。咲の気持ちが俺からお前に移るとでも思ってんの?」
滝沢も負けじとニヤリと笑みを返す。
「わかんねえだろ?世の中、無限の可能性に満ちてんだぜ!」翔はきっと言葉を返す。
滝沢はちょっと黙ったが、ふん!と鼻を鳴らしていった。
「翔!お前、気に入ったぜ!さすが、咲にほれるヤツだ。これからも咲のチカラになってやってくれよ。でも・・・咲はわたさね~よ!ぜった~いな!」
「ふん!」
翔も負けじと鼻を鳴らした。


ひやひやしながら二人の様子を見ていた咲は、二人が自分のところへ戻ってくるのをみてほっとした。
「滝沢くん?翔くん?」
「咲、お待たせ。オトコ同士の話はついたから。帰ろうか?送ってくよ。」
「う、うん、ありがと・・・あの、翔くん?」
「咲さん、今夜、またメールしますね!」
翔はとろけるような笑顔を咲に見せ、滝沢のほうをちょっとにらんでから、地下鉄の駅の階段を降りていった。
「あ・・・翔くん・・・」
「さ、き」
「あ、滝沢くん、翔くんと何話してたの?」
「オトコ同士のハナシっていったろ?」
「そうかもしれないけど・・・」
「とにかく、帰るよ?さ~き~♪」
そういって、咲にヘルメットをかぶせる滝沢の顔に、またさっきの貼り付けたような笑顔が浮かんでいる。
(なんか。コワイ・・・)


滝沢が咲を送り届けたのは、咲のアパートではなく豊洲だった。
「滝沢くん?ここ、豊洲・・・」
「ちょっと、ウチに寄って?咲のところじゃ、声響いちゃうかもしれないからサ」
(えっ?それって、どういう意味・・・)
とまどう咲の手を取って、滝沢はどんどん歩いて咲を自分の部屋へ導いた。ドアを閉めたところで、滝沢は咲を抱き上げる。
「えっ?滝沢くん?」
滝沢はそのまま無言で咲を寝室まで運んで、ベッドの上にそっと横たえた。

「あ・・あの・・?」
「咲」
「はい?」
「今夜メールするって、翔のヤツが言ってたけど、アレ、なに?」
「ああ、あれは、デザイン案のことだよ。ときどき送ってくれるの、新アイディアを。」
「ときどきって、どれくらい頻繁に?」
「えっと・・・ほぼ毎日かな・・・」
「そう?」
滝沢は目を細めて笑みを浮かべる。でも、全然笑顔って感じではなくて・・・。
「翔って18歳だっけね。高校三年生?」
「そう、美大受験控えていて、今大変で・・・」
「そう?」
相変わらず、滝沢の笑みはコワイままだ。
「あ・・・あの・・・滝沢くん・・・翔くんのことで、何か誤解しているなら・・・」
「誤解なんてしてないよ。全然ね。」
滝沢はふうっと息を吐き出して、咲の上に覆いかぶさった。
「咲が翔のヤツと浮気してるなんて全然思ってないし。でも、翔が咲のこと好きだって、俺、前から気づいてたから。咲からヤツの話聞いて、ピンときたからさ。で、今日、それを目でも耳でも確認したってワケ。だから、全然誤解なんてしてないワケ。」
「え・・」
「まったく、咲って、無防備だから。今日、虫の知らせで、迎えにいってよかったよ。翔のヤツ、俺がジャマしなかったら、咲に何してたか・・・」
「いえ、そんな、翔くん、まだコドモなんだから、何も・・・」
「咲。咲はオトコゴコロをわかってないね?コドモでも、オトコだよ?」
滝沢は咲の目をまっすぐ見て宣言した。
「これからデザインスクールの送り迎えは、俺がするから。エデンは人がたくさんいるから、翔のヤツが来ても大丈夫だろうし・・・」
「そんな、滝沢くん、忙しいのに・・」
「だ~め!翔の気持ちをこれ以上惑わせないためにも、俺がしっかり咲をガードする。アイツ、いいヤツそうだけど、どうも、ガンコそうだからな~」
「滝沢くんったら・・・・もしかして、やきもち?」
そう言われて、滝沢はぱっと赤面した。
「え・・・赤くなった・・・もしかして・・・図星?」
「さ~き~」滝沢は咲へ顔を近づけながら言った。
「咲が魅力的なのは俺が一番知っているよ?だから、翔のヤツのキモチがわからないわけじゃない。でも、咲の彼氏は俺だからね!!」
「滝沢くんったら・・・」
咲は、いつもとは違う子供っぽさを感じさせる滝沢の口調に思わず噴き出してしまった。
「咲?笑ったね?そんな笑っていられなくしてあげるよ?今から」
「えっ・・ええっ??」

滝沢は咲の唇にキスすると、そのまま喉に唇を移していった。そしてそのまま、胸元に移っていく。咲は思わず声をあげそうになる。いつもと違って、性急な彼の求め方に、咲はたまらず声が漏れてしまう。恥ずかしくて、自分の手で自分の口をふさいだ。

「咲・・・いいから・・・声聞かせて?」


                            → 後編へ続く
作品名:独占欲 前編 作家名:なつの